転職の際に多くの方が求める「年収アップ」。これを実現するにはどうすれば良いのでしょうか。どんな人材が年収アップできるのかのアドバイスや、実際に年収の高い業種や儲かる仕事を紹介します。
高収入につながる転職先の特徴
資格やスキル、実績が必要になる仕事
企業が高い給料を支払いたくなる人材になるための最短ルートは「その人にしかできないことがある」人間になることです。しかも、これが目に見えて証明できる必要があります。
一般的には「資格」や「免許」がもっとも分かりやすく、判断材料として使われやすいです。その他、営業職の場合は、自分の売り上げや実績もきちんと整理して説明できれば立派な「営業スキルの証明」になり得ます。
プログラマーやエンジニアであれば、使える言語や作成したアプリケーションも実績といえます。こうしてあなたのできることが目に見えて説明できると、即戦力につながります。
そして、そうした人材を必要としている求人案件は好待遇であることが多いのです。その理由は非常にシンプル。
「あなたを採用することですぐに元が取れるのがわかっている」と言えばわかりやすいでしょう。あなたにそれだけの初期投資をしても、得られる利益が大きければそれは企業にとってはプラスです。
逆に「採用しても採算が取れるかわからない」「教育やOJTをしっかりしなければ戦力にならない」
と判断されてしまうと、その期間はあなたを雇っていても利益が生まれないため、どうしても需要は小さくなり、給与も低くなります。
そして、一旦下がった給与は上がりにくいという企業がほとんどなのです。これを避けるには入社時から高収入であることが必須となります。
これが「転職した方が所得は上がる」といわれる理由の一つ。転職で収入アップを目指すなら、まず目に見える自分の価値を高めることを念頭において、今の仕事に励みましょう。
自動化や機械化のできない仕事
企業ではオートメーションやロボットの導入で人材削減の動きが見られています。会社にとって人材コストは大きなウェイトを占めているため、これを減らすことで利益確保しようという目論見です。
そうした流れの中で生き残るには「自動化や機械化のできない仕事」ができる人材になることです。
どんな仕事かは職種によって変わるため一概にいえませんが、ひとつ具体例を挙げるならば機械には周囲に配慮したり、その場の空気を読んだりということはできません。
たとえば、現在事務職をしている方が、ただ言われた作業をこなすだけの仕事であれば、それは自動化によって職を失う危険性があります。
しかし、職場内の人を見て、困っている方の補助や忙しい業務の手伝い、人間関係を考慮して動いている場合は機械にはできない仕事をしているといえます。こうした方は将来的に「使われる側」から「管理する側」になる可能性が高いです。
そして自動化されるのは「使われる側」ですので、結果的に企業内で生き残ることができます。管理する側、つまり「管理職」になれば当然収入もそれなりに支払われるはず。
もしそうでなかったとしても、そうした仕事ができる人は転職によって、収入アップが見込めます。
高収入が期待できない転職先の特徴
ベンチャーや規模の小さい企業
発展途上のベンチャー企業や開業したばかりの中小企業は、利益を社員に還元する力や余裕がないため、転職をしたとしても収入アップにつながりにくい傾向があります。
もちろん、企業によっては「社員の成長や業績によって分配することが成長につながる」と考える経営者がいることもあります。ですが、そうでない企業では収入面や、待遇の整備が整っていないことが多く、結果的にブラック企業化していることもあるのです。
たとえば、入社の時の収入が高かったとしても「見込み残業30時間」「交通費支給について記載がない(あったとしても支払われずに自己負担)」といった求人案件の内容であることも少なくありません。
転職先を探す際には給与だけでなく、条件面やデメリットとなる部分もしっかり確認しておきましょう。
個人を相手とした仕事
わかりやすくいえば、アパレル関係の店員など小売店の販売員や個人の家を訪問して物を売る営業などです。個人消費には限度があり、一人が売り上げられる金額にも限界があります。
そのため、インセンティブなどを考慮しても高い収入にはならず、転職しても年収アップは難しいでしょう。
場合によっては、月収は高いが売れなかったり目標未達だった分を自分で購入して補わなければならないということもあるため、扱うものがよほど好きなものでない限り、転職先として選ぶことはおすすめできません。
転職先として高収入になり得る職種・職業10選
事務管理職
冒頭でもお伝えしたように、管理する側になれる事務職は高収入に繋がることが多いです。
