WORQLIP

元転職エージェントのここだけの話

転職は何歳にまでにすべき?やりたいことと人生設計を立てよう

自分の満足できる環境を探して転職活動する人は多いかと思いますが、果たして何歳が限界なのでしょうか。年齢制限は禁止されていますから、求人情報を見ると年齢不問の仕事がたくさんあるものの、やはり年を重ねるごとに厳しくなることも事実。

男性も女性も年齢層に関係なく新しい仕事を見つけられる可能性はもちろんありますが、しっかり人生設計をしながら転職活動をしないと後悔する結果になることもあります。では、どうすればよいのでしょうか。

転職は30歳までにすべきなのは本当なのか?

募集年齢の上限はなくなったものの、一般的に「転職は30歳まで」という限界説があるのはなぜか考えてみましょう。

単純に年齢で区切られているわけではなく、それなりに理由があるのです。ここでは4つの理由を挙げて、それぞれについて説明していきます。

社会人としての期間がそれなりに経っている

30歳にもなればある程度の社会経験があると判断されます。大卒であれば22歳、高卒の場合18歳に卒業していますので、少なくとも8年は社会人として過ごした時間があるのです。

それだけの期間を経ているにも関わらず、転職活動をしていると「まだ自分のやりたい仕事が見つかっていないのか」「この数年何をしていたのか」「専門スキルを高めることはできなかったのか」という厳しい目で見られることもあります。

中にはわざわざ面接で採用する気がないのに呼び出して「未だにその年齢で異業種に転職しようと思っている人の顔が見たかった」と説教をされた人もいます。

イメージ的に「人生の中間地点」

昔は定年が60歳だったこともあり、なんとなく30歳は現役で働ける年齢の半分というイメージがあります。新卒で採用する人よりも、転職で入った人は会社に貢献する期間が短くなりますが、26歳で転職した場合「まだまだこれから頑張って」と言われます。

しかし30歳を過ぎると残りの勤続年数を考えてか「早く会社に貢献して」「(他の同世代と比較されて)技術がない、資格がない」と焦らせるような言動をされることもあります。

教育するのも難しくなってくる

30歳を過ぎた人は転職後の教育をするにも大変なことがあります。新卒の場合、社会人経験もなく何も知らない0から教育していくので、その会社の規律やルールを教えやすい部分があります。

しかし、社会人としての実務経験年数が増すにつれ、自分の考えや他社の規律の染み込んだ人に、採用後いろいろ教え込むのは手間がかかります。

どうしても前職のクセが抜けなかったり、教えようとしても「自分の経験ではこのやり方は間違っている」と頑固に否定する人もいます。

もちろん柔軟に対応しながら、意見を求められた際に最適な改善案を提示できる力量を持った人もいますが、なかなかそういった優れた人ばかりとは限りません。

そうしたトラブルが発生するリスクを考えると、経験者採用でもなるべく若く優秀な人材を確保したいと考えるのは当然なので、30歳を過ぎてからの採用を嫌う企業もあります。

会社に入ってからの立ち位置が難しい

転職活動中は正社員として働きたい、年収アップを目指したいといった待遇面を中心に考えていると思いますが、転職先が決まったら年齢の壁を痛感するかもしれません。

会社は年齢に関係なく、在籍年数によって先輩後輩が決まることがほとんどです。極端な話をすれば、35歳で中途採用された人でも、新卒入社で在籍3年目の社員からすれば後輩になり、それ相応の対応をしなければなりません。

そうなったときに35歳で入社した人は、在籍3年目の人に対して敬語で話しますが、逆に在籍3年目の人からすると「会社では先輩だけど、年齢が離れているから敬語で話さないと失礼かもしれない」と変な気遣いをするようになった結果、コミュニケーションがうまく取れず、お互いに仕事をうまく進められなくなることも出てきます。

すべての企業でこうなるわけではありませんし、中途採用の中でも経験者でより優れた人であるという判断で入社した人の場合は、先輩社員と同じような扱いになることもあります。

何にせよ、30歳以上で入社した時の社内での立ち位置に悩まされることがあることを知っておきましょう。

30歳を超えて転職をする時のポイント

30歳を超えてからも転職を成功させるチャンスは存在します。そのためには20代の転職活動とは違ったアプローチの仕方や準備が必要になります。ここでは具体的に3つの方法を紹介します。

