公務員への転職方法は?学歴・資格の条件と20代・30代で狙うべきポイント

市役所

民間企業にはない安定感や労働環境の公務員。どのようにすれば転職に失敗しないのでしょうか。公務員への転職条件を紹介しながら、世代別の受験可能な職業や倍率を見ていきましょう。

公務員試験の内容は?独学でも可能?

マークシート

公務員試験とは、筆記試験と面接で構成される試験で、国家公務員試験と地方公務員試験の2つがあります。

この2つの試験の大きな違いは国家公務員試験のほうがレベル高いものが出題されます。理由は受験可能な区別にあります。国家公務員試験は大卒や院卒の人を対象としていますが、地方公務員は概ね短大卒レベルになっています。これらは独学可能なのでしょうか。

筆記試験対策は学生時代の勉強の方法による

もしあなたが学生時代に、塾や家庭教師を利用して勉強していてうまく行った経験があるのであれば、専門学校に通うことをおすすめします。

しかし、学生時代から独学で勉強して困ったことがないのであれば無理に専門学校に行く必要はありません。社会人になってから通う時間もないことが多く、多額の出費になります。自分のペースで働きながら勉強して合格している人もいます。

逆に塾や家庭教師のような勉強方法が自分に合う場合や、会社をやめて貯めたお金でなるべく早期に合格したい場合、または高卒で公務員を目指す人は専門学校に行きましょう。公務員試験は1年の間の決まった期間でしかチャンスがないため、逃してしまうとまた1年待たなければいけません。

しかも受験可能な年齢が決まっているものもあるので、限られた回数しか受けることができません。これらの点に注意して勉強法を決めましょう。

面接対策は徹底した自己分析とリサーチ力

面接対策は民間企業の面接と同じく自己分析が必須。倍率の高い公務員試験で採用されるには相手の質問への的確な回答が必要です。

どんな質問が来てもうまく返せるように、丸暗記ではない自分の本質を知った上での回答をしましょう。志望動機では、自治体の仕組みや仕事内容を把握していることが必要ですが、民間企業とは違いなかなかイメージし難いのではないでしょうか。

インターネットで調べるだけでなく、自分の足を使って実際の官公庁や役場に行くことや、説明会や交流会に積極的に参加してリサーチをすることで、面接の際のイレギュラーな質問にも対処できます。

さらにそういった経験から出る答えから「この人は実際に現場を見に行った人だな」という好印象を与えることが可能になります。

30歳が公務員受験資格ラインとも言える

30歳女性

あなたが今30歳未満である場合は選択肢がいくつかあります。

30歳を境に受験資格の有無が変わってくることが多いため、20代後半の方は早めに対策やチャレンジしてください。受験シーズンは春に集中していますが、秋にも行っているものもあります。

国家公務員を目指す

国家公務員を目指す場合はかなり条件が厳しいです。

年齢制限の他に学歴が大卒もしくは院卒以上となっています。国家公務員の中でも総合職は院卒、一般職などその他は大卒の証明が必要になります。場合によっては短期大学もしくは専門学校卒業でも受験資格があるため、一つ一つ確認しましょう。

例を挙げると院卒限定であれば国家公務員総合職(教養区分を除く)、大卒の場合は国家公務員総合職(教養区分のみ)国家一般職など、短大卒などでも可能なものは裁判所職員一般職(大卒程度)裁判所事務官などになります。

見方としては院卒限定の場合「院卒者区分」、大卒以上の場合「大卒程度区分」、短大卒以上は「大卒程度」となります。大卒程度というのは大学卒業レベルの知識が必要な試験が行われるというだけですので、要項を確認しましょう。

地方公務員を目指す

地方公務員の場合はそのほとんどが学歴による区分はありません。

年齢による基準と必要に応じて資格を有することが受験資格となっています。最も一般的なものが地方公務員上級と呼ばれるものです。その中でも行政職は資格の必要がなく、年齢が当てはまれば受験可能です。

学歴による区分があるものは東京都Ⅰ類のA試験が院卒、B試験(一般方式)が大卒と定められています。逆に国家公務員と大きく違う点として、年齢制限が若干緩い場合があります。

例えば特別区Ⅰ類試験の場合は32歳未満であれば受験可能と上限が2年ほど伸びています。国家公務員よりも幅広い受験資格があるのが特徴です。

公務員受験時の年齢が30代(30歳以上)の場合

OL

30歳以上の場合は経験者採用枠で受験可能です。

30歳未満が新卒、第二新卒のような意味合いだったのに対して、こちらは社会人としての経験を活かした受験になります。倍率は30歳未満対象の試験と比較すると高くなっています。

