社会人として働く際に扱うことの多いパソコンのスキルを教えるパソコンインストラクターの仕事。今回はパソコンインストラクターの仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。
パソコンインストラクターとはどんな仕事をするの?
パソコンインストラクターはそもそもどのような仕事があるのでしょうか。仕事内容や必要なスキル、年収などを紹介します。
パソコン教室の講師
パソコンインストラクターと言えば、パソコン教室の講師の仕事が思いつくのではないでしょうか。
パソコン教室ではパソコンの専門家として基本的な操作からExcelやWordなど事務業務やビジネスの場で役立つパソコンソフトの使い方などを教えています。
パソコンの普及に合わせて全国でパソコン教室が増えましたが、今では基本操作以外にもより高度な使い方や、特殊なソフトの解説など幅広い講座が開講されています。
自分が今まで使ってきたパソコンの操作スキルを生かして働くことのできる職業と言えます。
企業や学校などで教育担当を務めることも
パソコンインストラクターの活躍の場はパソコン教室だけでなく、企業や学校などでパソコンスキルの教育担当として働く場合もあります。
企業であれば新入社員や中途採用で入ってきた人を対象に、必要なソフトの操作方法を教える研修担当になることがあります。
学校教育の現場でも、パソコンの授業が増えていることから働ける場所も増えているとも言えます。この他にも職業訓練学校での勤務といった仕事もあります。
パソコンスキルが不足している世代が多いため需要がある
パソコンインストラクターが必要とされる背景には2つの世代でパソコンスキルの低下が見られるからです。
1つ目は高齢者です。パソコン教室に通う方の多くは年配の方であり、パソコンに慣れて来なかった方がパソコン教室や職業訓練学校でスキルアップの一環として学んでいます。
もう一つは中高生や大学生といった若年層です。こうした若年層はスマートフォンの使い方はわかるものの、パソコンは触れたことがないという場合があります。
ネットの使い方などの知識があっても、社会に出てから扱うパソコンが使えなければ仕事になりません。そうしたギャップを埋めるために教えていくことになります。
年代に合わせた教育スキルが必要
パソコンのインストラクターは前述の通り様々な年齢層にパソコンスキルを教えることになるため、相手に合わせた教育スキルが必要です。
自分より目上の方に教える場合と学生に教える場合では当然接し方も変わってきますし、専門知識をただ教えるだけでなく、生徒の性格に合わせた対応が必要になります。そうした気遣いができる人には向いているでしょう。
年収は400万円~700万円ほどで、安定感と高い水準の年収が人気の転職先
パソコンインストラクターの年収は400万円~700万円と言われており、安定感と高い水準の年収が人気の転職先です。
年収はメガバンクになるほど高くなり、勤続年数に応じて給料が上がる傾向があります。銀行のネームバリューもあり、転職希望者も多いようです。
パソコンインストラクターとして働くにはどうすればいいの?
パソコンインストラクターとして働く方法を具体的に考えてみましょう。
基本的にはパソコンを使った経験があればチャンスはありますが、資格や教える立場としての素質があればさらに採用の可能性が高まります。
一通りのパソコンスキルがあれば誰でも転職できる
パソコンインストラクターの仕事はある程度社会人経験のある人であれば、男性でも女性でも転職できるチャンスのある仕事です。
あなたのパソコンスキルに合わせて、教えられるレベルが決まりますが、社会人経験があればOffice関連や基本的なパソコンスキルは習得しているでしょう。
あとは専門的なCADやIllustratorなどの使用経験があれば、さらに上級者向けの講座を担当することも可能になります。
Officeなどの資格があれば転職に有利
パソコンインストラクターとして働く際に有利な資格はOffice関連の資格である「マイクロソフトオフィススペシャリスト」などが挙げられます。
「マイクロソフトオフィススペシャリスト」とはWordやExcel、PowerPointなどの利用スキルを証明する資格です。
試験レベルはスペシャリスト(一般)レベルとエキスパート(上級)レベルの2つがあり、Officeのバージョンごとに試験も別れています。
試験は毎月行なわれているため、比較的スケジュールを合わせやすいでしょう。しっかり勉強スケジュールを立てて資格取得を目指しましょう。
操作の仕方がわからない相手に教えるためのコミュニケーション能力は必須
パソコンインストラクターに必要なスキルはパソコンに関すること以外に、コミュニケーション能力が問われます。
講師として誰かを教えるのは自分が理解する以上に難しいことです。自分の知識をひけらかすような人には向いておらず、会話や質問の中から、相手が何を理解していないか、どこでつまずいているかをヒアリングする必要があります。
先生として悩みを聞くことができて解決に導ける人物が求められる世界です。
パソコンインストラクターとして働くために注意すべきこと
パソコンインストラクターとして働く前に覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。
具体的には正社員で働ける職場は少ないこと、パソコンスキル以外にもアピールポイントがないと厳しいこと、そして、今後のパソコンソフトの発展次第では仕事がなくなる可能性があることです。それぞれ紹介していきます。
正社員で働ける職場は少ない
パソコンインストラクターの求人募集で正社員になれるものは多くありません。
アルバイトやパート、派遣社員、非常勤講師といった形で勤務します。場合によっては正社員に昇格できることもありますが、最初から正社員になれるパターンは少ないようです。
正社員として安定した勤務環境を望む場合には希望に沿わない可能性があります。とはいえ、専門学校やパソコンスクール、大学など、あらゆる業界に通用するというのは強みです。
パソコンスキル以外にもアピールポイントがないと厳しい
パソコンが使えるからという安易な理由でパソコンインストラクターを目指すと厳しい現実が待っています。
ただ使えるだけでは採用される可能性は低く、やはり何かしらの資格や専門性のあるパソコンソフトが使えないと、求められる人材とは言えないようです。
今後のパソコンソフトの発展次第では仕事がなくなる可能性がある
現在は企業でパソコンを使って仕事をすることがほとんどですが、技術の進歩によってパソコンが必要のない仕事が増えてくることも考えられます。
すでに様々な現場でタブレットの普及が進み、スマートフォンが使えれば問題なく慣れることのできる環境が整ってきています。
これが広がるとパソコンインストラクターとして教えることがなくなり、仕事もなくなってしまうかもしれません。