自動車やロボットなどの点検や修理を行なう機械整備士とはどんな仕事なのでしょうか。仕事の内容や特徴、転職するのに必要なスキルなどを紹介していきます。
- 機械整備士とはどんな仕事なのか?
- 機械整備士になるために必要なことや勤務環境は?
- 機械整備士への転職を目指す際の注意点
- まとめ
- 建設機械整備技能士資格のことが分かる!Q&A
機械整備士とはどんな仕事なのか?
機械整備士の仕事はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは機械整備士になるための資格や仕事内容を紹介していきます。
自動車の整備を行なう「自動車整備士」
整備士の代表的なものと言えば「自動車整備士(メカニック)」でしょう。
その名の通り自動車を専門に点検や整備をする仕事で、車検などでお世話になったことのある人も多いはず。資格の種類は一級自動車整備士、二級自動車整備士、三級自動車整備士、特殊整備士の4種類に分かれています。
二級自動車整備士に関しては、シャシ・ガソリン・ジーゼル・二輪の4種類に細分化されており、必要に応じて習得することになります。就職先としては自動車メーカーのほか、街の整備自動車工場やディーラー、カー用品など様々な場所が挙げられます。
産業機器の整備を行なう「産業車両整備技能士」
産業機器を中心に整備を行なう仕事に就く場合には「産業車両整備技能士」の資格が必要です。「産業車両整備技能士」ではフォークリフトなど産業現場で使用されている機械類の整備を行なうことが可能になり、1級と2級に分かれています。
フォークリフト以外にも近年のオートメーション化によって導入が進められているロボットなどの点検にも役立てられる場合があります。
建設現場で活躍する「建設機械整備技能士」
建設現場の機械整備を担当できる「建設機械整備技能士」も人気の資格です。建設作業に必要なクレーンや油圧ショベルなどの管理できることもあり、まだまだ都市開発の進む地域などで活躍の場があります。こちらの資格も1級と2級に分かれています。
年収は資格習得を前提にすると300万円から400万円ほど
機械整備士全体の年収は平均すると300万円~400万円ほど言われています。業務内容は機械の修理や点検になり、経験を積むことである程度年収が上がっていきます。各種資格が国家資格であることもあり、それ相応の年収が支給されているようです。
この他にも扱う機械によって様々な資格がある
今回紹介した3つの資格以外にも扱う機械によって必要な資格が分かれているので、自分が転職したいと思う企業ではどんな物を扱っているか調べておきましょう。
例えば船舶など水上を移動する機械であれば「マリン整備士」、航空機やジェット機は「航空整備士」というようにそれぞれ分かれており、こちらは民間の資格となっています。
機械整備士になるために必要なことや勤務環境は?
機械整備士として働いていくためにはどんなスキルが必要なのでしょうか。求められる能力や技術系のスキル、残業時間などの勤務環境を調べてみました。
どの資格も国家資格なので習得はそれなりに難易度が高い
前述の通り「自動車整備士」「産業車両整備技能士」「建設機械整備技能士」の3つは国家資格となっているため、習得に難易度は高めです。
国家資格の中で言えば、難易度はそれほど高くないとされていますが、各種資格の1級はやはり合格率は低め。
その分1級を所持していると監督責任者などの現場で作業するのに必要な人員として働けるようになるため、将来的なキャリアを考えると有利になります。
現場で働くことになるため体力も必要
修理や整備、点検を行なうのは当然現場作業になります。デスクワークな主な会社員とは違って現場作業ができる体力も必要な仕事です。
1日に多くの機械を整備することになると連続して体を動かす作業が続く上、遅延やミスが許されない場合が多いことから残業をして修繕・メンテナンス対応に追われることも。
資格習得の勉強をしつつ、体力づくりもしておくとアピールポイントになりますし、実際に働き始めてからも役立つでしょう。
