小説家は、サスペンスや推理小説、恋愛作品、ライトノベル(ラノベ)、エッセイ、純文学など多くのジャンルで活躍できます。今回は作家の仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。
作家はどんな仕事をするの?
作家はどのような仕事をするのでしょうか。仕事内容や必要なスキル、年収などを調べてみました。
作品のテーマを打ち合わせて書き上げる作業
作家は基本的に発売元の出版社と打ち合わせを行ない、作品の方向性やテーマを決めてから執筆に入ります。かなり有名な作家でも無い限りこうした打ち合わせは必須で、ここが一番大切な作業です。出版社としても発売するからには売り上げや話題性が欲しく、作者にとっても書いた作品が売れて映画化やアニメ化、ゲーム化したほうがモチベーションにもなります。
こうしたことから作家の書きたい題材と出版社が持つ売れ筋やベストセラーになるエッセンスを掛け合わせて、作品はつくられていきます。時には編集者から厳しく言われることもありますが、避けては通れません。テーマや方針に沿って全力で書き上げることになります。
作品の題材やヒントになるものを情報収集する
作家は書く作業以外にも、積極的に情報収集を行ない、題材やヒントを集めなくてはいけない職業でもあります。時事ネタであったり、作品の舞台となる場所・土地の情報をストックしておくことでよりよい作品を生み出すきっかけに繋がります。ですので、作家と言えば家に閉じこもりきりと思われがちですが、外出する機会もあります。
出版社からの編集、校正などの校閲作業の打ち合わせ
作家は一度作品を書き上げて終わりではなく、出版社での編集・校閲作業を経た原稿を修正することもあります。ちょっとした表現の違いや文章の繋がりがわかりにくいなどの修正点であれば、手直しするだけで終わりますが、校閲の結果、間違った事実に基づいて書かれていた場合などは大きな変更をしなければなりません。このようなことがないよう、書く前にしっかりと調査する必要があり、こうしたリサーチ能力も作家には必要です。
働きながら作家としてデビューする人も多い
作家はなろうと思ってすぐになれるわけではないため、働きながら自分の作品を書いている人が多いようです。現在では自分の作品を気軽に小説投稿サイトで公開して、いろんな人に見てもらうことができる時代になりました。プロになる前から人に読んでもらえるチャンスがあるというのは嬉しいですよね。もちろん作家志望の人向けに専門学校もあるため、こうした場所で基礎からしっかり勉強することもできますが、働きながら通うとなると負担が大きいため、あまりおすすめはできません。
年収は200万円~400万円ほどと高くはない
作家の年収は継続して作品を生み出している人でも250万円~400万円と低い水準です。原稿料の相場は400字詰原稿用紙で1枚3,000~4,000円程度と言われており、印税の相場は10%程度と言われています。もちろん売り上げによって上下するため、ベストセラーを何本も出すような人気作家レベルになると、年収1000万を超える可能性もあります。安定して毎月収入があるわけではなく、本を書けなければ収入が減り、出版社から本を出せることもなくなってしまいます。非常に厳しい世界と言えるでしょう。
作家として働くにはどうすればいいの?
作家として働く方法を具体的に見てみましょう。新人賞などのコンペで勝ち残り、作品を出す機会を得ることが大きな目標かと思いますが、それ以外にも様々な方法があるので紹介していきます。
新人賞を受賞してデビューする
作家として最も栄誉のあるデビュー方法が有名な文学賞を勝ち取ることです。この賞を手にすることができれば注目度もアップし、一気に有名になることができます。もちろん受賞作品は出版され、今後の作家活動の大きなステップアップになるでしょう。
専門学校に通って書き方を学びながらデビューを目指す
先に紹介しましたが、作家志望の人向けに開講されている専門学校や大学へ通ってデビューを目指す方法があります。専門学校では基礎的な執筆方法から、テーマの見つけかたなど作家を続けて行くにあたって必要な知識の勉強をトータルでサポートしています。
また、卒業する際には出版社などへの紹介や勤務先の案内などをしてもらえる学校もあります。働きながら学校に通うことは難しいかもしれませんが通信教育もあるため、いきなり自分の作品を書くことが難しいと感じる人にはこういう道もあるんだと頭に入れておいてください。
自分の作品を出版社へ持ち込む、ネットで公開してスカウトを待つ
自分で作品を書くことができる人はそれを出版社に持ち込んで書籍化を直談判するとか、ネット上に公開して反応を見る方法もあります。ある程度、自分の作った作品に自信が持てないと難しいかもしれませんが、この方法でプロの作家としてデビューした人も多くいます。特にネット上に公開したことで出版社の目に留まり、書籍化となったケースもたくさんあります。
作家として働くために注意すべきこと
作家として働く前に覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。具体的にはこの仕事だけで生活していけるようになるのは難しいこと、不規則な生活になりがちなこと、そして、デビューできたとしても安定した収入になるかどうかは厳しいことです。それぞれ紹介していきます。
この仕事だけで生活していけるようになるのは難しい
作家として成功できるのはほんの握り。ほとんどの人が作家になりたいという希望を持ちながら、挫折をしています。物語や登場人物、世界観などの設定を考え、情報集していくのは簡単ではありませんし、上手く書けたとしても売れるとは限りません。
書くこと自体が楽しいと感じる人はネットで公開する方法や自費出版などの同人活動も楽しめると思いますが、そうでないとチャレンジし続けることは難しいでしょう。もし書籍に関わりたいと考えている方は、出版社の編集部などで働く道もありますし、働きながら作家としての活動を続けていくこともできます。
不規則な生活になりがち
作家の仕事は自営業のような形で好きな時間にできる限り作業をすることになりますが、納期前や修正点が多い時には徹夜の作業が続くこともあります。そのため不規則な生活になりがちで、一度崩れてしまった生活リズムを整えることは難しいです。特に計画的に仕事を自分で管理できる人でないと、体調を崩す原因にもなります。
デビューできたとしても安定した収入になるかどうかは厳しい
1冊の本が多くの読者から支持されるとか、映像化することは成功例のひとつといえます。ですが、長い目で見ると、いい作品を書き続ける努力、いい作品を定期的に発表し続ける努力をしていかなければ、作家として働き続けることはできません。時には、自分の書きたいものが見つからない、テーマが編集部と折り合いがつかないといった悩みを抱えることもあるでしょう。