転職で必要な準備の一つに「自己分析」があります。
分析結果が履歴書や面接で自己アピールする際の資料になる以外にも、自分がどんな仕事を希望していてどのような将来象を描いているかを確認する良い機会になるでしょう。
今回は、自己分析のやり方を紹介していきます。
自己分析をするとどんなことに役立つのか?
具体的に自己分析をすることでどのようなことに役に立つのでしょうか。
一つには自分を見つめ直すことで本当にやりたいことが見つかり、求人検索をする際に迷わなくなること。そのほかにも履歴書や職務経歴書、採用面接で分析結果が役立つ場面が出てくるので、一度はやっておいた方が良いでしょう。
転職先を探す時に迷いがなくなる
自己分析を行なうと自分に向いている仕事や、やりたいことを発見できます。
分析の方法にもよりますが「自分がどうなりたいか」という目標を設定すると、そのためには何をすべきで、どんなキャリアプランを立てれば良いかが見えてくるのです。
また、現在勤めている会社の退職理由もより明確に分析できるので、転職活動に活かせます。
キャリアプランが完成すると転職したい業界や職種、仕事内容がより具体的に見えてくるので、求人検索で詳細な条件を設定することができるようになります。
履歴書を書く時にスムーズに書きたいことが浮かぶ
自己分析には自分の経歴やキャリアを整理する効果もあります。履歴書などで必要に迫られて書こうとすると、意外に困ることが多いのが、自分の過去についてではないでしょうか。
経歴の中にアピールできることがあっても、見落としてしまうともったいないので、棚卸しの意味も込めて書き出してみましょう。一覧にしておくことで、応募先企業に合わせてどこを深掘りすべきかが見えてきます。
面接で予想外の質問をされても対応できる
面接でイレギュラーな質問をされることはよくありますが、この対策にも自己分析は有効です。
イレギュラーな質問内容の多くはあなた自身に関する質問です。具体例として「自分の強みと弱みを説明してください」「客観的に見て自分はどんな人間ですか」「10年後どんな人間になっていたいですか」といったもの。
これらはその場で考えるとうまく説明できないことや支離滅裂になりがちです。
自己分析をしていれば、志望動機やアピールポイントはもちろん、自分の価値観や協調性、実行力や忍耐力、集中力などもスムーズに答えられるようになりますよ。それに、採用担当者の印象も良くなり入社できる可能性が上がります。
せっかくのチャンスをものにするためにも自己分析で自分という人間を説明できるように準備しておきましょう。
働く中で迷った時の参考になる
自己分析は転職活動にしか役立たないわけではありません。自分が働いているうちに迷いが生じた時にも効果があります。
たとえば、行動の方向性が自分で分かっていれば、たくさんの仕事を頼まれた時にどうやって対処すべきか、対人関係を円滑にするために自分はどんなポジションで人と接するべきか、といった悩みを解決できるでしょう。
忙しいときや追い込まれている状態では、冷静に自己分析ができないことがあるため、事前に行なっておく方が良いでしょう。
実際に自己分析をする方法
具体的にはどうやって自己分析すれば良いのでしょうか。ここでは3つの方法を紹介します。
自己啓発本などを読みながら「自分」を探して紙に書き起こす
自己分析や自分を見つめ直す方法について書かれた自己啓発本を読んで、参考にしながら紙に書き出してみましょう。本の選び方は内容よりも「自分がスムーズに読めるか」を基準にするのがおすすめです。
要するに、無理なく読める本でなければいけません。試し読みをせずに評判や著者だけで選んだ結果、読みにくい本を購入して失敗することも。こうなってしまうと、自己分析ではなく「読むこと」自体が目的になってしまいがちなので、注意が必要です。
自己分析の結果とともに、途中経過も一緒に紙や電子媒体として保存しておくことを忘れずに。自分がなぜそう考えたのかがわかれば、改めて見直した時に新しい発見ができることもあります。
診断アプリや転職サイトのツールを使ってみる
診断アプリや転職サイトにある自己分析ツールを利用すると簡単に結果を見ることができます。多くのアプリやサイトにあるツールは、選択式の質問に答えていくだけなので隙間時間にも手軽にできるのが最大の特徴。
結果を出すための集計方法や蓄積データはサービスにより異なるので、できれば多くのデータを保有している信頼できるものを選んで利用してみましょう。
転職エージェントやセミナーでプロに相談してみる
自分一人で自己分析を行なうのが難しい時には転職のプロに相談する手段もあります。
求人掲載企業の運営する転職エージェントサービスや転職フェアのような大型イベント、転職希望者向けセミナーなど無料で自己分析をしてもらえる機会は多くあります。転職のプロと直接会って話ができるので、さまざまな情報を得られる利点も。
転職のプロからのアドバイスを受けられますので、説得力を持たせることができ、面接担当者に優れた人材としてアピールできます。
ただし、実際に会うためのスケジュール確保が必要なので、忙しい人には少しハードルが高い方法です。
間違った自己分析の方法に注意
自己分析は間違った方法で行なってしまうとかえって混乱してしまい、時間のロスにつながることもあります。ここでは間違った自己分析の方法を紹介します。
誰かの意見や本の内容に流される
もっとも警戒すべきことは、自分で考えず他人の意志に流されてしまうことです。本の場合は著者の意見、アプリやツールはデータ、相談した場合はその人の考え方からあなたの自己分析の手助けを行ないます。
しかしこれらは「手助け」をしているのであって「正しい結果」とは別物です。最終的に、正しいかどうかは自分自身で決めましょう。
どんな環境に身を置きたいのか、どんなことに必要性を感じるのか、何に不満を感じるのかなど、あなただけの感情や考え方があるはず。
いろんな参考意見を見たうえで、本当に自分に当てはまっているかを考えるところまでが自己分析なので、本を読んだり診断結果を見るだけで満足せず、情報の精査を怠らないことが大切です。
都合の良いことばかり探す
自分に都合の悪いことは考えず、長所や成功体験ばかりを書き出す人もいますが、それだけでは自己分析とはいえません。
短所や悪い癖、失敗したことなども含めて自分と向き合うことで客観的な自分を見つけましょう。正直に自己分析することが自分の成長にもつながります。
一度決めたことに固執する
自己分析は、行なうタイミングや時期によって結果が変わることがしばしばあります。仕事がうまく行っている時はプラスな面を思いつきやすいですし、落ち込んでいる時はマイナスな面ばかり出てくるでしょう。
異なる結果が出ると、自己分析が間違っているのではないかと考えることもあるでしょうが「前にこう書いたから同じことを書かなければならない」ということはありません。境遇が変われば考え方や目標が変わることは当たり前です。
新卒での就職活動中に考えたことと、社会人経験を経て能力やノウハウ、スキル、資格などを身につけた後では、考えることも大きく変わっているはず。
ただ、毎週のように変わると自分の中の軸がブレてしまうでしょう。おすすめは半年や1年に1回のペースで更新していく方法です。一定期間時間を置くことで自分がどう変わったかもわかり、成長を実感できる機会にもなるでしょう。
まとめ
「自分のことは自分が一番わかっていない」という意見もあるように、自己分析は実際にやってみると意外に難しいものです。本や転職エージェントを活用するには一定の時間が確保できないと難しいため、手軽なツールでまずは進めてみましょう。
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