本が好きな人にとっては憧れの職業である書店スタッフの仕事。今回は書店スタッフの仕事内容から年収、注意すべき点などを紹介していきます。
書店スタッフとはどんな仕事をするの?
書店スタッフはそもそもどのような仕事があるのでしょうか。業務内容や必要なスキル、年収などを調べてみました。
本の販売や接客担当
書店スタッフは本の販売と接客が主な仕事になります。このあたりの仕事は一般的な販売職と変わらず、レジ打ちや商品の案内などが中心です。アルバイトでも勤務経験があると採用されやすいでしょう。
在庫管理や売り場への陳列
書店スタッフは本の在庫管理や売り場への陳列も行ないます。
多くの本を扱う店舗の場合は一定期間ごとに棚卸しを行なうので、数字にある程度強いと作業をスムーズに行なえます。
売り場の商品陳列には体力が必要で、重たい本を何度も運ぶことになるため、体力も必要。この点は一般的な販売業とは違うかもしれません。
店内ポップなどで購買意欲を高める
書店スタッフの腕の見せどころはおすすめの本を目立たせる店内ポップの作成とも言われています。
膨大な数の新刊が日々発売されている書籍の中から売り出したいものやスタッフおすすめもの、話題の作品などを魅力的に伝えるのがPOP作りをする人の役割です。
もちろん置いてある場所をわかりやすくする意味もありますが、店内ポップの内容によって売上にも関わってくるそうです。
ただ作業的に書かれたPRポップよりも、店員の熱意や呼んでほしいという思いが伝わるポップがあることで、聞いたことのない作品名や作家、普段は読まないジャンルの本でも手に取ってもらいやすくなります。
本が好きだという気持ちを生かして仕事ができるポイントとも言えるでしょう。
本好きには憧れの職業
書店スタッフは本好きの人が一度は働いてみたいと思う憧れの職業です。
好きな本に囲まれて仕事できる環境や、本の情報が手に入りやすいこと、本好きなスタッフやお客様と関わることができるといった点で、本が好きな人には快適な労働環境といえるでしょう。
また、社割で書籍を安く購入できるところもありますので、本好きさんには嬉しい特典です。もちろん楽しいことばかりではありませんが、長く続けやすい仕事だといえそうです。
年収は200万円~300万円ほどと低い水準である
書店スタッフの年収は200万円~300万円ほどと低い水準で、給与アップのために転職するには向いていません。
雇用形態や勤務地によっても給料にバラツキはありますが、パート・契約社員だと時給850~1000円程度、正社員なら月給21万円程度。
とはいえ、本が好きな人にとっては長く楽しく働ける可能性のある仕事ですので、趣味の延長線上として勤務したい人にはおすすめです。
書店スタッフとして働くにはどうすればいいの?
書店スタッフとして働く方法を具体的に見てみましょう。
働くには特別な資格は必要ありませんが、レジ打ちなどの接客業経験や図書館勤務実績といった活かせるスキルもあるので、自分なりのアピールポイントを熱意とともに伝えるようにすると、採用確率が上がります。
必要な経験はないが、本が好きでないと続かない仕事
書店スタッフには応募に必要となる資格や経験がないため、未経験者歓迎とする求人募集も多くあります。
一番大事なことは本が好きという気持ち。勤務すると日々多くの本を扱うことになるため、好きでないと単調な業務は長く続きしません。
また紹介したように広告のポップを作るにも本の知識がなければ魅力的なものが作れないので、本に対する興味はあればあるだけよいでしょう。
レジ打ちが主な仕事なため、経験があれば優遇される
書店スタッフの主な仕事は紹介したようにレジ打ちや接客業務になるため、こうした経験があると即戦力です。
また、この他には図書館の職員経験があると採用される可能性が高いとも言われています。本の知識だけでなく、整理の仕方や扱い方にも長けており、書店で働くのに必要なスキルが身についているため、こちらも即戦力の採用となります。
採用条件については、会社の採用情報ページもチェックしてみてください。
英語ができれば洋書も扱える
書店の中には洋書を扱っている本屋さんもあり、こうしたお店では英語のできるスタッフが必要です。
洋書を求める客層は海外からの旅行者やビジネスに限らず、そのカテゴリのマニアが日本の書籍では得られない知識を原作や翻訳前の書籍から得ようと、買いに来るパターンがあります。
英文法に理解があり、洋書のタイトルや販売時期、作者などが読めれば扱うには問題ありませんが、外国人への対応を考えると、英会話のスキルもあったほうが活躍の場が広がるでしょう。
書店スタッフとして働くために注意すべきこと
書店スタッフとして働く前に覚えておいてもらいたい注意点3つを紹介します。
具体的にはのんびりとしたイメージがあるが、忙しい仕事であること、力仕事も多いため、体力が必要なこと、そして、年収が上がりにくいことです。それぞれ紹介していきます。
のんびりとしたイメージがあるが、忙しい仕事である
書店スタッフの仕事はあまり忙しくないのんびりとしたイメージがあるかもしれませんが、実はやることの多い仕事です。
来店客が多い時には接客やレジ打ちで忙しく、そうでないときは店内の清掃や本の整頓、バックヤードにある書籍の管理、値札製作、本が立ち読みされないようにコミックや雑誌などにパッキングをするといった作業が膨大にあり、暇な時はほとんどありません。
これが働いてみて感じる一番のギャップとも言われています。
力仕事も多いため、体力が必要
書店スタッフは本の運搬作業が多く発生するため、力仕事もかなりたくさん任されます。
人によっては腕や腰を痛めてしまい、通院をしながら働くことにもなりかねません。職場環境によっては、女性よりも男性が向いている場合もあります。できればある程度の重労働の経験があり、体力に自信のある人のほうが長く働けるでしょう。
年収が上がりにくい
書店スタッフの年収は紹介したように高くない上、上がる見込みも少ないです。
こうしたことから、年収アップのための転職先としては不向きであり、とにかく本が好きでそれをモチベーションに働き続けることができる人に向いています。
店舗を任されるような店長や地域マネージャーになることができれば年収アップの可能性があります。
そうなると逆に本と触れ合う時間が減り、働く環境が大きく変わってしまうため、働いている人の中には現場スタッフのまま、他のバイトを掛け持ちしながら生活をしている人もいるようです。