実際の仕事には関係ない付き合い残業やだらだら残業を始めとする残業には、それぞれの問題点があります。具体的な問題点や解決方法を考えてみましょう。
- 残業がなくならない原因は?
- 残業が引き起こす様々な問題
- 増え続ける残業問題を解決するには
- 残業のない会社への転職を成功させるたった一つの方法
- 元エージェントが本気でおすすめする無料の転職エージェント2選
- 付き合い残業を断ち切るためのQ&A
残業がなくならない原因は?
残業がなくならない理由は主に3つあります。「仕事が終わらない」「帰りにくい雰囲気がある」「残業しないと生活できない」といったものです。それぞれについて考えてみましょう。
仕事が終わらない分量を振り分けられている
一般的には自分のキャパシティを超えた仕事量が割り当てられていたり、ミスなどによる仕事の手戻りがあったりした場合に残業が発生します。
原因は主に繁忙期などで仕事量が増えた、退職した人がいたので人員不足に陥っているなどの一時的なものから、慢性的に仕事量が飽和しているなど会社の抱える問題となっていることもあります。
ミスしないような対策や効率的な仕事の進め方で、残業時間を減らせる可能性はあります。
付き合い残業などで帰りにくい雰囲気ができている
「なんとなく職場の雰囲気で定時に帰りにくい」ということはありませんか?
特に上司が遅くまで残業をしていると帰りにくい風潮があり、自分の業務が終わっていても付き合い残業をすることや、ペースを合わせてあえて遅くまで仕事をするだらだら残業することに・・・。
社会人なったばかりの人や、新入社員だと特に、こうした風潮が当たり前なのだと言い聞かせて無理をする傾向があります。
本来であれば自分の仕事が終わった時点で退社すべきなのですが、こうした雰囲気によって全体的に残業が普通となり、結果的に「帰りにくい職場」ができ上がっています。
これがチームの協調性を高める為に必要だと考えている人もいますから困ったものです。中には、部署内の全員で帰れるまで付き合い残業をするという、企業文化が残っている所もあるのだとか。
改善方法としては上司が部下に配慮して、積極的に退社を促すよう声掛けをする、上司自ら率先して帰宅するといった意識の改革が必要です。
部下の立場としては、定時以降は自分の仕事が終わり次第、上司に帰宅して良いか確認して帰るようにする癖をつけることが大切です。
残業代を稼ぐために生活残業をしている
基本給では生活できないため、残業代で補うという「生活残業」も問題視されています。
生活残業をすることで稼ぎが増え、会社からも「残業してまで頑張っている」という評価をもらえるなら非常に得をしているように思えます。ですが、やはり残業には頼らず、生活に困らないくらいの給与をもらうことがベストではないでしょうか。
生活残業から脱却したいと考えているなら、給与アップを交渉することになりますが、現実的に難しいと思いますので、早めに転職の道を模索することをおすすめします。
残業が引き起こす様々な問題
残業を重ねることによって、自分の仕事ぶりや体調、周囲との人間関係など、さまざまな問題が引き起こされます。
昔は残業して働くに値する給与をもらえましたし、出世コースも用意され、自分の身を削って仕事をする価値のある組織が確立されていました。残業をしていても今ほど不満をいう人もいなければ、問題視されることもありませんでした。
しかし、現在の日本社会では無理をすることで心身への悪影響が懸念されるほか、頑張って働いても企業が社員を守ってくれるような環境ではなくなっているため、残業をする意義が失われています。もう少し具体的に見ていきましょう。
残業が評価され、仕事の効率化を考えなくなる
仕事は本来、効率よく早く終わらせることが評価されるべきですが、「残業=頑張っている」というイメージが定着していると早く終わらせる努力をしなくなります。
「残業=頑張っている」というイメージになっている背景には、上司の中に「自分の若い頃はもっと残業をして頑張っていたんだから、君ももっと頑張って残業しろ」という思考を持った人がいることにあります。
その結果、生産性を上げて早く仕事を終わらせる人よりも、だらだらと仕事をする方が高評価という扱いになってしまうのです。
しかし、競争社会の中ではいつまでもそれで働いて行くことは難しいでしょう。上司が変わった、評価方法が変わった、会社が変わったといった環境の変化によって、いずれは働き方に効率を求められる可能性も大いにあります。
今は世間の評価も「決められた時間で決められた分量をきっちりこなす人材」を求められるようになってきました。
その中で旧態依然とした「残業していれば評価される」といった考え方を持っていては、これから社会で活躍していくことが難しくなります。
