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酒蔵で働くためにはどうすればいいの?必要なスキルや就職する方法を紹介

今やその美味しさから世界的に注目を集めている日本酒を作る酒蔵。今回は酒蔵の仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。

酒蔵にはどんな仕事をするの?

酒蔵ではそもそもどのような仕事をするのでしょうか。業務内容や必要なスキル、年収などを調べてみました。

仕込みのための体力を使う仕事

酒蔵では、日本酒の仕込み作業が主な仕事になります。日本酒の味を決める重要な作業であり、製造量によっては多くの人員を必要とするため、求人掲載が盛んです。

酒米の精米・洗米、酒母や麹の管理、絞り、醸造、瓶詰め、ラベル貼り、箱詰め、販売店への発送など、重労働ではありますが、自分の作ったお酒の味や売上、お客様からの声を聞くとやりがいのある仕事であると感じられるのではないでしょうか。

自社のお酒を売り込む営業

酒蔵では商品企画や宣伝広告にも力を入れています。

味をアピールするとともに素材や地域性を活かしたブランディングを行なうことで、単体の銘柄だけでなく企業価値を上げて自社製品全体のイメージ・売上をアップさせることが営業には求められます。

さらに酒造り体験などを通じてお酒に興味を持ってもらうイベントなどの施策を考えることも必要になってきています。

機器メンテナンスなどを担当する仕事

意外かもしれませんが酒蔵の現場には多くの機械が導入されており、それらの保守担当者を求める酒蔵も少なくありません。

テレビや雑誌で見る酒蔵はすべて手作業で行なっているかもしれませんが、大きな酒蔵では一部の単純作業を機械によって行なっています。

撹拌作業や瓶詰め、ラベル貼りといった自動化できる作業は、機械のトラブルがあると出荷作業の遅延に直結します。酒蔵は作業場が地方にあることが多いため、トラブルがあると作業員の派遣に時間がかかることも。

そうした事態を避けるために、パソコンや機器に関する技能を持っている人材も求められています。

海外でも日本酒を始めとしたお酒が人気を集めているため将来性もある

最近では日本酒を筆頭に国内の酒蔵で作られたお酒が海外でも人気を集めています。これはこの業界が世界に誇れる美味しいお酒を作り続けた歴史があること、そして営業で海外の品評会に出展するなどの活動が実を結んだからです。

ワインやウイスキーと同じように日本酒を嗜む海外のファンが増えており、そうした外国人たちが日本にまでやってきて酒蔵見学をすることもあります。

このように今の時代はグローバルな認知度が高まっていることから、売上がさらに伸びることが予想され、将来性がある仕事と言えます。

年収は300万円~500万円と幅があるが、年功序列で上がっていく

酒蔵の年収は300万円~500万円と幅はありますが、多くの場合年功序列で上がっていく傾向にあるようです。

酒蔵の仕事はやはり技術や伝統が大切な仕事ですので、長く修行を積んで行くことが必要です。

初任給は月収20万円に満たないことが多いようですが、最終的には40万以上になるという例もあります。

酒蔵で働くにはどうすればいいの?

酒蔵で働く方法を具体的に見てみましょう。酒蔵の仕込み作業などを行なう人員は比較的ハードルが低いですが、今までの経験を活かした職に就きたい人にも相応のポジションがあります。なによりお酒が好きな人に向いている仕事です。

仕込みなどの体力仕事をする人員は比較的ハードルが低く採用されやすい

酒蔵の仕込み作業は未経験でも体力に自信がある人は採用される可能性のある仕事です。

仕込み作業は立ち仕事である以上に腕や腰に負担のかかる仕事なので、女性よりも肉体労働の経験やスポーツをしていたといった身体がしっかりしている男性に向いています。発酵させるために温度管理されていて45度もある室内で力仕事もあります。

書類選考や面接では体力面をアピールポイントにするとよいでしょう。

営業経験や機械設計開発の知識を生かしてポジションに就くことも可能

酒蔵の仕事には、紹介してきたように営業やメカニックのポジションの募集もあります。

酒蔵というとお酒を作るスタッフばかりの募集と思いがちですが、調べてみると多くの職種で求人を出しています。特に営業や経営戦略マネージャーのような仕事は、職人の多い酒蔵では適切な人材がおらず、今後のブランディングも兼ねて、そういった人材を欲しいと思っている経営者もいるようです。

あなたの会社員としての経験を活かないか、キャリアの棚卸しをしていきましょう。

お酒好きであることが大切

酒蔵で働くためには専門学校卒業や大学卒業といった学歴はさほど影響しませんが、お酒が好きであることが大切です。

たくさん飲めるかどうかではなく、自社の製品を愛して仕事をできる必要があるからです。好きでないものに心を込めて仕込み作業はできませんし、営業活動も自社製品を誇れなければ売り込むことはできません。

面接でも「なぜこの酒蔵選んだのか」を問われることが多く、ライバルである同業他社ではだめだったのか、特に思い入れのある関わりたい商品はあるかといった質問をされます。相手を納得させるだけの文言と熱意をもって選考に挑みましょう。

酒蔵で働くために注意すべきこと

酒蔵で働く前に覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。

具体的には働く場所のほとんどが地方になること、思ったよりも体力を使うため挫折する可能があること、そして、年収が上がりにくいため、頑張りを評価されている実感が湧かないことです。それぞれ紹介していきます。

働く場所のほとんどが地方になる

酒蔵の作業場のほとんどが地方になるため、都会での勤務は難しいです。

一部酒蔵では営業部などを都市においていることもありますが、ほとんどの酒蔵が作業場と同じ場所に事務所を構えています。

引っ越すにしても交通手段は車やバイクが必須になることも多く、こうした点の不自由さを見越して転職を決める必要があります。

思ったよりも体力を使うため挫折する可能がある

酒蔵で働く人の退職理由としてよく言われているのは、想像以上の肉体労働で体力が持たないということです。

水分を扱う酒蔵では仕込みの段階から、営業でお酒を運ぶ時まで、とにかく重いものを運ぶ機会が多くなります。これにより足腰を悪くしてしまったり、怪我をしてしまったりする人もおり、やむを得ず退職することにもなりかねません。

年収が上がりにくいため、頑張りを評価されている実感が湧かない

酒蔵は年功序列で年収が決まるため、いくら頑張っても収入には直結しません。

目標値のある営業職はインセンティブが設けられていることもありますが、ほとんどの職業がそうではありません。

酒蔵で働きたいが年収もきちんと評価してほしいと考える人は、売上に比例して毎年のボーナスが決まるような体制のある企業を選ぶなど、ある程度より好みをしなければならないかもしれません。