未経験で転職するには実務経験をまずは積むこと
現場で作業する上で必要な資格は、基本的に実務経験者か、もしくは専門学校などで基礎的な勉強をしていないと受験資格がありません。実務経験の期間はおおよそ2年ほどで、未経験で資格を取ろうと思うとそれなりに時間がかかります。
もし自分が機械整備士として今後働いていくという意思があれば、専門学校に通うことも考慮したほうがよいかもしれません。
自動車整備士はもちろんのこと産業車両整備技能士も需要のある資格
機械整備士は今後も需要があり、手に職をつけるといった意味でも注目の仕事です。
現在の段階で資格を持っていなくても、比較的人材不足と言われている職種であるため、未経験で仕事をしながら習得を目指す意欲があれば、転職できる可能性も高いでしょう。
機械整備士への転職を目指す際の注意点
機械整備士への転職を目指す時に気をつけたいポイントは4つあります。
1つ目は資格が無いと年収は50万から100万円ほど減ること、2つ目は仕事を好きになれないと長続きしないこと、3つ目は趣味とは違い完璧を求められる仕事であること、最後は年収が上がりにくく、年齢が高くなるにつれ厳しい労働環境になることが挙げられます。
資格が無いと年収は50万から100万円ほど減る
機械整備士の年収例を挙げましたが、この業界はあくまでも資格ありきの数字なので、資格がない場合かなり低めの金額になってしまいますし、正社員への道も簡単ではありません。
上で紹介したように資格を習得するには実務経験や専門学校を経て受験要項を満たす必要があります。普通自動車免許だけでOK、未経験者歓迎の求人募集があったとしても年収の低さを覚悟しなくてはいけません。応募資格や給与条件を確認してみましょう。
仕事を好きになれないと長続きしない
機械整備士の仕事は肉体的にも過酷になることがあるため、本当にその機械を好きでないと続けることは難しいです。資格のための勉強においても、興味のないものほど覚えられず、資格を取るにも苦労するでしょう。
機械いじりが好きで、その機械を触っているだけで楽しさや幸せだと感じられる製品を扱える求人に応募することをおすすめします。
趣味とは違い完璧を求められる仕事
機械整備士の仕事をする上でよく言われることが「趣味とは違う」ということ。趣味で自動車を修理したりすることを楽しんでいる分には自分の車なので自己責任ですが、仕事でやる以上ミスは許されません。
場合によっては命を預かる重要な技術職でもあるため、相応の緊張感を持って仕事に臨まなければならないです。
年収が上がりにくく、年齢が高くなるにつれ厳しい労働環境に
機械整備士の仕事で注意すべきことは年収面にもあります。常に現場作業が続くため、40代や50代までその仕事を続けられるのかという不安も出てくるでしょう。
また、営業職のように多くの業務をこなせば収入も比例して上がるといった仕組みもないことがほとんどなので、30代後半からは年収が横ばいになりがちです。
まとめ
機械を扱う現場で必要とされる機械整備士ですが、資格習得までのプロセスや難易度、体力面や年収面で悩む部分が多くある仕事と言えるでしょう。
ただし、機械を触ることに楽しみを感じられる人には天職ともいえる選択かもしれません。
仕事内容などを見て、未経験から機械整備士を目指したいと思った方が少しでも内定を獲得できる可能性を上げるために、おすすめの方法が転職エージェントを利用することです。
転職エージェントでは求人情報の紹介以外にも、あなたのキャリアや職務経歴を見て、自己アピールの方法を考えるアドバイスや自己分析のサポートも行なっています。あなたの希望に近い形での入社も可能ですよ。
建設機械整備技能士資格のことが分かる!Q&A
建設機械整備技能士の資格はどれくらいの難易度ですか?
建設機械整備技能士試験は、難易度が際立って高いということではなく、合格率は4割ほどです。建設機械整備技能士に3級というものはなく、2級・1級・特級に分かれています。
建設機械整備技能士試験ではどのような学科試験・実技試験が行われますか?