体調の悪化や家族との時間が減少
残業によってプライベートな時間を取れず、リフレッシュや家族と交流する大切な時間を失っていることも大きな問題です。近年では過剰な残業によって体調不良になる人や、精神的に追い詰められた結果、自殺をしてしまう人が後を断ちません。
たとえば、既婚女性の場合ですと、妊娠中・子育て中によって仕事をセーブしなくてはいけない時期があります。そうなると、残業をこなすのは非常に難しくなるでしょう。
男性においても、仕事が中心とはいえ結婚したら家庭での役割がありますから、毎日のように残業をこなしていくのは大変です。
残業時間によって家族と過ごす時間を失った結果、配偶者とのすれ違いや子供とのコミュニケーション不足が生じ、いつの間にか修復できないくらい深い溝ができ、離婚という最悪な結末を迎えるかもしれません。
今一度、貴重な自分の時間を犠牲にしてまで残業をする意味があるのか、ワークライフバランスについて改めて模索していく必要がありそうです。
職場環境の悪化による離職率の増加
残業の多い企業はブラック企業と呼ばれ、求人を出しても人が集まらず、よりブラック体質が顕著に現れ離職率もより高まっていきます。つまり、長時間の残業を容認している企業はゆっくりと人材離れが進み、最終的に倒産する可能性も出てくるのです。
増え続ける残業問題を解決するには
残業を減らすには労働環境が変わるかあなたが変わるかの2択になります。職場の方針として残業を減らす取り組みをしてもらえることがベストではありますが、それが難しい場合は転職を検討することになります。
職場の方針が変わらない限り改善は見込めない
今の職場で残業を減らしたい、なくしたいと思っても自分の力でできることには限度があります。残業が当たり前というあなたの意識を変えることももちろん大切ですが、最終的にはやはり会社が変わらないと労働環境は厳しいままでしょう。
会社が変わらないと、「早く終わったならこの仕事も頼む」と、せっかく作業効率を上げて仕事をこなしても、上司に別の仕事を振られてしまいます。そうなれば、結局帰宅時間は変わりません。
もちろんそれによって自分の評価が上がっているのであれば、残業した価値もあるかもしれませんが、長く働ける会社ではありません。
となるとやはり、企業の方針として「残業せず、定時で帰宅できるようにする」「勤務時間ではなく、成果で評価する」といった流れに変わらないと、根本的な解決に繋がりません。
残業のない会社への転職を成功させるたった一つの方法
残業のない会社への転職を成功させるコツは、転職エージェントを利用する事です。
転職サイトを見ると残業の少なさを特徴として挙げている会社も数多くありますので、求人案件には困りません。
その際に注意したいのが「みなし残業」を採用している企業の求人案件。こうした案件は一見給与が高く、魅力的に見えますが、残業代込みでの給与額を掲載しています。
例えば「みなし残業20時間」と書いた求人案件の場合、残業時間20時間までは残業代の支給はありません。そして多くの場合、毎月20時間の残業が発生します。
会社としては20時間分の残業を上乗せした給与を払っているので、その時間は残業させることが決まっているようなものです。
あなたが転職に際して残業をできるだけ減らしたいと思っているのであれば、避けるべき企業だといえます。
自分で判断がつかない場合は、転職エージェントを利用する事で残業のない会社のみを紹介してもらう事も可能です。
他にも転職エージェントを利用するメリットは大きく分けて3つあります。
・表に出てこない非公開求人に応募できる
・面接のサポートをしてくれる
・年収アップ交渉もエージェントにお任せ
1つずつ解説していきます。
表に出てこない非公開求人に応募できる
求人検索をして、気に入った案件がないと諦めていませんか?
実は、転職サイトに掲載されている求人はほんの一握り。
専門性の高いものや良質な案件は非公開の求人として、運営企業が当てはまる人にのみ紹介しているのです。
その大きな理由として挙げられるのが「ライバル企業に知られたくないから」。
求人内容をライバル企業に見られることで、どんな事業をしようとしているのか、どの職種にどれだけの報酬を支払っているかがわかってしまいます。
そこで、重要な仕事やポジションの求人を非公開にして、応募してもらえる人にだけ提供するよう運営企業に求めているんです。
転職エージェントに登録すると、この非公開求人を紹介してもらう事ができるようになります。
面接のサポートをしてくれる
「書類選考は通過するけど、面接でいつも失敗してしまう」そんな悩みを抱えている人はいませんか?
