毎年20万人が受けるマンモス資格試験、宅建。
私の宅建合格までの期間は1ヶ月程でした。(※民法については多少の知識あり)
近年の宅建試験の合格率は15%程度ですから、100人受けて15人しか受からない計算になります。
「そんなに難しいのか……」と受験するのを悩んでいる人もいるかと思いますが、難しく考える必要はありません。
不合格のほとんどの原因は2つ。絶対量の勉強をしていないか、正しい方法で勉強をしていないか、のどちらかです。
宅建は、正しい勉強法で努力しさえすれば誰でも受かることができる試験です。合格に必要な絶対量はクリアしていただけるものとして、あとは正しい勉強法を身につけるのみです。
ここでは、宅地建物取引士である私(安藤あつし)が「宅建試験に一発合格する勉強法」をお伝えするので、あなたの宅建試験の勉強にお役立ていただければと思います。
では、しばらくのあいだお付き合いください。
- 1. 資格学校の受講がおすすめ
- 2. おすすめの資格学校
- 3. 独学はしっかり計画を立てる
- 4. 勉強は過去問をメインにする
- 5. 暗記はスキマ時間を使って効率的に
- 6. 科目別勉強法
- 7. 学習期間は6ヶ月~1年
- 8. モチベーションを維持する
- 9. 【番外編】もし、なにもやらずに直前期を向えてしまったら
- 10. まとめ
- 11. 参考動画
1. 資格学校の受講がおすすめ
「宅建試験に一発合格する勉強法」先ずは、教材選びです。
自分に合わない教材で勉強をしていると、習得に時間がかかり、モチベーションが低下して挫折……なんてことになりかねません。
短期合格を狙っているのであれば、なおさらです。教材選びは慎重に行いましょう。
おすすめの教材ですが、社会人など時間がない人には、資格学校の利用を強くおすすめします。金額は高くなりますが、内容も整理されていて大変わかりやすく、その分合格率を上げることができるので、金額に見合うメリットはあります。
資格学校の講座は、法改正など宅建試験に必要な情報をもれなく提供してくれますので、勉強以外の余計な負担が減り、宅建の勉強だけに専念できることもメリットです。
落ちて再受験をする時間と労力を考えれば、決して高い買い物ではないと思います。
2. おすすめの資格学校
ちなみに、私が利用した資格学校の講座は「LEC 東京リーガルマインドの宅建合格講座(担当講師:水野先生)」です。
理由としては、色々な資格学校の講座を検討しましたが、テキストがスタンダードで分かりやすく、講師との相性がよいと思ったからです。水野先生は、とても話術がある先生で、飽きずに学習できる工夫がされているので、この先生を選びました。
この先生は講師業界でも名を馳せていて、大変人気の先生です。
ただ、こればっかりは個人の主観ですから、自分がどういうタイプの人間かによって変わってくるかと思います。
講師とは、受験期間ずっと膝をつきあわせて勉強するわけですから、選ぶ際は実際に無料講義などをみてから慎重に決めた方がよいと思います。自分に合わない講師を選んでしまうと、受験より講師で苦労することになりますのでお気を付けください。
3. 独学はしっかり計画を立てる
それでも、お金がなく独学しかできない……という人は、計画をしっかりと立てましょう。
資格学校のメリットの1つに、試験日を逆算して練られたスケジュールがあります。
どんなに勉強しても、実力のピークを試験日にもっていけなければ、合格も難しくなります。試験当日に「まだやってない……」「勉強し終えてからブランクがある……」という状況にならないように、試験日にピークをもっていけるように計画を立てましょう。
あとは、書店などでよく吟味して“読みやすい”と感じた教材を選びましょう。講座では講師との相性が問題となりますが、独学では教材との相性が大切です。毎日付き合うものですから、できる限り色々な教材に目を通して選びましょう。
4. 勉強は過去問をメインにする
過去問は大切です。どんな試験にも言えることですが、過去問は試験委員からのメッセージが込められています。
過去問に出るということは必要な知識だから出ているわけです。その過去問を押さえることで、試験に必要な知識がみえてきます。
特に、宅建試験は過去問の焼き直しが多いので、過去問をマスターできればグッと合格に近くなるでしょう。
では、「インプット教材は必要ないのか?」と言うと、そうではありません。
過去問をマスターするには、インプット教材が必要なのです。
いきなり過去問を解こうとすれば、前提知識がないので時間がかかってしまって非効率ですし、挫折の原因にもなってしまいます。
さらに、過去問で間違えた知識の確認にもインプット教材が役に立ちます。過去問の解説は、スペースの都合からどうしても簡易的ですので、理解を深めるにはインプット基本教材に立ち返ることが大切なのです。
上記の理由から、一通りインプットを終えたら、過去問を解くことをメインにして、分らない箇所はインプット教材に立ち返る……という勉強法がおすすめです。
5. 暗記はスキマ時間を使って効率的に
宅建試験では、暗記を避けることはできません。と言っても、ずっと机に向かってひたすらブツブツ言って覚えるのは気が滅入ってしまいますよね。
そこでおすすめなのが、スキマ時間で暗記をすることです。通学・通勤などのスキマ時間は、暗記にあてましょう。
人間の脳は集中するまで時間が掛かりますので、短いスキマ時間で難しいことをやると理解するまでに至らず、中途半端で終わってしまうことが多いものです。その点、暗記ものは基本短いセンテンスですし、「見て覚える」というスピーディー且つ単純作業なので、スキマ時間に向いています。
暗記の方法ですが、1度に何回も繰り返すより、間隔を空けて何回か繰り返す方が記憶に定着しやすくなります。1日後、3日後、7日後……とスキマ時間を使って同じ項目を何回か繰り返すと定着率が上がり、効率的よく暗記できます。
その際は、暗記カードなどに日付を記入しておくと分かりやすくてよいでしょう。
6. 科目別勉強法
6-1. 民法「とりあえず終わらせる」
初学者にとって一番やっかいな科目です。苦手意識を感じている方も多いのではないでしょうか?
