求人情報をチェックしてみると、自販機補充の仕事は、未経験OK・未経験歓迎というキーワードが多いので、比較的簡単にできる仕事のように思えますが、実際はどんな仕事なのでしょうか。
調べてみるとかなり厳しく、過酷な労働条件であることが見えてきました。もし目指そうと思っている方がいれば、もう少し考えてみた方が良いかもしれません。
- 自販機補充の仕事とはどんな内容なの?
- 自販機補充の仕事がブラックだと言われる理由
- 自販機補充の仕事を続けるとどうなるか
- まとめ
- 自分に合った会社への転職を成功させるたった一つの方法
- 元エージェントが本気でおすすめする無料の転職エージェント2選
- 自販機補充の仕事をもっと知るためのQ&A
自販機補充の仕事とはどんな内容なの?
自販機補充の仕事と聞くと、よく道端で見かける自動販売機へのジュース補充だけのように思えますが、この仕事だけを行なうのは派遣やアルバイト。求人情報などでは自販機オペレーターという名称でも扱われています。
正社員になるとこの他にも様々な仕事を任されることになりますので、それらを紹介します。
自動販売機に飲み物を補充する
自販機補充はルート配送スタッフとも言われ、自動販売機に入っているジュースの補充を行なうのが主な業務内容です。
担当ルートを回って決められた自動販売機に不足している飲み物を補充していくため、淡々とした業務内容に思われがちですが、実際には四季によって業務の忙しさも変わってきます。
夏場は水や清涼飲料水、炭酸ドリンクが良く売れるため、そうした商品を多く扱う自動販売機には補充が増えることがあり、逆に冬場は温かい缶コーヒーなどが売れ筋に変わります。
またスポーツジムや工事現場、オフィス街など、場所によっても売れる商品に違いがあるので、そうした変化を考えながら対応できるようにする必要があります。
自動販売機の営業活動
自動販売機を店頭や街角においてもらうための営業活動も業務になります。自動販売機の売り上げを伸ばすには、自動販売機自体の設置台数を増やすことが不可欠。
ほかの販売業であれば、さまざまな販促活動がありますが、自動販売機ではなかなかそういった施策による効果は出にくいため、設置台数の増加を行なう必要があります。
正社員になると、商品の補充を行ないながら同じ場所に追加で自動販売機を置いてもらうことや、新しくできた施設へ設置してもらえるよう営業するような仕事も任されるようになります。
自動販売機の集金やゴミ箱の空き缶回収
自動販売機内の売上金の集金やセットで設置されているゴミ箱の空き缶回収といった業務も行います。自販機補充の派遣やアルバイトの場合はお金に関わる作業は扱いませんが、正社員になると管理業務や雑務が増えます。
また、自動販売機の隣によく置いてあるゴミ箱の回収も同時に行ないます。猛暑日が続くとそれだけゴミも増え、中身の残ったジュースで汚れてしまうことも。
自販機補充の仕事がブラックだと言われる理由
自販機補充の仕事はネット上ではブラックで過酷だといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。その理由は一日中続く肉体労働と労働時間の長さにあります。具体的にどれほどのものなのか紹介します。
重たいジュースの持ち運びによる肉体疲労
自販機補充の仕事はとにかく肉体労働になります。ジュースの詰まった箱はおよそ7~8キロほどの重さがあり、それを毎日何十回、何百回と上げ下げする運動の繰り返しが必要なのです。
それなりに体を鍛えている人や運動系の部活で体力に自信がある人でも、長期にわたりこの作業を繰り返せば腕や腰に疲労が溜まり、やがて筋肉痛や腰痛に悩まされるようになる可能性が非常に高いでしょう。当然車の運転だってしなくてはいけませんし。
夏場の暑い日はそれだけ仕事も増え、さらに熱中症の危険性もあります。冬場は雪の積もる地域での補充作業をする上、補充前のジュースの缶は思ったより冷たく厳しい作業になります。体調管理がしっかりできていないと務まらない仕事です。
仕事が終わるまで帰れない労働時間の長さ
募集要項などを見ると普通の勤務時間に見えますが、実際は担当エリアへの配送が終わるまでです。すんなり何のトラブルもなく回りきれば、定時に退社できる可能性もあります。
しかし、時期によって忙しさも変化し、付随業務もしっかりこなしながら営業活動までしていると、とても定時に終われるような仕事量ではありません。
