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広告代理店の雄、電通へ転職するために必要なスキルと準備

汐留に巨大な自社ビルを構え、今やその名を知らぬ者はいないとすら言われている株式会社「電通」。

テレビ業界のみならず、新聞・雑誌・インターネットなどさまざまなメディアに強い影響力を持ち、単なる広告代理店の枠に留まらない幅広い事業は働く側から見ても魅力的です。

また、広告代理店業界には華やかなイメージが付きまとい、待遇の良さやオンオフ共に充実したライフスタイルの実現など、多くの若者が憧れる人気業界でもあります。特に電通は長年広告業界のトップに君臨し、他の代理店と比較しても華やかさは段違い。

そこで今回はこの電通にスポットをあて、どうすれば電通に転職できるか、その準備はどのようにすればよいかについてご説明します。

電通とはどんな会社なのか?

まず、電通とはどのような会社なのか、詳しく見てみましょう。

電通は日本を代表する広告代理店です。売上高は単体で1兆1,561億を超え、「広告界のガリバー」という異名を持ちます。実はこの売上高は広告代理店単体としては世界最大であり、グループ連結で見ても世界のベスト5にランクインするほどの規模なのです。

ただし、事業展開はほぼ国内を中心としたものであり、海外での知名度はそれほど高いというわけではありません。

会社概要によると、本社を東京の汐留に置き、従業員数は6,800名ほどとそれほど大きな規模ではありませんが、関連会社含めると56,000名弱にも達し、非常に規模の大きな組織体であることが伺えますね。

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌といった古くからあるメディアをはじめ、インターネット事業や映画事業、イベントマーケティング及びプロモーション事業など幅広く事業を展開しており、世の中を動かす力を持っているとも言われています。

電通の社風と待遇は?

電通の社員は総じて「おしゃれ」「華やか」「高給取り」「家柄が良い」と言われています。実際、世の中のトレンドに対し敏感になる必要があるため、流行りのスポットや話題の場所には自ら足を運びビジネスのヒントを得るという習慣があるようです。

なお、電通には「電通の鬼十則」というものがあります。これは社員に対し電通マンとしての心得を諭す行動規範のようなものであり、この十則を社員は常に携帯しておかなければならないとされています。

◇電通鬼十則◇

1.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2.仕事とは先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3.大きな仕事と取組め。小さな仕事は己を小さくする。
4.難しい仕事を狙え。そして成し遂げるところに進歩がある。
5.取組んだら放すな。殺されても放すな。目的を完遂するまでは。
6.周囲を引きずり回せ。引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる。
7.計画を持て。長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8.自信を持て。自信が無いから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらがない。
9.頭は常に全回転、八方に気を配って、一部の隙もあってはならぬ。サービスとはそのようなものだ。
10.摩擦を怖れるな。摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる。

これだけ見ると。勤務している人は皆ガチガチの体育会系で、労働環境はかなり厳しそうですが、社員の給与はかなり高く、平均年収12,719,923円(平均年齢39.5歳)と1000万プレイヤーが社内いたるところにいるといった感じです。

初任給は24万円程度とそれほど高くはないのですが、入社後の昇給がすさまじく、30代半ばでほとんどの社員が1000万円を超えるようです。

電通の仕事内容と職種

では、そんな電通に就職・転職するためにはどうすればよいでしょうか。電通では新卒採用だけでなく、定期的に中途採用を行っていますが、採用している職種は以下の通りです。

1)広告営業・・・クライアントとの打ち合わせや媒体交渉などを行い、契約を締結する
2)広告プランナー・・・クライアントのニーズに沿った媒体選択やメディアミックスなどの企画を立案する
3)クリエイティブ職・・・広告の内容や表現を考え落とし込む

ただし、これらの職種はそのほとんどが契約社員としての募集となります。

実は電通は中途による正社員の募集をほとんど行っておらず、契約社員として採用し有望な人材を正社員に登用するという手法をとっています。従って、求人サイトなどで電通の正社員募集案件が出ることは極めてマレであると言えるでしょう。

電通に転職するために必要なスキルとは?

では、電通に転職するために必要なスキルについて説明しましょう。

職種によって違いはありますが、最低限必要なのは「抜群のコミュニケーションスキル」であることは言うまでもありません。

「営業の実務経験者である」という程度のスキルではなく、誰とでも話を合わせ、かつその場を盛り上げることができるエンターティナーのようなコミュニケーションスキルが求められます。

クリエイティブ職においては「その道のプロ」として活躍している程度の実績を持った方で無いと務まらないでしょう。

国内トップクラスのクリエイターが集まっている代理店だけに、その中で生き残っていくだけの力が無いとあっという間に閑職に追いやられてしまいます。

また、鬼十則が示す通り、体力的な自信も必要です。仕事がとにかくハードであり、多忙な時期は家に帰れないこともあるとか。多少のことで体調を崩しているとあっという間に同期に置いて行かれてしまうのが電通という広告会社なのです。

電通に関する口コミあれこれ

転職先としての電通を見た時のクチコミをいくつか紹介しましょう。

・残業や休日出勤はかなり多いが、その分きちんと申請できる
・社食も広く清潔感があって社員満足度が高い
・熱い気持ちを持った社員が多く、付いていくのに必死
・自分はデキる人間だと思い込んでいる社員が多い
・社員でも会社の全体像をつかむのが難しいくらい色々なことをやっている
・上に行くほど学閥や家柄が意味を持つ
・芸能界やメディアにコネのある人材が出世する
・社員の退職が少ない。これ以上の会社は無いと思っている人が多い。

などなど、うらやましくなるような声が多いのが電通の特徴ですね。

転職エージェントを活用し電通への転職を成功させよう!

広告代理店として幅広い業務が経験できる電通への転職を成功させるなら、直接アプローチするよりもやはり転職エージェントの力を借りるのが近道です。

というのも、前述の通り電通の中途採用案件はほとんど表に出ることがなく、ヘッドハンティングのような形で転職エージェント扱いとなることが多いのです。

エージェント側も非公開求人として扱うため、見合った人材にしか案件内容をオープンにしません。

つまり、電通に転職を希望するためにはまず転職エージェントに登録しなければ始まらないということです。

転職エージェントでは、電通が募集している転職情報を事細かに把握しており、応募者のこれまでのキャリアや経歴に合う企業をピックアップして紹介してくれます。

あわせて、入社してからのキャリアアップについても担当者が職種ごとに丁寧に教えてくれます。

また書類選考通過のノウハウや面接官に一目置いてもらうための採用面接対策なども丁寧に指導してくれるため、正社員採用の可能性も上がります。これから電通へ転職を考えている方にとって強い味方となってくれるでしょう。