人々が過ごしやすい環境を維持するために、様々な場所で必要とされる清掃員。今回は清掃員の仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。
清掃員とはどんな仕事をするの?
清掃員はそもそもどのような仕事を行なうのでしょうか。業務内容や必要なスキル、年収などを調べてみました。
ビルやマンションの清掃
ビルやマンションを巡回して定期的に清掃を行なう姿をよく見かけるのではないでしょうか。大きい企業のオフィスビル、病院、ホテル、大学、個人宅などで床掃除、ゴミの回収、トイレ掃除、窓ガラス拭きなど、清掃に関する業務をすべて行なっています。
仕事の受け方としては基本的に清掃サービス会社に登録して、契約先が決まり次第出向するような形です。直行直帰になることも多く、勤務時間は受け持つ清掃先や規模によって変わってきます。
ちなみに、ビルや商業施設などを掃除することをビルクリーニング、個人宅を掃除することをハウスクリーニングと言います。
病院や商業施設の清掃
病院やショッピングモールといった大規模な施設での清掃作業も行ないます。
ただし大きな施設では一人ですべてを賄うことは大変なので、チームを組んで巡回することが多いようです。チームとはいっても役割分担や場所の仕分けをして清掃を行なうだけなので、コミュニケーション能力はそこまで必要とされません。
事故現場や人が亡くなった現場の清掃
清掃員の仕事は事故現場や人が亡くなった家屋など、厳しい環境で勤務しなくてはならないこともあります。
非常に裏方で汚れてしまう仕事ですが、誰かがやらなければならない仕事です。もちろんこうした仕事は多少待遇が良くなっていますが、それでも仕事内容を考えると給与と釣り合っていないと感じる人も多いようです。
家の中の清掃を行なう業者も多い
最近では個人の家の片付けを行なう清掃業者も増えています。
増えてきた理由としては、仕事が忙しくて片付けや整理整頓をする時間がない人や、いつも家事をしてくれているお母さんへのプレゼントとして家事代行サービスの一貫で片付けを選ぶなど、ニーズの増加が背景にはあります。
そうした仕事は業者に頼む他にも、清掃が得意な個人が登録しているサイトで依頼をする方法があります。
このように、個人で仲介サイトに登録して依頼があった時だけ働くシステムもあるため、お小遣い稼ぎからスキマ時間の有効活用、育児休暇明けで働くきっかけになっています。
年収は200万円~300万円と低い
清掃員の年収は約200万円~300万円とかなり低くなっています。
理由としては誰でもできる仕事と言わざるを得ず、フルタイムで働き続ける環境が少なくなっています。
こうした要因から月給はどうしても上がりにくいようです。ただし前述の仲介サイトに登録して個人で仕事を受ける働き方を併用すると、少しは年収の低さをカバーできるのではないでしょうか。
清掃員として働くにはどうすればいいの?
清掃員として働く方法を具体的に見てみましょう。特別な資格も必要なく、未経験から応募できる案件がほとんどですが、向き不向きはあるため自分が活躍できるかはしっかり考えておきましょう。
年齢や職歴に関係なく採用される事が多い
清掃スタッフの求人を見るとその多くが誰でも応募可能なものになっています。
未経験者歓迎で、学歴や職歴も問わないことがほとんどですから、チャレンジしやすい仕事でしょう。求人も多く、働く場所や働き方を選べるものが多いため、自分のライフスタイルに合わせて応募することが可能です。
きれい好きな人や時間やスケジュールをきちんと守れる几帳面な人が向いている
清掃員の仕事の特性上、きれい好きで几帳面な人が向いていると言えます。
きれい好きなことはもちろんですが、少しの汚れに気付いて、しっかりと衛生管理ができる人や雑な仕事を自分で許せないと感じる人は他の人が見ても納得できる清潔な空間を作ることができるでしょう。
体力を使うことの多い仕事であるため、立ち仕事の経験などが活かせる
今まで経験した業務を活かせるとすれば、体力を使う立ち仕事ではないでしょうか。
重たいゴミ袋や掃除用品の持ち運び、段差を上り下りする足腰への負担を考えると、専門家としての知識がなくても、何かしらの体力を使う仕事の経験があるといいかもしれません。
具体的には工場での勤務や引っ越し業者、宅配便のドライバーなどになります。こうした仕事の経験がなくても接客業で立ち仕事をしていたなど、体力に自信がある人に向いている仕事です。
清掃員として働くために注意すべきこと
清掃員として働く前に覚えておいてもらいたい注意点4つを紹介します。
具体的には仕事内容の割に年収が低いこと、正社員契約で働けることが少ないため安定しないこと、正社員契約で働けることが少ないため安定しないこと、そして、清掃ロボットなどの開発で仕事が無くなる可能性があることです。それぞれ紹介していきます。
仕事内容の割に年収が低い
清掃員はきつい仕事内容にも関わらず、基本的な年収が低く設定されています。
求人情報を見ると時給が低く設定されているのが分かります。低い理由は紹介してきた通りですが、これに加えて長く続けることが難しく、働いていても将来への不安が残ります。
あくまでも副業や職歴の空白期間を埋めるといった、一時的な仕事として考えたほうがいいかもしれません。
特別なスキルを身につけられるわけではないため、再就職が難しい
清掃員で長く働いていても再就職に有利なスキルを磨けるとは言えず、歳を重ねてしまった分だけ再就職が難しくなります。
清掃のスキルは上がりますが、再就職に有利と言われる専門スキルやパソコンスキル、コミュニケーション能力がほとんど向上しないので、再就職で武器になるスキルが成長していません。
改めて事務員や技術職で働きたいと考える人は何かしらのアピールポイントを考える必要があります。
正社員契約で働けることが少ないため安定しない
清掃員の雇用形態は、正社員契約ではなく、アルバイトやパート、契約社員であることがほとんどです。
フルタイムで清掃作業が必要ではない現場が多く、その都度作業をする形なります。ただし、大型の商業施設や病院などでは定期的な作業が頻繁に発生するため、委託している業者によっては正社員のような就業条件で雇用していることがあります。
清掃ロボットなどの開発で仕事が無くなる可能性がある
便利な機械が登場していることで、作業の身体への負担は減っています。しかし、作業ロボットの導入で自動化が進んでいることから正社員の必要性自体が減っています。
コスト面以外にも決められた作業を定期的に行なうロボットは人がやるよりも効率面と確実性があり、今後も導入が進んで行くことが予想されます。その中で清掃を人がやる意味を見いだせないと続けていくことが難しいでしょう。