最初から転職時に高収入、好待遇が提示されることは稀ですので、実業務で多くの人の情報を扱った実績や資格を習得し、その後改めて転職しステップアップを目指しましょう。
この場合、身につける資格としては「ビジネス能力検定」や「秘書技能検定」などがあります。
無形商材営業
無形商材とはインターネット接続サービスや保険、ネットショップの運営、ネットビジネスなどが該当します。有形商材のように商品の在庫や製造管理コストがかからず、個人・企業関わらず必要とされるので、営業で売り上げを達成しやすい側面があります。
場合によっては、インセンティブの体系が働いている企業側と、契約した企業側の2方向から受け取れることもあり、ベース月収と同等のインセンティブを得られることも。
ただし、労働はかなりハードになりますし、普通のサラリーマンのような安定感は期待できないでしょう。営業力に自信がある方で、とにかくお金をたくさん稼ぎたいと思っている人におすすめです。
個人でネットビジネスを始める場合は、すぐに生活費の確保は難しいでしょうから、まずは副業から始めることをおすすめします。
電気・機械関連エンジニア
いわゆる工業系のエンジニアは自動化が難しく、今後も人の手が必要な分野です。機械やロボット分野、自動車産業の要ですので、大手企業に転職できれば収入アップが見込めます。
サーバー管理エンジニア
Web関連エンジニアの中でも、サーバー管理や保守を任されるエンジニアは今後も必要とされます。
逆にソフトウェアやアプリケーション開発エンジニアは開発環境の変化や技術革新について行くことができれば生き残れますが、そうでない場合は職を失いかねません。
そういった部分ではサーバー管理や保守のほうが緩やかです。企業としてもサーバー管理費として直接利益を上げることが可能なため、若干収入アップが見込めます。ただし残業は多くなる傾向がありますので、残業代の支給や時間の確認をお忘れなく。
土木関連職
土木関連も現場によって臨機応変な対応が必要なため自動化が難しく、その道のスペシャリストになれる可能性がある職種です。
肉体的な業務を連想しがちですが、プラント開発や設計、測量業務など多岐にわたるため、自分のスキルを生かせる分野があることも。調べてみると思わぬ高収入案件に出会えるかもしれません。
営業コンサルタント
営業職でも「コンサルタント」と付くだけで業務も収入も大きく変わってきます。営業コンサルタントとは自分のリサーチ力や経験に基づいて、企業の問題改善や事業拡大のアドバイスを行う仕事です。
これだけ聞くとかなり難しい仕事に感じますが、営業職をある程度経験にしてきた方であれば、業界のトレンドを予測する力や知識が蓄えられているはず。
これを武器に市場動向を読み解き、クライアントにアドバイスすることができれば営業コンサルタントになることができます。
とはいえ、簡単にできることではありませんのでしっかり勉強することが大切です。
外資系企業
外資系企業では年功序列など関係なく実力主義。転職の際も年齢に関係なく、スキルや実績が備わっていればそれに見合った条件で入社できます。
しかし、減俸や解雇も容易に行われてしまうことがあるため、常に努力し続けることができる方でないとリスクは大きくなってしまうでしょう。
製造管理業務
製造現場の管理職も年収が高いことが多いです。この仕事に就くには実際に工場のライン作業などを行いながら上を目指す方法と、多人数のマネジメント経験者の転職の2つがあります。
前者であれば求人情報に「工場長候補」などとキャリアを見据えた採用であることが記載されていますので、参考にしてください。
医療事務
医師や看護師の平均年収は比較的高いとされていますが、医療事務も同じ事務関連職の中では高めの収入になります。関連する資格としては「医療事務技能審査試験「医療事務管理士」などがあり、独学や通信講座で習得が可能です。
BtoBの販売営業
BtoBとは企業対企業のことで、この場合の販売営業は実際の製品のほか、製品の生産に必要な素材や部品などになります。
企業相手ですので営業単価が高く、大口顧客も個人相手より見つかりやすいため高収入につながりやすい傾向があります。
まとめ
年収アップにつながる儲かる仕事を紹介してきましたが、どんな仕事でも重要なのは「高収入に見合った仕事ができる人材になること」です。自分を磨かず、ただ漠然と高収入の案件に応募しても内定獲得は難しいでしょう。
年収アップさせるために現在の仕事を日々積み重ね、来るべき時に備えてスキルや実績を身につけることが大切。
年収アップの案件を探す前に、まずは自分を見つめ直し、持っているものの棚卸しをしてみることで、自分が応募すべき求人案件が見えてきます。
もし、一人で棚卸しができないときは転職エージェントの面談を通じて相談してみましょう。