学力アップのために利用する学生も多い学習塾で勤務したいと思う人もいるのではないでしょうか。今回は学習塾での仕事内容から必要なスキル、注意すべき点などを紹介していきます。
学習塾とはどんな仕事?
学習塾にはそもそもどのような仕事があるのでしょうか。仕事内容やどんな分野の経験が生かせるか、気になる年収を調べてみました。
授業や個人指導を受け持つ先生
学習塾の仕事といえば生徒指導を行う先生の仕事が思い浮かぶのではないでしょうか。
生徒指導の方法も様々で、教室で複数人を対象に授業を教えるスタイルから、2~3名ほどの少人数を受け持って指導する方法、個別指導・個別授業を行う塾などがあります。
仕事は授業や指導以外にも教材作成や生徒に合った教え方の研究、場合によっては宿題の作成など多岐に渡ります。
先生たちの管理を行う塾長
学習塾には生徒以外にも多くの先生が所属していますので、管理を行う立場の塾長も必要になってきます。
労働者として日々の作業をこなすだけでなく、先生たちが問題なく生徒と接しているか、成績の推移はどのようになっているか、今年は何人の生徒がどんな学校に進学するかなどを把握し、学習塾としてのレベルアップを図ることがミッションです。
また保護者からの要望やクレームの対応をするのも塾長の仕事。
保護者として気になることがあっても直接担当の先生には言いにくいことがあります。学んでいるのは生徒ですが、授業料を収めているのは保護者ですので、そちらのケアを行う必要も出てきます。
保護者の不安や疑問点を解消し、安心して生徒を通わせてもらえるようにすることも大切な仕事と言えるでしょう。
書類管理や勤怠管理など作業を行う事務職
学習塾でも一般企業と同じように事務職を募集している場合があります。
主な業務内容は世間一般で言われている会社の事務職と変わりありません。ただし、直接生徒指導を行う立場ではないものの生徒と仲良くなる機会も多く、担当の先生には相談しにくい話を聞く相談役となる場合もあります。
事務職だから生徒とは無関係という仕事スタイルではなく、学習塾に通う生徒の補佐役として働く意識が必要です。
生徒の成長を見守ることができる、やりがいの大きな仕事
学習塾での勤務は学校の先生と同じように生徒の成長を見ることのできる、やりがいのある仕事です。
自分の教えた生徒の成績が伸びる過程や、希望の学校へ進学できた時は生徒と同じような達成感を味わえます。また、少しずつ信頼を得て、頼られる存在になっている自分自身の成長を感じることもこの業界の魅力です。
年収は300万円~450万円ほどで、人気のある講師になれば更に上を目指せる
学習塾の平均年収は300万円~450万円ほどですが、もっと上の講師も多くいます。教え方が独特であるとか、受け持った生徒が難関の高校受験に多数合格しているなどの実績があれば、給与アップに繋がるようです。
学習塾で働くにはどうすればいいの?
学習塾で働く方法を紹介していきます。学習塾は未経験でも応募できる求人が多いですが、有利な経験や求められる能力があるため、自分がどんな部分でアピールできるかをしっかり考えておきましょう。
先生として働くにはある程度の学歴が必要
学習塾の先生として働くには学歴が求められます。
現段階での学力も重要ですが、教える立場である以上、学生にアピールできるような学歴や経験年数がないと信頼を得ることが難しいです。
ただし有名な大学を卒業していなくても、教員免許といった教育関連の資格を持っていれば問題なく採用されることも多いです。
塾長候補などの管理職は企業での管理スキルがあると有利
塾長などの管理職候補として採用にされるには、一般企業での管理職経験があると有利でしょう。特に転職サイトに掲載されている学習塾の求人はただの先生のポジションというよりは、塾長候補である場合が多くなっています。
教えるだけの先生であれば現役の大学生などのアルバイトでも賄えるため、正社員として採用する人材は塾長候補となるのです。
管理していた人数の規模が多いほうがよいですが、プロジェクト単位で工数や人員の管理を行った経験でもアピールポイントになるため、自分の関わった業務を棚卸しして積極的に伝えていきましょう。
どの仕事も学生とうまく接することのコミュニケーション能力が必要
学習塾の仕事では、どんなポジションであっても学生と接する機会があるため、専門家としての仕事をこなすのはもちろん、うまくコミュニケーションをとれるようにはしておかなければいけません。
特に教員免許取得などで大学時代に教育実習を経験したことのある人や、家庭教師・塾講師のアルバイトした経歴があれば印象もよく、採用に大きく近づけます。
学習塾で働くために注意すべきこと
学習塾で働くために覚えておいてもらいたい注意点4つを紹介します。
具体的には生徒との距離感を保たないとうまく仕事ができないこと、一般的なコミュニケーション能力よりもある意味高いスキルが必要こと、授業以外でもやることが多く、実質の仕事時間が長くなりがちなこと、そして自分が頑張った分だけ成果が出るわけではないので挫折することです。
それぞれ紹介していきます。
生徒との距離感を保たないとうまく仕事ができない
学習塾で働く難しさとして挙げられるのが、生徒との距離感です。
離れすぎていると信用を得られず、伝えたいことや教えたいことをうまく吸収してくれません。かといって近すぎると、生徒側に感情移入しすぎて悩みや辛さを共に抱え込んでしまい、業務の遂行に支障をきたします。
勤務先の生徒によって関わり方を変えなければならないのも、この職業の難しいところ。
また異性の担当者に恋心を抱く生徒もおり、そうしたことから生じるトラブルにも注意しなくてはいけません。最悪、犯罪行為にもなりかねないため、特に気をつけましょう。
一般的なコミュニケーション能力よりもある意味高いスキルが必要
生徒とのコミュニケーションは社会人同士のそれよりも特殊で、難しいものです。
年下だからと子ども扱いしたり、上から目線で話したりすると言うことを聞かない生徒も多いですが、同じ目線で話すと尊敬されず友達感覚で接してくることも。そこからどのようによい関係を築くかが重要ですが、できない人には悩みの種です。
思春期の学生はデリケートなので話題の振り方や接し方がかなり難しく、高いスキルが必要です。ただし、うまく噛み合う事ができる人には天職かもしれません。
授業以外でもやることが多く、実質の仕事時間が長くなりがち
学習塾で働いていると、授業や塾内でやることよりも家に持ち帰ってやるべき仕事が多くあり、実際の労働時間が長くなる傾向にあります。
自宅にて自分の受け持つクラスや生徒の勉強でいることを予習して、教えられるようにする準備はもちろんのこと、教材やプリント作成、宿題の採点、成績の確認、志望校の下調べとやることは山積み。
加えて、試験前や受験前は、補習や特別講習、生徒からの質問を受ける機会も増えますから、多忙を極めます。
自分が頑張った分だけ成果が出るわけではないので挫折することも
自分がいくら頑張って教えていても、テストや入試を受けるのは生徒自身なので、思うように成果が挙がらないことで挫折してしまう可能性があります。もちろん成績が伸びなければ生徒自身もつらい思いをしますが、同時に教えている先生側も苦悩します。
「自分には教える立場は向いていない」「生徒に信頼されていない」と自分を責めて、退職してしまう人も多いようです。
指導する立場の先生が同じように苦悩しても解決しないので、そうした場合はくよくよせず、前向きに頑張れる方法を示せるような先生でいられるように気持ちを切り替えられる思考が必要ですね。