サーバーやネットワークを支えるインフラエンジニアはどんな仕事なのでしょうか。今回はインフラエンジニアになる方法から必要な資格、注意すべき点などを紹介していきます。
インフラエンジニアとはどんな仕事?
インフラエンジニアという職種は、そもそもどのような仕事なのでしょうか。仕事内容やどんな分野で実際に活躍できるかを調べてみました。
何かを作り上げる派手さはないものの、現代のネット社会を影で支える仕事
インフラエンジニアはエンジニアの中でも地味さが目立つ仕事ですが、ネットワーク社会の中では非常に重要な仕事です。
インフラとはいわゆる土台のことを指す言葉で、企業の中で業務を遂行するために必要な通信やサーバーに関する保守や管理を行なうことが主なミッションです。
サーバーやネットワークなど知っておくべき分野は幅広い
インフラエンジニアはプログラミングや操作などの作業ができればよいというわけではなく、サーバーやネットワークに関する知識がないと仕事になりません。
つまり未経験でいきなり出来るような職業ではなく、ある程度エンジニアとしての開発経験がないと転職は難しいでしょう。
扱うOSはLinuxもあり、言語はPHPやJAVAなどを使用する
インフラエンジニアは特殊なOSや専用の言語を扱う仕事ですので、エンジニアの経験があっても一筋縄ではいかないことが多いです。OSで言えば一般的なWindowsやMacではなく、Linuxといったものを使用していることも。
言語はWebエンジニアが利用するPHPや最近主流になりつつあるRuby、アプリケーション開発などでも使うことのあるJAVAが代表的です。
プログラミングスキルは業務内容によっては変わってきますが、エンジニアとして利用経験のあるものが多いと、転職に有利になります。
年収は1,000万円以上になることもあり、年収アップに繋がる職業と言える
インフラエンジニアは平均年収550万円程度といわれていますが、高度な知識と技術が必要な職業なので、1,000万円を超えることも珍しくありません。
他のエンジニアの仕事は年収が高くなりにくく、独立してフリーランスで活躍したほうが年収アップできることがあります。
しかし、インフラエンジニアは会社にとってなくてはならない人員であり、世の中にこうした仕事ができる技術者が少ないこともあり、企業としても人材確保のため年収を高めに設定しています。
インフラエンジニアになるにはどうすればいいの?
具体的にインフラエンジニアになるための方法を3つ紹介していきます。
専門学校やITスクールなどで教育を受ける他に、独学で学んで資格を習得して行く方法や、他のエンジニアとして未経験者でも転職してから専門性を高めた後、キャリアアップするといった方法もあります。
専門学校やITスクールなどで教育を受ける
最近ではデザイナーやアプリケーションエンジニアと同じように、インフラエンジニアに特化した専門学校やITスクールなども開講されており、基礎からしっかり学ぶことができます。
場合によっては働きながら通えるコースもあり、英会話スクールのように習い事を学ぶ感覚でインフラエンジニアに必要な知識を身に着け、技術力を高めることができます。
勉強しながら資格取得に向けた対策もでき、時間とコストはかかるものの着実にステップアップできるでしょう。こうした教育機関やスクールでは卒業した人に向けた就職先の斡旋も行なっているので、就職もスムーズにできます。
独学で学び、資格を習得する
インフラエンジニアの勉強を独学でして、資格を習得すれば未経験でも転職できる可能性が広がります。
全くエンジニアとしての知識がゼロの状態からは厳しいですが、プログラマーや言語に関する苦手意識や抵抗がなければ、資格を取れるチャンスはあります。どのような資格が効果的なのかは次の項目で紹介していきます。
他のエンジニアとして未経験で転職してからキャリアアップする
インフラエンジニアとしてではなく、サーバーエンジニアやアプリケーションエンジニアといった、未経験からでも募集のあるエンジニアに転職してからキャリアアップする方法もあります。
最初からキャリアアップを念頭に置いて転職活動を行うので、場合によってはエンジニアとしての経験を積んでスキルアップをしてから再度転職、インフラエンジニアとして働くのもひとつの選択肢です。
インフラエンジニアに必要なスキルや資格は?
インフラエンジニアに必要な資格3つを紹介します。どれも国家資格ではありませんが、独学でも習得できる可能性があり、転職にも有利になります。
Oracle Master
Oracle Masterはインフラエンジニアが抑えるべき資格の中でも人気と知名度があります。
その名の通り日本オラクル社が発行する認定資格で、データベース管理から運用、アプリケーション開発まで幅広い知識が出題されます。
階級は「Silver」「Gold」「Platinum」の3段階が設定されています。自分の能力に合った難易度から挑戦してみてください。
LPIC
LPICは上で紹介したサーバー管理などで利用されるLinuxについての技術レベルを認定する資格です。
階級はLevel1~3までがあり、Level 1では基本的な操作方法、Level 2は管理方法や応用的なサーバー構築、Level 3ではシステム設計から構築・運用までの流れが問われます。
CCNA
CCNAはインフラ業界で有名なCiscoが設立した資格で、インフラエンジニアやネットワークエンジニアが取るべき資格とも言われています。
試験内容は、ネットワーク構築から運用までの流れやネットワークの導入・設定・管理方法と多岐に渡ります。上位資格としてCCNP、CCIEがあります。
インフラエンジニアなるために注意すべきこと
インフラエンジニアになるために覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。具体的には専用のソフトを扱うため、汎用性は低いこと、企業の中で働いているだけでは収入は上がらないこと。
技術の進歩が早く、新しいスキルを学習する柔軟性が必要なことです。それぞれ紹介していきます。
企業のインフラを支える業務のため、過酷な労働環境になりがち
インフラエンジニアの業務は企業の運用に関わる重要なポジションであるため、勤務時間が長引くことや、夜間対応をしなければならないことがあります。
サーバーやネットワークに障害が発生すると、最悪の場合損害を出してしまうことがあるので、こうしたトラブル対応で休日出勤を余儀なくされることも。プライベートの時間を大切にしたい人にはおすすめできない職業です。
未経験で最初からインフラエンジニアになるのはハードルが高い
紹介してきたようにインフラエンジニアは未経験で最初から転職するのが厳しい職業です。年収は確かに高いのですが、そのために必要な知識と技術が多く、一般的なエンジニアの上位職とも言えます。
しかも一般的なエンジニアは年収がそれほど高くないため、インフラエンジニアを目指すにしても、低めの年収で経験を積まないといけないことになります。
技術の進歩が早く、ウィルスや外部からの攻撃などの知識も常に知っておかなければならない
インフラエンジニアはネット上に蔓延するウィルスやハッキングなどの外部からの攻撃を防ぐ役割も担うため、日頃から情報収集がかかせません。
もしも、こうした被害にあってしまうと、企業の損失だけでなく顧客への信頼にも関わることになります。個人情報・企業情報を守るという意味で、非常に責任のある仕事です。
まとめ
インフラエンジニアは1,000万円以上の年収も狙える魅力的な職業ですが、未経験から転職するには厳しいでしょう。ただし、専門学校や独学などで勉強をしながら資格を取得すれば、転職できる可能性が出てきます。