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葬儀屋として働くためにはどうすればいいの?必要なスキルや就職する方法を紹介

葬儀の企画や必要なものの手配、遺体の管理などで利用することになる葬儀屋。

そこで働く人を葬祭ディレクター、メイク納棺、セレモニースタッフなどと呼ぶこともあります。今回は葬儀屋の仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。

葬儀屋はどんな仕事をするの?

葬儀屋はどのような仕事をするのでしょうか。業務内容や必要なスキル、年収などを調べてみました。

亡くなった方の葬儀の企画や式場の手配

葬儀屋は主に亡くなった方の葬儀内容を決める企画を行い、お通夜や葬式の手配、告別式会場準備などを行ないます。人が亡くなった場合、葬儀を行なうことがほとんどで、その際の連絡先として思いつくのが葬儀屋ではないでしょうか。

葬儀屋は連絡を受けた後、葬儀の日程や規模、どれくらいの人へ連絡するかなどの段取りを決めて、滞りなく葬儀が行われるようにします。

遺体の管理や寺院、警察への連絡なども行なう

葬儀屋は遺体の管理や関係各所への連絡を行なうこともあります。

葬儀の日まで遺体を綺麗な状態で管理する必要があり、遺体を扱うことから警察への連絡も必要になります。当日葬儀でお世話になる檀家のお寺などにも連絡をし、葬儀の日やスケジュールを伝える橋渡しも行ないます。

今度も必要とされる仕事であり、需要が無くなることはない

葬儀屋の仕事が無くなる可能性は限りなくゼロに近いため、安定性はあります。

葬儀屋に限ったことではありませんが、冠婚葬祭の仕事は時代に左右されることがほとんどない仕事です。

特に高齢化社会になるにつれて仕事は増えていくので、自分に合っていれば長く働くことができるでしょう。また、福利厚生がしっかりしている点も長く働けるポイントです。

葬儀の形も変わってきており、様々な企業が台頭している

昔は葬儀と言えば大きな式場で多くの人に参列していただくイメージが多かったのですが、最近では低予算や小規模でささやかに行なうことが増えてきました。

地域や宗教によって様々な決まりやしきたりがあるようですが、「なるべく低予算にしたい」「小規模で済ませたい」といったニーズに合わせた葬儀屋が出てきています。そのため、求人自体の数も充実しており、様々な地域で働けるチャンスがあるでしょう。

年収は300万円~600万円ほどと低くはない

葬儀屋の年収は300万円~600万円と一般的なサービス業の中では少し高い数字になっています。一般的なサービス業よりも高い給与に設定されているのは、葬儀屋は誰でもできるような仕事ではないことが挙げられます。

人の死に接して、遺体を見ることもあるため、働いていて気分がいい仕事とはなかなか感じられないでしょう。しかし、人の人生の最後を華々しく飾るお手伝いをする仕事は貴重で、やりがいのある仕事と感じられる人にむいているでしょう。

葬儀屋として働くにはどうすればいいの?

葬儀屋として働く方法を具体的に見てみましょう。

セレモニー専門学校や関連大学を卒業しなくても採用はされますし、必須の資格というのも特にありません。それよりも、コミュニケーション能力や気配り、信頼関係を築いていくスキルが重視される業界です。

特別な資格は必要ないものの、コミュニケーション能力は必須

葬儀屋の仕事をする上で必ず持っていなければならない専門知識や資格はありません。

そのため、誰もが働くことができ、基礎知識もない未経験からの転職も可能です。しかし仕事柄、遺族と接する機会が多いため、気持ちが沈んでいる人とうまく接することができるコミュニケーション能力が求められます。

葬儀屋へ連絡してくる人の中には、精神的に不安定になっている人もいます。遺族の悲しみや不安に寄り添いつつ、葬儀が問題なく進むように調整しなければなりません。

この点では非常に高いコミュニケーションを持っていなければならない仕事であると言えます。

礼儀作法には厳しく、地域との信頼関係を築ける仕事をしなければならない

葬儀屋は地域密着型の企業であり、信頼関係がかなり大切です。

営業している地域での知名度やサービス満足度が高ければ口コミで広まり、地域に根付く企業になることができます。そうすることで、安定して葬儀の依頼を確保することが可能です。

しかし、一度トラブルや悪い噂が広まってしまうと、同業他社に勝つことが難しくなり、離れていった地域の信頼はなかなか回復できません。プロとして1回1回の葬儀を大切にしなければならないのがこの仕事です。

サービス業やカウンセラーの経験があれば活かすことができる

この業界は、前述の通り高いコミュニケーション能力が必要なので、サービス業やカウンセラーの実務経験者は向いていると言えます。

サービス業では接客に必要なマナーや、個人個人に合わせた接し方、言葉遣いなどを学んできているため、活かすことができます。

カウンセラーは主に人の心のケアができる人材としてアピールポイントになります。

故人と親しかった人は突然の別れでパニックや混乱している場合がありますので、対処できるカウンセリング技術を持っている人や人生経験が豊富な人は採用担当者に高く評価されるでしょう。

葬儀屋として働くために注意すべきこと

葬儀屋として働く前に覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。

具体的には仕事の内容によっては精神的に長く働くことが難しいこと、年収と仕事内容が見合っていないと感じる人もいること、そして、自分の頑張りが収入に直結しないことです。それぞれ紹介していきます。

仕事の内容によっては精神的に長く働くことが難しい

葬儀屋の仕事はどうしても暗く、人との死を扱う仕事なので精神的に苦痛を感じてしまう人も少なくありません。

自分なりのやりがいを見つけることができれば、モチベーションが維持できるかと思いますが、そうでない人はただただ辛い仕事です。遺体を見ることや家族を失って悲しみに暮れる親族の姿を見ることは、人によって大きなストレスに繋がります。

年収と仕事内容が見合っていないと感じる人もいる

葬儀屋の仕事は一般的なサービス業よりも年収が安定して高めではありますが、それでも年収に見合っていないと辞めてしまう人もいるようです。

段取りなどの打ち合わせ以外にも、肉体労働も多く、その中でお客様に気を使って仕事をしなければいけないことを考えると、苦労の多い仕事といえます。

自分の頑張りが収入に直結しない

葬儀屋の年収は上がりにくく、実力主義の人には向いていません。勤務先によっても若干差異はあるものの、年功序列のような形で年収が一定水準で上がっていくことはあります。

しかし、物を売る仕事ではないので、営業するわけにもいかず、大々的に広告やポスティングをすると「人の死でお金を稼いでいる」と言われかねません。

そのため、自分たちで大きく動いて積極的に売り上げを出して、結果的に自分の時給をアップできる仕事に就きたい人にはおすすめできません。