建設機械整備技能士試験の学科と実技については以下になります。
・学科(特級)
工程管理/作業管理/品質管理/原価管理/安全衛生管理及び環境の保全/作業指導/設備管理/建設機械整備に関する現場技術
・実技(特級)
計画立案等作業試験:工程管理・作業管理・品質管理・原価管理・安全衛生管理・作業指導と設備管理
・学科(1級・2級)
建設機械/建設機械整備法/材料/機械要素/燃料及び油脂類/力学及び材料力学/製図/電気/安全衛生
・実技(1級)
製作等作業試験:建設機械の内燃機関と油圧シリンダの分解・測定・調整・組み立て/鋼板のガス切断・きり穴加工・タップ加工・丸棒鋼のダイス加工
計画立案等作業試験:建設機械の整備工数見積り・点検・故障の発見・修理・調整
・実技(2級)
製作等作業試験:建設機械の内燃機関と油圧シリンダの分解・測定・調整・組み立て/鋼板のガス切断・タップ加工
計画立案等作業試験:建設機械の点検・故障の発見・修理・調整
(参考:技のとびら)
建設機械設備技能士の費用はどれくらいですか?
建設機械整備技能士の費用は、学科試験だと3,100円、実技試験だと16,500円となっています。
ただし、職業能力開発施設などの訓練生や大学・専修学校などの在校生の場合は3級の実技試験の費用が16,500円から11,000円に安くなります。
建設機械整備技能士の申し込みや試験日程はどうなっていますか?
建設機械整備技能士の試験申し込みや試験の日程は、お住まいの都道府県職業能力開発協会のサイトを確認してください。
平成31年の前期の資格試験については、全都道府県で実施予定となっています。
たとえば東京都の場合だと、建設機械整備技能士試験日程はこのようになっています。
【試験の案内】前期は3月1日/後期は9月1日
【試験の申し込み】前期は4月の上旬~中旬/後期は10月上旬~中旬
【試験の日程】前期の学科試験は7月下旬~9月上旬、実技試験は6月上旬~9月上旬/後期の学科試験は1月下旬~2月上旬/実技試験は12月上旬~翌年2月中旬
建設機械整備技能士の受験資格は何ですか?
建設機械整備技能士の受験資格は、各級によって異なります。
特級の受験資格:1級に合格してから5年以上の実務経験
1級の受験資格:実務経験7年以上
2級の受験資格:実務経験2年以上
実務経験年数については、以前よりも大幅に短縮されています。
実務経験年数については、卒業した学科や学校によって異なります。詳細は厚生労働省のサイトから確認してください。
建設機械整備技能士の合格発表はいつですか?
平成31年の建設機械整備技能士試験の合否は、前期だと8月30日・10月4日、後期の場合は翌年の3月13日に発表されます。
また、試験の結果は合格通知の発送でも知ることができます。ちなみに、特級・1級・2級関係なく、合格発表の日は同じです。
建設機械整備技能士のテキスト本はどれを選べばいいですか?
テキスト本については、中央職業能力開発協会図書センターのwebサイトから、ネット注文・FAX注文できる他、全国の書店やamazonからの購入も可能です。本の形式については、紙媒体の書籍ももちろんありますし、電子書籍の購入もできます。
おすすめの参考書は?
試験問題は過去に出題された問題から出されることが多いので、過去問を繰り返し解くことが試験合格の一番の近道です。参考書というか、年度別に出版されている過去問題集に重点を置いて勉強していきましょう。1冊だけではなく、できる限り過去問題集を解いて本番に備えることが大切です。
独学で受験対策をするの?
建設機械整備技能士の試験は、独学でも可能ですが、各都道府県で事前講習会を実施しているので、そちらで勉強することもできます。ただし、都道府県によっては実施していない場合もありますので、ご自身で確認してください。
建設機械整備技能士の合格証書を紛失した場合、再発行してもらえますか?
再発行は可能です。各都道府県の職業能力開発協会に問い合わせてください。再発行してもらった合格証書は郵送してもらう、もしくは直接受け取る方法があります。
また、合格証書の再発行には手数料がかかります。
建設機械整備技能士の学科試験だけ合格した場合、次回の試験では免除されますか?
実技試験だけ、もしくは学科試験だけ合格した場合、次回の試験では免除されます。ただし、免除期間が設けられているので注意してください。実技or学科試験に合格した日から5年間は免除されます。