集金した売り上げの計算や、場合によっては商品の発注まで行なうので、肉体労働に加え頭脳労働も発生します。残業が続くと疲れはより蓄積されていきますが、中には残業代が出ない会社もあるのだとか。
それだと更に精神的な負担が増してしまいます。人手不足であるためにブラック体質の中で働かされていた経験者も少なくありません。
自販機補充の仕事を続けるとどうなるか
自販機補充の仕事はつらい仕事ですので、長期間働くとそれだけ体への負担が蓄積されていきます。体を壊すことも考えられ、将来的に続けて行くことが難しくなるかもしれません。
また、年収が上がる見込みが低く、収入を重視した就職を考えている人には注意するべき職業かもしれません。
長くは続けられない仕事内容なので体を壊す可能性がある
肉体労働と長時間労働で体を壊す可能性が高い仕事と言えるので、長期で働くには向いていません。派遣やアルバイトとして短期間に収入を得るための仕事としてはメジャーですが、正社員として長く年齢を重ねて働けるような仕事ではありません。
プライベートや休みの時間が少ないうえ、肉体労働を長時間連続で行なえば、誰でもいつか体の不調を訴えるようになるでしょう。
体の節々が痛い、腰痛やヘルニアなどを患う、長時間労働による精神的なストレス、さまざまな要因があなたの健康をじわじわと追い詰めていきます。
若い内は体力もあるので仕事をすることができますが、年をとるにつれ確実に体力の衰えや体の不調がやってきます。そうなってしまうと、仕事も普通にすることが難しくなり、結果的に使い捨てのようなかたちで退職することにもなりかねません。
健康被害が出てからでは再就職や転職もままならず、将来への悪影響も考えられます。
給与が上がりにくいため、年収アップしたいならほかの仕事を検討しよう
自販機補充の仕事は激務の割に収入が少なく、月給は上がりにくいといわれています。派遣やアルバイトでもできる仕事に加えて営業や集金などの作業が追加されますが、時給換算で考えれば非正社員と大差ない状態であることも少なくありません。
年齢を重ねれば給与が上がるわけでもなく、体力が落ちてくる年齢になると逆に仕事が昔ほどできなくなるため、上がる見込みがより一層なくなります。
一般的な営業活動が得意なのであれば、営業に専念してインセンティブをたくさんもらえるような仕事に就いた方が、将来的な年収アップにつながります。
体力的に自信があるなら工場のライン作業や土木関連企業など、選べる道はたくさんあります。本当に自販機補充や自販機オペレーターと呼ばれる仕事に就きたいのかをよく考えてみてください。
まとめ
自販機補充の仕事はかなりの激務が予想され、収入も少ないうえに将来への不安がある仕事といえます。自販機補充の仕事を紹介する企業としてはネオスが代表的で、コカコーラなど大手企業への正社員雇用などもあります。
しかし、正社員雇用と言っても名ばかりで、結局派遣やアルバイトがやるような仕事に責任のある作業を追加して、働ける若いうちに長時間労働させるような場合が多くあります。
前述の通り体を壊してしまってからでは再就職や転職が難しいため、正社員として目指す場合はそれなりの覚悟と理由を見つけてからにしましょう。
安易に「楽そうだから」「昔派遣やアルバイトで経験があるから」「コカコーラなどの大企業のネームバリュー」といった考えで入社すると後悔することにもなりかねません。
自分に合った会社への転職を成功させるたった一つの方法
自分に合った会社への転職を成功させるコツは、転職エージェントを利用する事です。
転職エージェントを利用する大きなメリットは全部で3つあります。
・表に出てこない非公開求人に応募できる
・面接のサポートをしてくれる
・年収アップ交渉もエージェントにお任せ
1つずつ解説していきます。
表に出てこない非公開求人に応募できる
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その大きな理由として挙げられるのが「ライバル企業に知られたくないから」。
求人内容をライバル企業に見られることで、どんな事業をしようとしているのか、どの職種にどれだけの報酬を支払っているかがわかってしまいます。
そこで、重要な仕事やポジションの求人を非公開にして、応募してもらえる人にだけ提供するよう運営企業に求めているんです。
転職エージェントに登録すると、この非公開求人を紹介してもらう事ができるようになります。
面接のサポートをしてくれる
「書類選考は通過するけど、面接でいつも失敗してしまう」そんな悩みを抱えている人はいませんか?
