転職先を探す際、ハローワークを利用する人も多いでしょう。一時期に比べると若干少なくなりましたが、平日の昼間でも多くの人がハローワークに通い仕事検索端末でよい転職先がないか一生懸命探しています。
しかし一方でハローワークにある求人案件はいわゆる”ブラック企業”が多いという評判もあります。果たしてハローワークで条件の良い求人は見つかるのか、見つかるとすればどういった方法で見つけるのかを考えてみましょう。
ハローワークを利用する理由
ハローワークと言えば仕事探しというイメージがあると思います。しかし、ハローワークに通う人は全員無職で今何かしらの仕事を探している人か?といえば必ずしもそうではありません。
そこで、ハローワークに通う人はどのような目的があるのか、挙げてみます。
・求人検索端末で仕事を真剣に探している人
・失業給付金の受給資格を満たすためにとりあえず求人検索端末を見ている人
・職業訓練の申し込みをする人
・就職セミナーを受講しに来た人
・失業認定手続きに来た人 などなど
ハローワークは仕事探しだけでなく、失業中の生活安定を図るために様々な取り組みを行っており、直接的な仕事探しだけでなく間接的な仕事探しをも支援してくれる場所なのです。
ハローワークで求人を探す方法
ハローワークで仕事を探すには、求人検索端末を利用して希望条件に合った求人を自分で探し出し、その求人票を基に窓口で相談することになります。
簡単にハローワークでの仕事探しのフローを以下記します。
① 総合受付窓口で「求人検索のため端末を使いたい」旨を申し出る
端末を利用するにあたって特に手続きは必要ありません。失業中でなくとも利用は可能です。
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② 番号札を受け取り該当する番号の端末ブースへ行く
多くのハローワークの端末は指定席制度です。混んでいる時間帯は多少待つこともあります。
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③ 画面に従い年齢や希望職種・エリアなどを指定し検索する
職種に関しては細かく指定することが可能です。ただし、職種区分はあまり正確ではありません。指定していない職種が出てくることもあります。
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④ 一覧で表示される案件の中から気になる案件の「詳細」を見る
詳細ボタンを押すとその案件に関する求人票が画面に表示されます。
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⑤ 募集したい案件の求人票をプリントアウトする
気に入った求人票はプリントアウトすることができます。プリンタは端末のすぐ横です。各ブースに1台ずつありますので他の人の分と間違うこともありません。
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⑥ プリントアウトした求人票を窓口に持っていき、相談員と面談
窓口には相談員がおり、その案件の企業に電話をかけ「まだ募集中なのか」「応募するにはどうすればよいか」を確認し紹介状を発行してくれます。
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⑦ 紹介状を同封し応募書類を企業へ直接提出
ここから先は応募者と企業が直接やり取りするフェーズです。書類選考や面接へと進み、合否も応募者あてに直接連絡があります。
このように、仕事探しの場面でハローワークが行う業務は「案件情報の提供」「求人票の有効性確認」「紹介状の発行」の3つに限られるのです。なお、ネットでハローワークの求人を検索することも可能ですが、紹介状の発行は窓口に限られます。
ハローワークの求人はブラック率が高い!?
