将来設計のお手伝いをしているファイナンシャルプランナーの仕事はどんなことをするのでしょうか。
今回はファイナンシャルプランナーの仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。
ファイナンシャルプランナーとはどんな仕事をするの?
ファイナンシャルプランナーはそもそもどのような仕事があるのでしょうか。仕事内容や必要なスキル、年収などを紹介します。
将来設計を正しく行なうためのアドバイス
何があるかわからない将来に備えた最適なプランをアドバイスすることがファイナンシャルプランナーの仕事です。
まだまだ安定しているとは言えない上、複雑な制度がたくさんある現代をうまく渡っていくための専門知識を備えています。
現在ある制度を把握し、相談者がどんな制度を活用すればよいかを案内したり、今後の景気や世間の流れを見据えてなにをすべきかを考える手伝いをしていくのがミッション。
うまく相談者の悩みを解決できれば、お礼を言われることもあり、やりがいを感じられる職業でもあります。
主に金融機関や保険会社での活躍が見込める
ファイナンシャルプランナーは単独で店舗を持つ仕事ではなく、金融機関や保険会社といった大きな金額を扱う企業で働くことが多いです。
例えば銀行員であれば、不動産投資や投資信託など資産運用の相談係を担当することがあります。
遺産相続などで多額の相続を受けた人が失敗しない資産運用を行なうために金融機関で相談を受けることがあります。
知識がない人だと貯蓄に回すだけに終わってしまうことや、逆に散財してしまう危険性があります。
しかし、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーのアドバイスを受けることで、将来的に必要な金額を把握することや、余剰金を投資といった選択肢が生まれてきます。
知っているだけで得する制度も多くあるので、そうしたものを顧客の立場に合わせて紹介していきます。
常に変わる世の中の動きを察知し、新しい知識を得る姿勢が大切
ファイナンシャルプランナーは先を見通す力が必要なため、世の中の動向を察知する力や、改訂される制度を理解しておく知識量が求められます。
他人に説明するにはまず自分で理解しておくことが必要な上、知識量に差がある一般の方にどれだけわかりやすい説明をするかが、優秀なファイナンシャルプランナーになるための高いハードルです。
AIなどの取って代わられることのない、貴重な人材となれる
様々な職種でAIやロボットの導入でオートメーション化が進んでいますが、ファイナンシャルプランナーはまだまだその心配はありません。
ファイナンシャルプランナーは知識があればよいわけではなく、相手の立場や気持ちを理解した上で、最適なライフプランの立て方や考え方・教育資金・保険の見直しなどを提案していきます。
これらは人間でないとできない仕事であり、個人スキルが試されるポイントです。
現在ある制度をただ淡々と紹介するだけであれば、役場の職員や情報をインプットされたAIでも可能です。そうではない血の通ったアドバイスをするのがファイナンシャルプランナーの仕事と言えます。
平均年収は300万円~400万円ほどで、資格内容でそこまで大きく変化がない
ファイナンシャルプランナーの平均年収は300万円~400万円と言われており、1級から3級までどの資格を持っていても年収に大差はないようです。
ただし、1級は高難易度の国家資格であるため、持っていると大手企業での活躍も期待でき、収入を大きく上げるチャンスがあるでしょう。
ファイナンシャルプランナーとして働くにはどうすればいいの?
ファイナンシャルプランナーとして働く方法を具体的に見てみましょう。
ファイナンシャルプランナーになるには資格が必須ですが、付随する業務をする際には資格がなくても働けるため、そうした仕事を経験しつつファイナンシャルプランナーとしての資格取得を目指す方法もあります。
ファイナンシャルプランナーを名乗るには資格を取得することが最優先
ファイナンシャルプランナーは国家資格であり、ファイナンシャル・プランニング試験(FP技能検定)というものに合格しなければ名乗ることができません。ですから、まずは資格取得を目指すことになります。
この資格試験を行なっている団体は「一般社団法人金融財政事情研究会」と「特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」の2つがあります。
どちらを受けてもファイナンシャルプランナーになることが可能で、検定は3級から1級までの3段階あります。
ただし両団体ごとに試験内容は異なるため、過去問などを確認してどちらを受けたほうが有利かを確認して対策を講じましょう。
独学で有資格者を目指すのも良いのですが、しっかり勉強したいなら幅広い知識が得られる専門学校や大学に通う選択肢もあります。
資格を取ることが難しい場合は同じ分野で働きながら知識を得ていく
ファイナンシャルプランナーの資格を取ることが難しい場合には、実務経験を経て取得を目指しましょう。
紹介してきたような金融機関や保険会社で事務員や営業の仕事を経験すれば、自ずと制度を勉強する機会も増え、お客様と接することで必要な知識を得ることができます。
また、ファイナンシャルプランナー2級以上の受験資格は、実務経験2年以上といった制約が課せられるため、どちらにせよ上級のファイナンシャルプランナーを目指す場合には実務を経験しておく必要があります。
ファイナンシャルプランナーとして働くために注意すべきこと
ファイナンシャルプランナーとして働く前に覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。
具体的にはファイナンシャルプランナーだけの知識で仕事はできないこと、世間の流れをうまく読み解く力が必要なこと、そして資格の取得が難しく、取れないことにはファイナンシャルプランナーになることができないことです。
それぞれ紹介していきます。
ファイナンシャルプランナーだけの知識で仕事はできない
ファイナンシャルプランナーは資格を得るための知識だけでは仕事ができるとは言えません。それらの知識をベースに制度や金融商品を組み合わせる柔軟な思考と、解決能力がなければ相談者に最適な解決方法を提供することは難しいでしょう。
世間の流れをうまく読み解く力が必要
ファイナンシャルプランナーの世間の流れを読み解く力はある意味センスが問われます。
思ったような景気動向にならないことや制度の廃止、新制度の設立などイレギュラーなことが多く、正しく予測するのは困難です。
予測が外れたときのリスクヘッジやサブプランの用意なども必要であり、これらがなければ相談者が不利益を被る可能性も十分あります。人の生活はもちろん、人生に大きく影響すると言えるほど責任ある仕事であることを忘れてはいけません。
資格の取得が難しく、取れないことにはファイナンシャルプランナーになることができない
ファイナンシャルプランナーになるための資格は簡単だとは言えず、相応の勉強が必要です。
誰でも受験できる3級の合格率は5割を超えていますが、ファイナンシャルプランナーとしての実力が試される2級は3割を割り込んでおり、1級は1割に満たない世界です。
国家試験の中では簡単だと言われていますが、それでも難しいことには変わりなく、有資格者でないことにはファイナンシャルプランナーを名乗れません。