企業の説明会や面接の最後によく聞かれる「質問はありませんか?」というフレーズ。
この時の対策として、どんな質問をすればいいのか迷うことも多いでしょう。逆質問は入社意欲や積極性のアピールにもなりますが、事前に準備をしておかないとなかなか思いつきません。ここでは逆質問された時に役立つ質問の具体例を紹介していきます。
新卒向け質問例
新卒の方がするべきは、自分が実際に仕事をするためのイメージが持てるような情報が得られる質問です。具体的に3つの例を紹介します。
社員の一日のスケジュール
当然新卒の場合、まだ社会人経験者ではありませんから、仕事内容を少し聞いただけでは現場についてよくわからないことが多いのではないでしょうか。
例えば、「一般的な社員の方は、毎日どんなスケジュールで仕事をしているのですか?」といった、自分が実際に働くことを想像するために必要な情報(回答)が得られるような質問が良いです。
この質問には、残業をどのくらいしている企業なのかを把握するという意図もあります。
この回答で、典型的なモデルとして長時間残業している社員の例を出すことはほとんどの企業ではありません。この回答で2時間ほどの残業が含まれていた場合、その会社では残業が当たり前で、もっと残業をしている社員がいると考えられます。
もし、残業が少なくライフワークバランスの取れる企業への就職を希望している人は、こういった会社は向かないというように相性のミスマッチを防げます。
仕事をするうえで担当者が個人的に必要だと思うこと
面接官や企業説明の担当者本人が働くなかで必要だと感じたことは、あなたにとっても必要であることが多く、これを聞いておけば就職に有利なスキルを事前に知ることができます。
「○○さん(担当者名)が御社で働いていて、学生時代に身につけておけばよかったと思うスキルや資格はありますか?」「学生時代に勉強して役に立っていると思う知識はありますか?」といった質問の仕方をすれば、企業としての見解ではなく、担当者自身の経験から話してもらえるため、その人からしか得られない貴重な情報を聞けるチャンスに繋がります。
採用担当者は企業の代表としてあなたの前にいるので、企業としての見解を聞かれても明言することを控えてしまうこともあります。
それは企業の公開情報として明記していないものは担当者レベルで判断できないためです。しかし、そうした情報を聞く際に担当者自身の個人的な見解で良いことを伝えれば「会社的にはどうかわかりませんが、私としては…」というように答えてもらえる可能性が高くなります。
質問のテクニックとして覚えておきましょう。
社風や雰囲気などについて
福利厚生や給与などの待遇面はもちろんのこと、社風や雰囲気も働くうえでは重要な情報です。
新社会人になってから職場の人と仲良くなれるか不安な方は「社員の方同士で勤務中に困ったことや疑問点をディスカッションできる雰囲気ですか?」「仕事以外でのレクリエーションや飲み会などで、コミュニケーションを取る機会はありますか?」といった質問を投げかけて、働いている人同士が協力しあえる環境なのかどうかを聞いてみましょう。
もちろん入社した後は積極的に話しかけていくことも必要でしょう。
中途採用者向け質問例
中途採用で転職活動行なう人の場合、新卒採用の人よりも転職者の方が経験や実績があるので、より具体的な質問をしていきましょう。
仕事で使うソフトウェアや言語が特殊なものであるかどうかや、今までの仕事と比べたときに気になる点、中途採用された人のキャリアプランなどを質問していきましょう。
業種ごとに使用されているソフトや言語などについて
応募先企業によって業務で使用されるソフトや機械、プログラムに使う言語などは異なってきます。
たとえば、CADを使った業務経験のある人が転職をしている時にする質問としては、「以前の職場ではPro-Eを使っていましたが、御社ではどのCADを採用されていますか?」のようなかたちが良いでしょう。
このように業種によって、経験はあっても使うツールが違うと一から勉強をし直さないといけないこともあります。
幸い、ツールや環境が違っても入社後の研修でサポートする体制を整えている企業もあるので、そうした部分も質問しておくと良いでしょう。自分の経験が本当に活かせるのかを確認することも大切です。
自分の経験してきた仕事との相違点
同じ業界・職種であっても、転職先によってやり方や考え方が違っていることがあります。
この時注意したいことは「これまでの職場では、こういう働き方をしていた」といった話し方は、場合によって悪い印象を与えるため、自分の経験してきた仕事との相違点を聞きたい場合には、聞きたいポイントだけに絞って質問しましょう。
中途採用されたほかの人のキャリアについて
新卒採用と中途採用では入社後のキャリアプランも大きく変わってきます。
極端な例ですが、中途採用は即戦力となる優秀な人材なので出世のスピードが早い企業もあれば、新卒採用の方が長年育成に力を入れてきたので優先的に出世させているといった企業までさまざまです。
募集要項などに書かれていることもありますが、キャリアアップのために転職を考えている人は質問しておきましょう。
逆質問する際に注意すべきこと
逆質問する際に気をつけたいポイントは3つあります。
1つ目は質問する前にその内容がすでに説明された内容でないか確認すること。2つ目は質問の際の口調は丁寧に、低姿勢で行なうこと。3つ目はこちらの質問に対して答えてもらっている間はメモを取り、しっかり聞いているアピールもすることです。
相手企業の情報や説明をきちんと認識していることが大前提
応募者として当たり前のことですが、面接官や企業説明を行なう担当者の発言や説明をしっかり理解したうえで質問しないと、逆に悪い印象を与えてしまいます。
説明してもらったことに対して、わからなかったことや疑問点があれば質問すべきですが「聞こえなかった、聞いていなかった」では大変失礼です。
相手企業の説明や話を聞く際にはきっちりメモを取り、言われたことを再度聞き返すようなことがないようにしましょう。
聞く際は丁寧に、低姿勢で
逆質問をする方で見られるのが、早口だったり問い詰めるような口調になっているケース。
自分で考えて発言する場面では、自分で思っているよりも緊張してしまい、普段とは違う話し方になっていることも多いものです。特に、企業説明会といった大勢の前で逆質問するような時には、大きな声でゆっくりと丁寧に話すことを意識しましょう。
相手の答えをメモして聞いているアピールをする
逆質問をしたことに満足するのではなく、その答えをしっかりメモしておきましょう。
逆質問をされてもメモしていないと「質問しないといけないと思って、とりあえず聞いたのか」と思われてしまいます。質問の時間は面接や説明会の最後にあることが一般的ですが、最後まで気を抜かずに対応することが大切です。
まとめ
逆質問をする際にどんなことをすればよいか、どこに気をつけるべきかを紹介しました。
質問の個数については一つでも十分かと思いますが、心配な方は無理に質問しなくても構いません。
最後に「何かあれば、またメールなどで質問させていただきたく思いますが、よろしいでしょうか」と言っておくと「質問は以上です」「もうありません、大丈夫です。」と切り上げてしまうより、印象は良くなります。
いろいろな逆質問のパターンを紹介しましたが、金銭面に関わる質問は避けましょう。
しかし、どうしても気になる、年収アップのための転職をしたいと考えている人はどうすれば良いかというと、転職エージェントを利用した転職活動を行なうことをおすすめします。