さて、ハローワークの求人にはブラック案件が多いという評判があります。さまざまな情報サイトを見ても同様の意見が多く、あまり良い評判は見受けられません。それぞれの意見を集約してみると、どうやらハローワークの求人案件は以下の2つのパターンに当てはまるようです。
①求人票の内容と実際の労働条件が異なる
実はハローワークの求人案件に関しては、ハローワーク側で事実確認を行っていません。少しびっくりするとは思いますが、原則として募集企業が直接求人票を作成するため、求人票に嘘を書いてもハローワーク側で確認する手段がないのです。
そのため、企業側が間違った情報で求人票を作成し提出することもあるのです。このように悪意を持って人材募集する企業もハローワークには多いため、ブラック企業が多いという結果にもつながります。
②そもそもの条件が悪い
ハローワークへの求人票提出については、企業側はノーコストで行えます。従って、資金力のない中小零細企業が必然的に多く利用することになります。
転職サイトや転職エージェントは企業側にある程度の採用コストが発生するため、そのコストを支払う余力のない企業がハローワークに集まるということです。必然的に待遇面や福利厚生制度に恵まれない企業の割合が高くなり、ブラック的なイメージを与えるのです。
こうやってみると、①はまだしも②についてはブラック求人と呼ぶには少しかわいそうな気がします。零細企業であってもこれから成長が見込めるケースもありますので、いずれ待遇は改善されていくこともあります。
ハローワーク利用のメリット・デメリット
ここまでハローワークでの仕事探しを見てきましたが、ハローワークを利用するメリットとは一体どこにあるのでしょうか?ハローワークにおける優良企業の探し方も含めて考えてみましょう。
①ハローワークにしかない求人がある
実は数ある転職サイトや転職エージェントでは見ることがない、ハローワークにしかない求人案件もあります。
例えば事業主が雇用に関する助成金を受給している場合です。具体的に一例を挙げると、既卒者や中退者が応募可能な新卒求人・募集を新たに行い雇い入れる場合に支給される「三年以内既卒者等採用定着奨励金」については、ハローワークからの紹介で採用した社員にしか適用されません。
つまり、ハローワーク経由で人材を採用しないと企業に助成金が支給されないということです。このように、政府の施策を活用し人材を募集する場合には多くのケースでハローワークを利用した採用活動を行います。
②公的機関や行政の外郭団体の募集
さまざまな公的機関(市役所・区役所・公営施設など)の臨時職員や外郭団体の職員募集については、多くがハローワークで行われます。一部転職サイトを利用する団体もありますが、年度初めに予算組みをしていない場合は多くがハローワークを利用します。
また、団体のホームページにも募集が載ることもありますが、ハローワークへ誘導するパターンが多いようです。
ただし、行政機関の正規職員についてはハローワークではなく行政機関独自で行いますのでご注意ください。ハローワークでは主に有期契約職員や臨時職員の募集となります。
ハローワークと転職エージェントを比較すると?
ハローワークを活用した転職と、転職エージェントを利用した転職は一体どちらが有利なのでしょうか?
それぞれ長所短所がありますが、押しなべて見ると転職エージェントに分があります。というのも、転職エージェントの求人案件については、しっかりと事実確認がなされており企業側によるごまかしがきかないという点が最も大きな理由です。
ハローワーク案件の場合、前述のとおりチェック機能がありません。しかし、転職エージェントは待遇や労働条件などをしっかりと精査した上で求職者に提示しているため、求職者にとっては安心です。
また、丁寧な転職コンサルティングが受けられる点も魅力です。ハローワークの場合は単に紹介状を発行するだけですが、転職エージェントでは適職診断をはじめ転職を成功に導くさまざまなコンサルティングが充実しています。
しかもそのほとんどが無料で受けられるため、自分のスキルを高めることにもつながり、より有利に転職活動を行うことが可能となるのです。特に転職エージェントDODAには業界ごとに詳しい知識を持ったコンサルタントが常駐しているため、レベルの高いサービスを受けることが可能であり、豊富な案件数の中から希望の転職先を見つけることが可能です。
もうひとつ、転職エージェントを利用するメリットとして大きいのは、年収などの待遇に関して企業と交渉をしてくれる点にあります。
応募者本人からは言い出しにくい年収交渉ですが、転職エージェントは応募者にかわり企業側と年収交渉を行ってくれます。ハローワークではまずこのような交渉は無理であるため、この点においても転職エージェントにアドバンテージがあります。
まとめ
ハローワークにはハローワークなりの良さがあります。ハローワークにしかない求人案件もあります。しかし、大手転職エージェントのDODAを使えばそれ以上のメリットを享受することが可能となるのです。
失敗しない転職のためには、ハローワーク一本に絞るのではなくブラック案件の無い転職エージェントのDODAを利用し、少しでもよい条件で転職することを心がけてくださいね。