他の科目と違って、できるようになるまで時間がかかる科目ですので、早い段階に勉強することをおすすめします。
民法は、パンデクテン体系という構成でできていて、はじめに全てに共通する「総則」から始まり、物権や債権などの各論に移っていきます。
しかし、この「総則」は抽象的なものが多いので、初学者にはとっつき難く、なかなか1度では理解できません。
民法は、全てを通してやっと理解できるという性質がありますので、最初の「総則」は理解できていなくてもよいので、とりあえず先に進めて一通り終わらせることを目標としましょう。
6-2. 宅建業法「満点を取るつもりで」
宅建試験の主役科目です。この宅建業法は基本的に点が取りやすい科目ですので、満点を取るくらいの気持ちで臨みましょう。
この科目を得点源にできないと、合格は難しくなります。細かなひっかけ問題が出題されるので、知識は正確に把握する必要があります。
3科目の中では一番学習しやすく、得点が伸びやすいので、勉強することに慣れていない人や民法で挫折しそうな人は、宅建業法からはじめてもよいでしょう。
6-3. 法令上の制限「やらず嫌いにならない」
不動産の実務経験者であれば、馴染みがあって入りやすいかも知れませんが、一般の受験生は苦手とする人が多い科目です。
建坪率や容積率……聞いただけで眠くなりますよね。苦手とする原因は、言葉の意味が分らなかったり、数字がたくさん出てくるところにあります。
民法も言葉の意味は難しいのですが、そこに覚えなければいけない数字が出てくるので、ダブルパンチといったところでしょうか……。
しかし、よくよく見ていけば理解できますので、最初のインパクトで嫌いにならないように根気よく勉強していきましょう。
7. 学習期間は6ヶ月~1年
学習期間は人によってまちまちですが、初学者であれば、基本的な学習期間は、6ヶ月~1年程はみておいてください。
宅建業法と法令上の制限は、すぐに成果が出やすいのですが、前述の通り民法は成果が出るのに時間がかかる科目です。一般的に学びはじめて、おぼろげにでも分るようになるまで3ヶ月はかかると思います。
そして、実力に結びつく期間を考えると6ヶ月は欲しいところです。
民法の点数が伸びずに、惜しいところで落ちてしまったという受験生も多いので、
確実に一発で受かりたいのであれば1年勉強してもいいと言えます。
8. モチベーションを維持する
長く勉強しているとモチベーションを維持するのが大変です。はじめた頃は、あんなにやる気に満ち溢れていたのに、今では……なんて人も多いのではないでしょうか?
そうならないために、たまに宅建の魅力に触れてモチベーションを維持しましょう。
具体的には、法律を題材にした漫画や小説などはおすすめです。漫然と民法を勉強していると飽きてしまうものですが、漫画や小説で事例に触れることでモチベーションが上がるほか、知識の習得の助けにもなり一石二鳥です。
他にも、家のポストに入ってくる不動産の広告を“誇大広告になっていないか?”と読み込んでみたり、役所で自分の住んでいる場所の法令上の制限を調べてみたり、法務局で自宅の登記簿を取ってみたりすることも、宅建の知識が身近に感じられモチベーションの維持に一役買います。
9. 【番外編】もし、なにもやらずに直前期を向えてしまったら
確実に一発合格を狙うなら上記の勉強法をおすすめしますが、それでも時間が無くて試験直前期になってしまった……という人もいることでしょう。
そういう人は、宅建業法と法令上の制限を頭に叩き込んでください。
民法は捨ててください。
民法は前述の通り、実力を伸ばすのに時間がかかる科目ですので、ここで民法の新しい分野に手をつけると泥沼にはまります。
とにかく短期間で点数に繋がりやすい箇所に絞って勉強します。一発逆転を狙うなら、点になりやすい業法と法令に集中して少しでも得点を伸ばし、合格点のボーダーラインにのせることに全勢力を傾けてください。
合格は運の要素も強くなりますが、諦めてはいけません。仮に合格できなくても、そこでもがいて身につけた知識は、知識の貯金となります。翌年も受けるつもりであれば、そのがんばりは決してムダにはなりません。
10. まとめ
宅建試験は一昔前に比べるとだいぶ難しくなりましたが、それでも正しい勉強法で努力さえすれば、誰でも結果が出る試験です。
ここでは、一般的な宅建試験の勉強のコツを書いてみました。合格するためには、なにも特別なことは必要ありません。
大切なのは試験の特性、科目の特性を知って、正しい方法で努力をすることです。“やればできる”この言葉を信じて勉強に取り組んでいただけたら、きっと結果もついてくるはずです。
ここで書いたことが少しでもあなたの参考になれば幸いです、ご覧いただきありがとうございました。宅建試験がんばってくださいね。
11. 参考動画
【宅建士】2016スーパー合格講座<権利関係第1回>