年齢制限が幅広いためそれだけ多くの受験者があり、かつすべての自治体で募集があるわけではないため、狭き門となっています。

必要なものは職務経験年数

年齢の下限が30歳以上となっていますが、上限が一般的に定年と呼ばれる60歳未満であれば受験及び転職可能です。

ただし、職務経験していた年数が問われますので注意。地方公務員の経験者試験の場合、概ね直近7年以内で5年以上従事していることが必要事項に明記されています。

また、欠員などで必要な自治体しか募集していないので、自分の希望の地域で受験できないこともあります。経験者採用でも国家公務員の場合は大卒などの学歴が必要です。

年齢と経験年数で受験する区分も変わってくる

受験する職種によっては年齢と経験年数で細かく区分が設けられている場合もあります。

例として特別区経験者採用試験の場合は2級職、3級職(主任主事Ⅰ)、3級職(主任主事Ⅱ)となっています。

2級職 28歳~31歳で経験年数(1社で)4年以上

3級職(主任主事Ⅰ) 32歳~36歳で経験年数(通算可、1箇所は4年以上)8年

3級職(主任主事Ⅱ) 37歳~45歳で経験年数(通算可、1箇所は4年以上)13年

それぞれの初任給も違っています。後は経験年数の数え方に関しても注意。特別区経験者採用の場合には少なくとも1箇所で4年以上勤務した経験がないと受験できません。

他の地方公務員の社会人経験者採用に関しても自治体によって、1箇所での経験年数が何年必要かも個別に定められています。細かいことですが、公務員として働いていた年数を含めるかどうかといった点も変わってきます。

経験の少ない20代前半にも公務員のチャンスがある

20代前半

公務員への転職と聞くと若いと難しい印象がありますが、20代からでも受験資格のあるものもあります。

逆に若い間しか受けることのできない業種もあるので、早めの決断で公務員への変色を決めることが可能かもしれません。

年齢の幅が狭い分、倍率は低い

先ほどの項目で紹介した特別区経験者採用試験の2級職(28歳~31歳)と3級職(主任主事Ⅰ)を比べると、平成27年度では2級職が7.6なのに対し3級職(主任主事Ⅰ)は14.8と倍率に大きな差があります。

このように若いほどチャンスがあると言っても過言ではありません。最も若い年齢で21歳以上から募集をしているのが特別区Ⅰ類試験。32歳未満まで受験可能で、所定の資格や免許が必要なものもありますが、事務・土木・造園・建築・機械・電気の分野は不要です。

この6分野の平成28年度採用倍率は2.0~6.6となっています。さらに21歳から30歳未満の募集を行っている警視庁職員Ⅰ類の試験も大卒であれば受験可能。事務・建築・機械・電気・心理の分野で試験が行われ、倍率は平成27年度で2.0~5.2です。

30歳以上を対象とした試験の採用倍率が10以上のものがほとんどであることから、若いうちに公務員に転職するという選択肢も頭に入れておくべきです。

転職サイトでも募集している場合がある

正直なところ自治体が発行している公務員募集要項はわかりにくいことがあります。もちろんこういった文章を読み解く力も必要なのですが、間違って応募してしまい受験できなかった場合の時間と労力のロスは大きいです。

しかし、転職サイトであれば、見やすく分かりやすいように書かれていますので、そうした間違いはあまり起こりません。

国家公務員や地方公務員のような大規模な募集は掲載されていませんが、独立行政法人などの公務員職が掲載されています。転職先で後悔しないためにも、見つけた場合はすぐにチェックし、希望があればなるべく早く応募するようにしましょう。

まとめ

合格した人

公務員への転職と聞くとかなり難しそうに聞こえます。

しかも募集要項を見ても、難しい制限や期間の数え方などが記載されており、それだけで諦めてしまう人もいるのではないでしょうか。一つ一つを読み解けば自分が受験可能かどうか判断できると思いますので、根気強く見るようにしましょう。

最も転職しやすいのは自分の現職での知識が必要となっているもの。データ的にも専門知識の不要な職業よりも必要なものの方が倍率は低くなっています。

例として、平成28年度地方公務員試験上級の茨城県の採用倍率を見ると、行政職(資格不要)で7.9、技術職(土木、建築、電気、機械)で2.0と大きく変わっています。

一度自己分析も兼ねて自分の得意分野や持っている知識を整理し、公務員への道を目指してみるというのも一つの選択肢ではないでしょうか。