警備員とはどんな仕事?必要な資格やキャリアアップはあるのか

警備員の求人をよく見かけますが、実際に就職するためにはどうすればよいのでしょうか。また、実際にどんな仕事をするのか、就職してからのキャリアアップができるのかも気になりますよね。

今回はそうした警備員についての疑問について答えていきます。

警備員に必要な資格は?

警備員と聞くと警察のように資格や学歴が必要に感じますが、実際は必要ありません。あると便利な資格として自動車免許が挙げられますが、持っていなくても応募できる企業はあります。

ただし、キャリアアップを目指すならやはり資格取得は必要になりますので、実際に就職してから実務経験を活かして各種資格に挑戦していきましょう。

必須の資格はない

警備員になるために必須の資格というのは定められていません。

必要なことは警備会社に就職してから受ける研修だけで、後はOJTで学びます。というのも警備員の仕事は経験と現場での対応力が重要になります。

もちろん空手の有段者や救命技能認定証などがあるとアピールポイントになりますが、警備員としてはそれを実践できることが大切。どちらかと言うと資格の有無より、実際に誰かを救命した経験などがあるほうが採用率は高くなると思います。

仕事で使える資格は自動車免許

警備員になるための資格ではありませんが、自動車免許は取得していると仕事の幅が広がります。

警備の現場は日本各地にあり、ビジネス街のビルや企業のオフィスなど様々です。交通の便に優れた立地にはこうした場所がたくさんありますが、そうでない場所にももちろん警備が必要になります。

企業の研究施設や製造工場などは市街地から離れた場所にあることが多く、そこに行くには車でないと厳しいことも。自動車免許があればそうした場所でも勤務できるようになります。また、市街地でも警護用の機材や運搬物がある業務にも就くことができます。

警備員になってから取得を推奨される資格はたくさんある

警備員になるために必要な資格はありませんが、仕事のステップアップに繋がる資格はたくさんあります。そして、検定合格者でしか就けないポジションもあります。

例えば、警備員指導教育責任者の資格があれば、新人警備員の指導者になれますし、機械警備業務管理者を習得すると、無人警備システムに関わる業務ができます。

また、同じく国家資格で警備業務検定というものもあります。

これは、「施設警備業務検定」「交通誘導警備業務検定」「雑踏警備業務検定」「貴重品運搬警備業務検定」「核燃料輸送警備業務検定」「空港保安警備業務検定」と6種類からなり、それぞれ1級と2級があります。

警備業務検定を取得するには、2つのルートがあります。

ひとつ目のルートは「直接検定」。こちらは受験料が安く(13,000~16,000円)、日程も1~2日と短くて済むのがメリットですが、検定試験の合格率が40%程度と難易度は高めになります。

もうひとつの「特別講習」を受けるルートですが、こちらは31,500円と費用が高くなってしまいますが、合格率は75~95%もありますので、こちらを受講する人が圧倒的に多いです。

特別講習では、学科講習・実技講習を終えたら終了考査を受け、それに無事クリアすると特別講習修了証が交付されます。修了証の有効期間は、交付日から1年間ですから、早めに合格証明書交付申請を済ませてください。

検定合格者の年収は?

こうした資格を取得しようかと考えた時に、決め手となるのは資格取得が年収アップにどれくらい影響するかだと思います。

現場によっては、有資格者を最低1人配置しなければならないと決められていますので、資格を持っていると待遇はよくなります。

具体的な金額は、会社によって異なりますが、ある会社では1日あたり1,000円くらい上がったということです。

また、資格の有無とは直接関係ありませんが、規模が大きい事務所で勤務する場合も年収増に期待が持てます。

どんな研修を受けるの?

