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大工として働くためにはどうすればいいの?必要なスキルや就職する方法を紹介

家や建物の建築を実際に行なう仕事と言えば大工ですよね。今回は大工の仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。

大工はどんな仕事をするの?

家づくりを行う大工には具体的にどのような仕事があるのでしょうか。仕事内容や必要なスキル、年収などを調べてみました。

木造建築に関わるほとんどの現場作業を行なう

大工は家や建物の木造建築の技術が必要となる部分のほとんどを手がける仕事です。

木造建築には古来より伝わる技術や手法が多くあり、それらに特化した建築を行なう職業が大工です。建物の規模や構造、場所、材質によってその都度作業が異なるため、多くの経験と知識を学ばなければ家づくりの専門家として一人前にはなれません。

大工の中でも仕事によって種類が異なる

大工と一口に言っても作業内容によって4種類に分かれています。

内訳は宮大工、建築大工、型枠大工、造作大工となっており、宮大工は神社やお寺などの古くからある大型の建築物に関わります。

建築大工は建築全般に関わり、型枠大工はコンクリートの土台を固めるために必要な枠組を組み立てる作業、造作大工は木造建築の内部の装飾を行ない、仕上げを行ないます。

このように担当する作業内容によって呼び方が変わってくるため、自分の目指す大工像があれば、しっかり理解しておきましょう。

大工ととび職の違いは?

同じ建設関連の仕事である大工ととび職の違いはどこにあるのでしょうか。

簡単に言えば大工は木造建築を専門に扱う職人で、とび職は建設現場で欠かせない骨組みや足場を作る仕事です。このように全く業務内容が違い、扱うものも異なっているので、自分がどんな仕事に就きたいかきちんと調べましょう。

現場作業以外にも設計を担当することも

最近では大工の仕事は建築現場での作業だけでなく、設計や施工管理を行なう場合が増えてきています。

設計分野や管理方法の簡略化が進み、大工自身が作業前の工程を行なえるようになったことで、仕事内容に幅が生まれています。これにより、人材の確保が求められている現場もあるようです。

平均年収は200万円~600万円と幅はあるが、経験年数とともに上がる傾向にある

大工の平均年収は200万円~600万円ほど。年収の上がる要素は殆どの場合経験年数のようです。というのも大工の報酬は日当や時給換算であることが多く、その単価は技術力に比例して上がるからです。

技術は経験によって培われていくものですので、おのずと年功序列のような形で年収が上がるようです。

大工として働くにはどうすればいいの?

大工として働く方法を具体的に見てみましょう。大工の仕事は経験を問われないことが多いため、未経験でも挑戦できる業界だと言われています。少しでもスタートの年収を上げるには今までの経験を活かしたアピールが必要になってきます

人手があるほど作業が捗るので、未経験者でもすぐ仕事がある

大工の仕事は肉体労働ですので、人手がなるべくあったほうが工数も少なく済み、欠員が出た場合でも迅速に対応できます。

こうしたことから専門学校や大学で建築技術を学んでいない未経験者あっても高確率で採用され、すぐに仕事が始まることも珍しくありません。

もちろん誰でもいいわけではなく、体力があり、健康的な身体であることは大前提です。現場作業の経験がなくても立ち仕事や工場でのライン作業の経歴があれば、自分に体力面で問題ないことをアピールできます。

本格的に建設業に携わるなら、建築大工技能士・二級建築士・木造建築士・木造建築物の組立て等作業主任者などの資格取得をしておきましょう。

建築関連の資格や経験があれば管理する仕事も任される

大工の仕事が設計や施工管理の分野にまで広がっていることから、こうした実務経験があれば専属の仕事に就くことができます。

もちろん現場での仕事も任されることになりますが、できることが多い分年収アップにも繋がりやすいです。具体的にはCADオペレーターや住宅建築の設計などの経歴が重宝されます。

一人前として認められるには10年ほどかかる

大工は職人の世界ですので、一人前になってやっと自分のやりたいことや給与面での交渉ができると言われています。

それまでは見習いとして働くことになるため、決して楽な仕事ではありません。現場によっては残業が多くなることもあります。

しかし、技術を磨き一人前になってから自分が関わった家を見ると、達成感が大きく、やりがいのある仕事であると言えるでしょう。

大工として働くために注意すべきこと

大工として働く前に覚えておいてもらいたい注意点4つを紹介します。

具体的には収入面がとにかく厳しくなること、肉体労働が主なのでいつまで働けるかわからないこと、未経験でも採用されやすい背景には離職者の多さがあること、そして、オートメーション化の波や持ち家率の低下から業界の将来性も不透明なことです。

それぞれ紹介していきます。

収入面がとにかく厳しくなる

大工として転職した場合、この仕事だけでぎりぎり生活できるほどの年収に落ち込む可能性が高いです。

そのため住み込みで働く人も多く、生活環境が一変します。場合によっては少ない給料を補うためにコンビニなどでアルバイトをする必要も出てきます。

こうした変化に身体が耐えきれず、体調を崩して休みがちになると、さらに収入が落ち込んでしまいます。それなりの覚悟とやる気がなければ転職はおすすめできません。

肉体労働が主なのでいつまで働けるかわからない

大工の仕事は紹介してきたように肉体労働がほとんどなため、高齢になるほど体力面での衰えが目立ってきます。

その分を技術力で補いながら働くことになりますが、一生第一線で活躍できる仕事でもないため、どこかで引退せざるを得なくなります。

そうした時に再就職できる保証もなく、貯金ができていないと老後の不安も出てきます。自分の将来設計をきちんとできる人でないと、後々取り返しのつかないことになりかねません。

未経験でも採用されやすい背景には離職者の多さがある

大工は未経験でも採用されやすいと紹介してきましたが、裏を返せば離職率が高く、人手不足であるということになります。

前述の通り年収も低く、健康面での心配や将来への不安から辞める人が多いのが現状です。やりがいを見つけることができた人や、自分に向いていると感じた人はとことん極めることのできる職業ですが、そうでない人にはやはり辛い仕事であるようです。

オートメーション化の波や持ち家率の低下から業界の将来性も不透明

大工の仕事にもオートメーション化の影響で少ない人員でも早い作業ができるような機械が導入されることや、建築業界の落ち込みによる将来への不安が出てきています。

オートメーション化により人員の削減が起きることも時間の問題であり、新しい家を建てることが少なくなればそれが加速します。生涯この仕事で生き残っていくのは大変になるでしょう。