転職エージェントは転職のプロ。
ビジネスマナーから転職業界のトレンド、そして何より企業に関しての情報を多く持っています。
今までの面接で落ちてしまったのは、マナーが間違っていたり、アピールの方法がズレていたのかもしれません。
転職エージェントはマナーの講習ももちろんのこと、応募先企業に合った面接対策も教えてくれます。
あなたの経歴で、どこをアピールポイントとすべきか、想定される質問から事前にどのように回答すれば良いのかも一緒に考えてくれます。
エージェントと面接の練習をしておけば、本番で緊張することも少なくなりますね。
年収アップ交渉もエージェントにお任せ
とてもやりたい仕事でも「年収がもう少し良ければ…」「条件がちょっと合わないかな」と思うことも少なくありません。
そういった時に自分から企業側へ言い出すのは難しいですよね。
しかし転職エージェントなら、そんな交渉も快く請け負ってくれます。
自分で転職活動をして応募していると、どうしてもあなたが立場上弱くなりがち。
これを利用して、ブラック企業などは最低限の年収や条件交渉をしてくることもあり、結果的に不利な転職になってしまいます。
年収アップやキャリアアップのために転職活動をしている方にとっては、転職エージェントは大きな力となります。
他にも転職エージェントは求人紹介、相手企業への連絡、面談などの日程調整等も代わりにやってくれるので、自分は転職に集中する事ができますよ。
以上3点が転職エージェントを利用する大きなメリットですね。
元エージェントが本気でおすすめする無料の転職エージェント2選
元転職エージェントの私から見て、無料でも本当にオススメできると感じた転職エージェントは以下の2つです。
どちらがオススメなのか?と聞かれたら、私は両方とも登録することをおすすめしています。
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これに対し、採用プロジェクト担当は、求人情報や企業情報の提供、面接や書類作成のサポートなどを行います。
他社では1名で行う為、仕事が雑になりやすい傾向がありますが、2名体制で行う事で質の高いサポートが受けられます。
求人案内も早いので、なるべく早く就職したいと考えている人には、DODAがオススメですね。
DODA公式サイト:https://doda.jp
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リクルートエージェントは人材紹介業界最大手の「リクルート社」が提供するサービスです。
現在20万件以上の求人が登録されていますが、ホームページから探せるのは3万件程度で、残り80%は非公開求人となっています。
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リクルートエージェント公式サイト:https://www.r-agent.com
就職後に後悔しないように、この2社は必ず抑えておきましょう!
自販機補充の仕事をもっと知るためのQ&A
自販機補充は普通免許で働けますか?
自販機補充の求人情報をチェックしてみると、普通免許での募集も見つかります。ですが、普通免許OKといっても同時に「中型免許取得支援」との記載が多いので、長く働くならいずれは中型免許の取得も検討したほうがよいでしょう。
会社によっては中型免許の取得費用を全額負担してくれる所もあります。ちなみに、普通免許については、AT限定NGとOKとがあります。
自販機補充の仕事は志望動機も重視されますか?
自販機補充の志望動機を書く場合は「業界の魅力について」「企業が持つ魅力について」「仕事内容の魅力について」の3点を考えてみてください。特にその企業のことは商品、サービス、経営方針などをしっかり調べておくと堂々と回答できます。
ちなみに、過去の求人情報には自己PRも志望動機も特に必要なし!と企業側が名言している所もありました。
自販機補充のやりがい、楽しい部分って何ですか?
自販機補充スタッフはブラックっぽい要素も多いですから、やりがいを感じられずに働いているスタッフは多いでしょう。
やりがいを感じるかどうかは、その人の考え方次第。やりがいを感じやすい考え方としては、自分にしかできない部分を探せるか、小さな積み重ねの大切さをどれほど気付けるか、些細なことでも楽しいと感じられる瞬間を見つけられるかといったことがポイントとなってきます。
土日も出勤になりますか?
自販機補充の仕事は、土日の休みもなかなか取れないという口コミを見かけますが、求人情報を見る限りでは土日祝日、ゴールデンウィーク、年末年始は休日とする所もあれば、「土日中心に月8~9日休み」「週休2日のローテーション制」「月1回程度土日出勤有」といった記載がありました。土日は確実に休みたいなら、面接時に確認したほうがよいでしょう。
自販機補充の内定をもらったけど、大卒ならもっと待遇のよい所を狙ったほうがいいですか?
大卒だから新卒だからというだけでは、条件のよい企業で働ける保証はありませんが、自販機補充よりも待遇のよい企業はたくさん見つかります。特に体力に自信がない人は苦労が大きいと思いますので、自販機補充スタッフとして働くならそれなりの覚悟は必要です。
自販機補充の仕事しか内定がもらえずに悩んでいる、もしくは新卒・大卒を最大限活かせる所で働きたいなら、就職エージェント・転職エージェントの利用をおすすめします。
女性が働くには大変な職業ですか?
自販機補充は体力勝負な部分が大きいので、女性が働くには大変です。500mlのペットボトルが24本も入った荷物を一気に運ぶのは男性だって楽ではありません。自販機補充スタッフとして働いている女性の中には「コツを掴めれば案外荷物の重さはクリアできる」「ダイエットいらず」といったポジティブな書き込みもありました。
体力に自信があるなら、アルバイトから始めてみて女性でも無理なく働ける職場か確認してみてはどうでしょうか。
過労死の心配をするほど過酷な仕事ですか?
過去のニュース記事を辿ってみると、心身共に限界を迎えてしまい過労自殺をしてしまった若者がいました。体力勝負な仕事であることに加え、企業の方針によっては休日が少ない、長時間労働を強いられる、上司からは心ない言葉を浴びせられるなどといった背景がありました。
過労死については、自販機補充だけではなくどの仕事でも誰にでも起こり得る身近な問題として受け止めなくてはいけません。