自動車関連の電子システムやパワトレインなどの生産を行なう国内大手のデンソーで働くためにはどんなことが必要なのでしょうか。会社の特徴や仕事内容、技術者として働く上での注意事項を調べてみました。
デンソーはどんな会社?
株式会社デンソーは自動車関連の電装部品を生産する企業で、国内だけでなく海外のシェアでもトップに位置する大企業と言えます。ここでは企業規模や事業内容、求人のある職種などを紹介していきます。
ものつくりに関わる人なら誰でも知っている世界的にも有名な企業
デンソーは自動車部品、特に電気や電装関連の製品を中心に扱う自動車部品メーカーであり、その技術は世界トップレベルです。
自動車関連の業務をしなくても、機械工学系全般の開発設計といった技術職に従事していたことがある方なら聞いたことのない人はいないと言ってもよいほどの有名企業。
自動車部品の分野では世界シェア1位となっており、国内でも東証1部の中でも影響力が大きい銘柄30社にも入っています。
電気自動車などの需要から、今後も安定した経営が予想される企業
デンソーの先行きとしては、昨今の電気自動車や自動運転システム、電気部品の需要を考えると、今後ますます必要とされる分野であることは間違いなく、安定している企業と言えます。
若者の自動車離れが危惧されていますが、自動車がないと生活できない地域では、引き続き買い替えや新車の購入があるでしょう。
さらに、自動車以外分野でも電気部品の供給を行なうサプライヤーとして取り引きがあるので、安泰です。
デンソーの採用情報を確認すると、生産技術や基礎研究、回路設計、ソフトウェア開発、半導体開発、工学デザイナーなどの職種があります。
トヨタグループでもあり、自動車技術の業界からの転職にも向いている
デンソーはトヨタグループの一企業で、元々はトヨタ自動車の開発部門でした。そのため、特に自動車関連業界からの転職に向いていると言えます。また、自動車に関わる仕事に就きたいと考えている方にもおすすめの企業です。
自動車技術の研究開発に携わる仕事と言うと、大手自動車メーカーを考えがちですが、こうしたグループ企業やサプライヤーも調べて、自分の経験を活かせるようにすると、より自分がどんな仕事をしたいかを明確に考えるきっかけにつながります。
国内だけでなく海外でのシェアもトップ企業なのでグローバルな活躍も可能
デンソーは国内だけでなく、海外に目を向けてもシェア率1位の企業なので、グローバルな活躍も期待できます。自分の語学力や海外赴任の経験を活かして働きたいと考えている方にもチャンスがあると考えてよいでしょう。
デンソーの職場環境や働くために必要なことはどんなことか
デンソーは大手企業ですが、今でもものづくりの考え方を大切にしている社風があります。社内の雰囲気や給与などの待遇について口コミを交えて調べてみました。
研修制度が充実しており、入社してからのフォロー体制もバッチリ
デンソーでは新入社員や中途採用で入社した人材向けの研修制度をきちんと用意しているので、新しく入った職場でもスムーズに業務に慣れることができます。
研修制度はどの会社でもありますが、デンソーでの業務経験者からの口コミでよく高評価されている点を見ると、ほかの企業よりもしっかりとしているような印象を受けます。
人材育成については公式ホームページでも紹介されており、入社直後の研修だけでなく現場で仕事をする中でも上司からフィードバックを行なうようにされています。
ほかにも仕事以外でも知識を得る研修プログラムなども用意しているので、学ぶ意欲があればどんどん成長できる環境が整っています。
有給や残業時間の管理がされているので、プライベートな時間もキープできる
デンソーでは日々の残業時間や有給の取得率などを規則に則って厳しく管理されているため、プライベートの時間も確保することが可能です。
最近では大手企業を中心に過労などの問題を解決するために、労働時間の管理はきっちりされるようになっています。デンソーもその例外ではなく、有給も計画的に取得可能で残業時間も基準を守られていることから、自分の時間を取ることができます。
給与は同業他社に比べて高水準だが難点も有り
デンソーの給与は自動車関連事業を行っている他社に比べると優遇されていますので、魅力的なポイントと言えます。
ただし、個人の努力によって給与に差が出る成果主義ではなく、緩やかに年功序列のような形で年収額が上がっていくイメージなので、頑張った分だけ給与に反映して欲しいと思っている方にはもどかしく感じるかもしれません。
福利厚生は充実していますし、もともとの給与額もそれなりに大きいため、給与に関する不満はあまり多くは見られませんが、退職した方の意見として挙がっていたことを踏まえると、現在転職しようと考えた理由が自分の成果を評価してもらえないなどの場合は同じことの繰り返しになってしまう可能性があります。
デンソーへの転職を目指す際の注意点
デンソーへの転職を目指す時に気をつけたいポイントは3つあります。
1つ目は旧態依然とした年功序列の考えや女性がなかなか活躍できない職場であること、2つ目は社内の意思統一がなかなか進まないため、社員同士で熱量や仕事に対する考え方が違うこと、3つ目は何かに対してプロフェッショナルになる覚悟が必要ということです。
古い企業体質が残っているので合わない人にはおすすめできない
デンソーで勤務経験のある方のほとんどが感じていることのようですが、社内の風土が古く、年功序列や女性を軽視する体質が残っているとのこと。
給与待遇の項目でも触れましたが、年功序列ということはどんなに頑張っても若いうちは昇進も昇給も出来ず、自分のモチベーションが上がりにくいでしょう。
さらに女性の地位に関しては、平等にしようと改善を試みてはいますが、まだまだ男尊女卑の価値観を持った年配の方がいるようです。
社内での意思統一ができておらず、まとまりがなかなか生まれない
大企業の中で意思統一をすることがなかなか難しいのですが、デンソーではそれにより業務への影響や会社の先行きを危惧する人の退職に繋がっています。これらは前項にも挙げた年功序列や旧態依然とした組織による影響が大きいようです。
今までのように専門分野だけを突き進めばいいという人もいれば、自動車業界の動向を不安視し、新たな分野へチャレンジすべきと考えている人もいるため、人によっては転職できるうちにしてしまおうということで退職をする方もいます。
こうしたことから社員同士が必ずしもまとまっているとは言えません。
デンソーではプロフェッショナルになるという覚悟が必要
世界のトップメーカーであるデンソーで働くにはスキルはもちろんのこと、この道のプロになる意識が大切になってきます。
裏を返せば器用貧乏な人材は必要としていないので、あれこれ職を変えてきた人や、やりたいことが定まっていない方は転職が難しいでしょう。
自分にはどんなことができるのか、何を目指しているのか、といった自己分析をしておかないと、面接でアピールできなくなります。
まとめ
国内外問わず、一流企業として世間に知られているデンソーは、注目度の高い企業です。特に理系出身者にとってはシステムを理解してもらうための営業活動やシステム開発、品質管理、事業企画など目指せる職種も多く、憧れの企業と言えます。
そのため、採用面接ではスキル以外にしっかりと自己分析をしてアピールしなければならないことも多く、一人ではどうすればよいか迷ってしまうことも。もしどうしたらよいかわからない場合は、転職エージェントの利用もオススメです。