自分のやりたいことを明確にする

30歳で転職を考える人は2つに分けられ、自分がそのどちらになるかでやるべきことも変わってきます。1つはやりたいことを見つけたがそれを仕事にできていない人。もう1つはまだやりたいことを見つけていない人です。

前者の場合はやりたいことは見つかっているので、後はそれができる企業に採用してもらえるよう転職活動をするだけ。

やりたいことで仕事していけるように、それに向けてのプロセスやアピールポイントを考えて積極的に転職活動をしましょう。例え未経験であっても業界によっては歓迎してくれる場合も多いですから、とにかく積極性を持つことが大切です。

ただし、後者の場合は少し困ったことになります。

社会人になって何年も経っているのに未だ自分のやりたい仕事が見つからず転職活動をしていると、正直厳しい目で見られます。世間ではやりたくない仕事ではあるが、生活のために仕方なく働いている人もたくさんいるのです。

そんな中「やりたいことがないから」という理由で職を転々とするのは甘いと言われても仕方ありません。「やりたいこと」が見つからないなら「できること」をやるしかないのです。

そして、転職活動をするのであれば少なくともその場では「御社の仕事をやりたい」というアピールし、入社してからやりたいことを話せるようにしておきましょう。

将来設計をしっかりしておく

転職後のビジョンや将来設計を持つことも大切。ただやりたいことをやるために転職活動をしているというのでは、20代の転職活動と同じ。これではそうした世代との差を見せることができません。

やりたいことの熱意と同時に、どのようなキャリアを積んで、どんな人になりたいかという目標を具体的に説明する必要があります。目標は面接先企業の製品やサービスに携わりたいといったことや、著名人のようになりたいといったことでも構いません。

自分なりに考えたそこに至るまでの方法や身につけるべきスキルを相手に伝えることで、その企業へ転職したいという理由付けにもなります。

スキルや経験をアピールできるように下準備する

経験してきた業種で、他社への転職を考えているのであれば、スキルや経験をまとめて話せるようにしておきましょう。

20代で転職活動をしている人と比較すると、同じ職種で長く働いた経験のある30代のほうにアドバンテージがあります。上手くアピールできれば、専門性が高い、技術力が磨かれていると判断されるでしょう。

採用担当者に自分をアピールするためには、思いつきで発言してもなかなか的確な説明ができないことがあります。まずは自分のスキルや経験を紙などに書き出しておきます。それを裏付ける実績などがあればそれらも追記しておきましょう。

そこから応募先企業に合わせて、どの部分をどのように話すか、メインとなるものをピックアップしながらストーリーを考えていくことで、企業に合わせたアピールができるようになるのです。

限られた時間で他人、特に若い世代と差をつけるための作業になりますので、是非やってみてください。

ちなみに、アピール方法については、転職エージェント(転職サイト)に登録し、そこの担当者に相談しながら準備をしていくのもおすすめです。

転職のプロが面接のアドバイスや履歴書・職務経歴書の添削などをやってくれますので、他の応募者に差を付けることができます。大手の転職エージェントであれば、中小企業から大企業まで、豊富な求人情報を扱っていますので、ぜひ活用してください。

まとめ

転職活動は30代がタイムリミットという訳ではありませんが、その前までに終えておきたいところ。

特に人気の企業に転職したいなら、年齢は重要です。ですが、人生設計はなかなか思う通りにはいかないもので、30歳を超えてから新たな道を模索する人もたくさんいます。

30代でも今までの経験やキャリアを武器にしっかり準備しておけば、転職を実現することができますが、それでも未経験で異業種に挑戦するのは難しい傾向にあります。

また、転職を繰り返しており、30代になっても一定の場所で長い期間働いた経歴がない状況であれば、厳しい転職活動になります。

ですので、少なくとも20代のうちに自分が働きたい業界を見つけておくことが大切。方向性さえ決まっていれば、30代になっても転職してキャリアや収入アップに繋げていくことができます。

こうしたことを念頭において、早めに人生設計をしておかないとやりたいこともできず、嫌な仕事をしているのに給料は少ないという苦しい生活になってしまう可能性もあります。

後悔しないように自分の今までの職務経験やこれからについて、今一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。