リクルートグループといえば、人材業界で有名な企業です。
このリクルートグループ、実は正社員の割合は半分程度にすぎず、残る半分は契約社員として働く人々で構成されているということをご存じでしょうか?
なぜそれほどまでに契約社員の割合が多いかというと、それはリクルートに「契約社員として数年間働き、キャリアを積む」という仕組みが存在するからです。今回は、リクルートの契約社員とはどのようなものなのか解説していきます。
リクルートの契約社員ってどんな仕事?
そもそも「契約社員」って何?
契約社員とは、雇用形態のひとつで、企業と期間の定めのある労働契約(有期雇用契約)を結んで働く労働者のことをいいます。
正社員が期間の定めのない労働契約であるのに対して、働ける期間に定めがあることから、一般的には正社員として就職するよりも処遇の面で劣る傾向にあるとみなされることが多いです。
リクルートの契約社員とは?
リクルートでは、この契約社員の募集を積極的に行っています。リクルートの契約社員は、かつてはCV職(CareerView)と呼ばれ、現在ではグループ各社によってそれぞれ異なる呼び名が付けられている雇用形態です。
基本的に3年間リクルートで働き、スキルを身に付けた後、それぞれ個人が臨む仕事へと進んでいくことになります。
募集職種は、主に営業と編集の2種類。特に営業として経験を積むためにリクルートで働くことを選ぶ方が多いようです。
基本的に「3年間経験を積み、自身のキャリア形成に役立てるため」の仕組みだと考えてください。また、割合は少ないものの、なかには契約期間終了後も正社員としてリクルートで働き続ける方もいます。
リクルートで契約社員として働くメリット
リクルートの契約社員がどのような仕組みなのかがわかったところで、より具体的なメリットをご紹介しましょう。
正社員と変わらない仕事に挑戦できる
契約社員というと、一般的には正社員に比べて簡単な仕事を任されたり、重要なポジションを任されたりすることはないというイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、リクルートの契約社員は正社員と何ら変わらない仕事を任されます。
相違点は、一部の重要な会議に出席しない程度で、実力があれば部下のマネジメントを任されることもあるとのことです。このように、契約社員であっても正社員と同等の仕事にチャレンジできるのがリクルートで働く利点です。
キャリアアップや起業準備のためのステップとして適している
営業職の場合、「3年程度1つの会社で働き、キャリアを積んだら次の会社へ行く」という方法でキャリアアップを果たしていくのが一般的です。
リクルートの契約社員は3年という期間が最初から決まっているので、将来に向けたキャリアプランニングがしやすいのも特徴です。
また、リクルートの契約社員は退職時に100万円の退職金を受け取ることができます。そのため、転職ではなく起業のためのステップとしてリクルートで働く方も少なくありません。退職金を起業資金の一部として利用するために働く、というわけです。
一般的な契約社員に比べて待遇が良い
リクルートの契約社員の年収は、スタート時の時点で400万円前後とされています。契約社員の平均年収が170万円とされているので、待遇はかなり良い方であるといえるでしょう。
一般的な企業の場合、未経験の方が営業職に就くとスタート時の年収は360万円程度になります。この金額と比較してもリクルートの契約社員の方が高収入になるため、「契約社員として一般よりもかなり待遇は良い」と評価できるはずです。
リクルートで契約社員として働くデメリット
給与に対して仕事がきつい
契約社員であるにもかかわらず、正社員と変わらない仕事内容ということは、労働環境としては報酬に対して仕事が多い、「きつい仕事」であるのは間違いないでしょう。
そのため、3年間は苦しい日々を乗り越えなければならないことを覚悟しておく必要があります。
契約社員なので、3年経ったら辞めなければならない
当たり前の話ですが、リクルートの契約社員は3年経ったら退職し別の仕事を探さなければなりません。
ほかの企業の場合、契約期間の更新などもあり得ることですが、リクルートでは原則として「3年経ったら退職」と決まっていることに注意してください。自分の年齢と相談しながら今後の行動を決めなくてはいけません。
正社員に比べて、待遇で劣る
一般的な契約社員に比べれば高待遇となるリクルートの契約社員ですが、同じ会社で働く正社員と業務内容がほとんど同じでも、報酬面で劣ってしまうのはやむを得ないこと。
仮にほぼ同じ仕事をこなしているとしても、正社員のほうが契約社員よりも多い報酬をもらうことになるでしょう。
リクルートの契約社員への転職を目指すには?
ここまでの話を聞いて「リクルートで契約社員になるのも悪くない」と考えた方のために、リクルートの契約社員に転職を目指す際、注意するべきポイントをまとめました。
面接では、志望動機とこれまでの経験が問われる
リクルートの契約社員になるためには、リクルートグループ各社の採用試験に合格しなければなりません。面接試験では、主に「志望動機」と、「これまでの経験」が問われます。
まず志望動機についてですが、これは「なぜリクルートで契約社員として働きたいのか」という理由に加え、「契約期間終了後、どのようなキャリアへ進みたいのか」という点を明確に説明できなければなりません。
これらの点がリクルートの求める人物像と一致していれば、好印象を与えられるでしょう。
さらに、一般的な転職面接と同じように「これまでの経験」も重要なポイントになります。これも、志望動機と関連付けて語るとより説得力を増すことができるはずです。
たとえば、「これまでこういう業界で経験を積んできたので、将来こういう仕事へ進みたい。
そのためのステップとして貴社で経験を積みたい」というような流れで自分のことを伝えられれば、「一貫した目的意識のある人だ」という印象を与えられるでしょう。
将来のキャリアプランを考えておく
リクルートの契約社員は、かなり変わった雇用形態です。したがって、3年後退職した後のキャリアプランも転職時に考えておかなければなりません。それは自分自身の将来のためであり、同時に面接対策の役割も果たします。
3年間リクルートで契約社員として働く経験が、その後のキャリアにつながらないのであれば、別の転職先を選んだ方が良いかもしれません。
どちらかといえば、リクルートそのものへの転職よりも、その後のキャリアプランのほうがより重要であるといっても過言ではないでしょう。
「リクルートエージェント」を活用するのもおすすめ
名前に「リクルート」という文言が入っていることからもわかるとおり、リクルートグループが提供しているサービスのひとつでもあります。
転職ナビやマイナビ転職などの転職サイトもありますが、リクルートの契約社員への転職を目指している方にとっては、まさにうってつけの相談相手だといえるでしょう。
1人で悩み、頭を抱えている方は、ぜひ一度リクルートエージェントに質問・相談してみてください。