警備員として働く前に必要な資格はありませんが、就職が決まった後に研修を受講することが警備業法第21条第2項で定められています。講習や実技試験ではどんなことをするのか見ていきましょう。

基本的には座学中心

警備員の研修と聞くと警察学校のような厳しい体力訓練が待ち受けているように思うかもしれませんが、実際は座学が中心です。

警備員にはそれなりの責任と信頼感、法を遵守する姿勢が必要になるので、警備員に関わる警備法から刑法や道路交通法、さらにその根幹にある憲法や基本的人権について学びます。

他にも仕事のやりがいに結びつくような警備、巡回の効果や方法の紹介、サービス業として信頼感の大切さなども学びます。緊急時に警察や消防機関への連絡も必要になりますので、その手順や方法も知っておくことが必要です。

応急処置や発声訓練といった実技も一部あり

座学以外の研修として、身体を使った訓練もあります。具体的には緊急時に行うための救命活動の手順はもちろん、警備員として必要な大きな声を出す練習です。

問題が起こった時には大声で周りに知らせる場面や、車両誘導を行う時に車のドライバーに確実に案内する必要があります。

その時に大きな声が出せないと業務に支障をきたすため、研修では発声訓練を行うのです。

ガソリンスタンドのアルバイトなどで大声を出していた人は、良いアピールポイントになるでしょう。逆に大声を出した経験がない人にとっては、研修で戸惑うこともあるかもしれません。

誰でも警備員になれるわけではない

資格に関しては条件がないものの、過去の経歴や状況によっては業務に就くことができないことがあります。少しでも心当たりのある人はしっかり確認しておきましょう。

18歳未満

警備業法第三章第十四条に「十八歳未満の者又は第三条第一号から第七号までのいずれかに該当する者は、警備員にはなれない」とされています。その為、警備員になる資格を得るのは18歳になってからです。

自己破産している場合や犯罪歴がある人は注意

自己破産や犯罪の経歴がある人は一定条件をクリアしないと警備員になれません。

警備業法第二章第三条には、警備業に就くことのできない人の条件が明記されています。

その中で第一項「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」と第二項「禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者」がこれにあたります。

自己破産したことのある人でも現在自己破産中でなければ大丈夫です。自己破産している状態だと「その人自身に責任能力がなく、物事を正しく判断できない」と判断されるため、警備員の責務を果たせないとされます。

犯罪に関しては出所もしくは執行猶予期間終了後5年以上経過している必要があります。

何らかの中毒症状であると診断されている人

覚醒剤などはもちろんのこと、アルコール中毒者も警備員として仕事できません。

これも警備業法第二章第三条第六項に「アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者」と書かれており、医師に中毒症状があると診断を受けている場合がこれにあたります。確認のため、研修時に改めて病院で検査を受けさせる企業もあります。

精神的な疾患があると診断されている場合

精神的な疾患にはうつ病なども含まれます。

こちらも同様に警備業法第二章第三条第七項に「心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの」という基準があります。

ただし通常の生活を送るのに問題がない場合や、医師から軽度である旨の診断書がもらえる時は問題ありません。

業務内容は多岐にわたる

警備員の仕事内容は1号から4号までに分類されています。それぞれに扱える分野が違っており、業務の危険度が変わってきます。警備員として目指すビジョンを頭に入れておくと、就活の際にも役立つのではないでしょうか。

施設を巡回して警備をする1号警備

ショッピングモールなどで見かける警備員は1号警備という分類になります。不審者がいないか見回りを行い、異常がないかチェックします。

車両誘導などは2号警備

車両誘導や雑踏警備は2号警備です。1号警備に比べ、他人と関わることが多く、それだけイレギュラーな対応が増えるでしょう。雑踏警備はイベントやお祭り会場などの警備になります。

現金や貴重品輸送は3号警備

現金や貴重品の他にも核燃料などの重要な物を運搬する警備は3号警備です。狙われる可能性のある、危険な警備になります。

個人を警護するボディーガードは4号警備

要人や依頼者を警護する仕事は4号警備にあたります。こちらは3号警備の危険性に加えて、警護対象者の命も関わってくる仕事内容です。

まとめ

警備員と言っても、仕事内容も幅広く資格取得によるキャリアアップも目指せる職業であることがわかります。

ただし、勤務形態によっては休日が少ない場合や、過酷な環境での労働、自身の命の危険を感じる依頼なども存在し、決して楽な仕事ではありません。

その分報酬額が多い会社もありますが、やはり大切な物や人を守るといったやりがいが大きいのではないでしょうか。

警備員を目指す人は自分がどんな警備員になりたいかのビジョンを明確にもち、就職・転職を希望する会社の労働形態をしっかり調べてから応募してください。