転職エージェントは転職のプロ。
ビジネスマナーから転職業界のトレンド、そして何より企業に関しての情報を多く持っています。
今までの面接で落ちてしまったのは、マナーが間違っていたり、アピールの方法がズレていたのかもしれません。
転職エージェントはマナーの講習ももちろんのこと、応募先企業に合った面接対策も教えてくれます。
あなたの経歴で、どこをアピールポイントとすべきか、想定される質問から事前にどのように回答すれば良いのかも一緒に考えてくれます。
エージェントと面接の練習をしておけば、本番で緊張することも少なくなりますね。
年収アップ交渉もエージェントにお任せ
とてもやりたい仕事でも「年収がもう少し良ければ…」「条件がちょっと合わないかな」と思うことも少なくありません。
そういった時に自分から企業側へ言い出すのは難しいですよね。
しかし転職エージェントなら、そんな交渉も快く請け負ってくれます。
自分で転職活動をして応募していると、どうしてもあなたが立場上弱くなりがち。
これを利用して、ブラック企業などは最低限の年収や条件交渉をしてくることもあり、結果的に不利な転職になってしまいます。
年収アップやキャリアアップのために転職活動をしている方にとっては、転職エージェントは大きな力となります。
他にも転職エージェントは求人紹介、相手企業への連絡、面談などの日程調整等も代わりにやってくれるので、自分は転職に集中する事ができますよ。
以上3点が転職エージェントを利用する大きなメリットですね。
元エージェントが本気でおすすめする無料の転職エージェント2選
元転職エージェントの私から見て、無料でも本当にオススメできると感じた転職エージェントは以下の2つです。
どちらがオススメなのか?と聞かれたら、私は両方とも登録することをおすすめしています。
実は、非公開求人は運営会社ごとの差が出る部分なので、2社のエージェントに希望条件を出すと、同じ案件はほとんど出てきません。
単純に2倍の非公開求人を見ることができるので、良い条件の仕事を見つけやすくなります。(※どちらも登録は3分程度、完全無料で利用できます。)
1.DODA 2人体制での手厚いサポートが魅力
DODAは「キャリアアドバイザー」と「採用プロジェクト担当」の2人体制で行う、手厚いサポートが魅力です。
キャリアアドバイザーは電話面談やカウンセリングを通して、あなたにあった職業選択や、キャリア開発のアドバイスを行ないます。
これに対し、採用プロジェクト担当は、求人情報や企業情報の提供、面接や書類作成のサポートなどを行います。
他社では1名で行う為、仕事が雑になりやすい傾向がありますが、2名体制で行う事で質の高いサポートが受けられます。
求人案内も早いので、なるべく早く就職したいと考えている人には、DODAがオススメですね。
DODA公式サイト:https://doda.jp
2.リクルートエージェント 求人数は業界ナンバー1
リクルートエージェントは人材紹介業界最大手の「リクルート社」が提供するサービスです。
現在20万件以上の求人が登録されていますが、ホームページから探せるのは3万件程度で、残り80%は非公開求人となっています。
リクルートエージェントに登録することで、17万件を超える非公開求人の紹介を受ける事ができます。
他社と比べても求人数が圧倒的に多いので、就職を考えているなら必ず登録しておきたいサービスです。
リクルートエージェント公式サイト:https://www.r-agent.com
就職後に後悔しないように、この2社は必ず抑えておきましょう!
付き合い残業を断ち切るためのQ&A
付き合い残業を断ると上司に嫌味を言われたり、パワハラされたりしますか?
付き合い残業を断ると、上司に嫌味を言われる、パワハラのような暴言で精神的苦痛を味わう可能性はゼロではありません。ですが、悪い習慣はいつか断ち切らなくてはいけないもの。あなたが勇気を出して断ることで、何かが変わるかもしれません。
はじめは罪悪感でいっぱいになるでしょうが、その分、定時までは誰よりも仕事をこなすことを目指していきましょう。嫌味やパワハラがエスカレートするようなら、労基に相談する、転職するという道もあるから大丈夫。付き合い残業をこなすしか選択肢がないなんて思わないでください。
新人の立場で付き合い残業を断ってはいけませんか?
もちろん断る選択肢はあります。ただ、付き合い残業が無駄であることは多くの人が感じていますが、何年も勤務してきた社員だって断ることは大きなストレスになります。それが新入社員となると、恐怖心すら覚えるかもしれません。
新人で付き合い残業をしないと決めたのなら、定時になったら堂々と「お疲れ様でした!」と帰ることです。
はじめは新人のくせに・・・と嫌味を言われるかもしれませんが、長くは続かないと信じて、とにかく目の前の仕事を定時まで一生懸命やっていくことだけ考えていきましょう。
付き合い残業はやっぱり無駄ですか?
個人個人の考え方によります。たとえば、業務を円滑にこなしていくためのコミュニケーションと捉えているのなら、付き合い残業も意味があるものに思えてくるでしょう。
ただ、長い目で見ると付き合い残業が当たり前の環境は、社員の肉体的・精神的疲労はもちろん、会社だって残業代という形でマイナスを背負ってしまうことになります。付き合い残業は会社に利益を生み出しませんから。
総合的に考えると、付き合い残業はやっぱり無駄だと言わざるを得ません。
付き合い残業の強要は違法ですか?
どんな風に付き合い残業を強要されたかで、違法行為に当たるかどうかは判断されるでしょう。たとえば、パワハラ行為が明らかになった場合は、民事訴訟を起こすことが可能です。身体的な暴力があった場合には、傷害罪や暴行罪に問うこともできます。
その他にも、残業代がついていない場合は完全に違法ですし、1ヶ月の残業時間が原則として45時間を超える場合も違法になる可能性もあります(36協定)。
付き合い残業の強要が慢性化している会社では、これらの法律違反をしていることも少なくありません。