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元転職エージェントのここだけの話

休職期間中の転職活動はNGではない?次が決まればそのまま退職もあり?

休職期間中に転職活動をすることはいけないことなのか?

このような質問を受けることが度々あります。休職というのは仕事をせずに会社に籍を置いている期間であり、休職者は少なからず会社に対する恩義を感じているため、その期間に転職活動を行うことは「会社に対する裏切り」と考えてしまうようです。

しかし、結論から言うと休職期間中の転職活動はNGではありません。むしろ有利に転職活動できるチャンスでもあります。

そこで今回は休職期間中の転職活動について、その考え方や注意点などをお話しいたします。

急増する「休職者」とその背景

社会構造の変化や働き方の多様化とともに、企業の従業員を取り巻く環境も年々厳しさを増しています。それを裏付けるように、ここ数年休職者の数も増加しているそうです。

日本生命保険相互会社が平成28年1月19日に発表した「これからの福利厚生のあり方について」レポートによると、従業員1000人以上の企業や官公庁において過去5年の間にうつ病などの精神疾患を患うメンタルヘルス不調による休職者が増加したと回答した企業は全体の5割近くにも上っています。

企業規模の小さい所においてはそれ以上であると推測されるため、日本企業における従業員のメンタル面の健康状態は、より厳しくなりつつあると見るべきでしょう。

もしも重度のうつ病になってしまったら、自ら命を絶ってしまうリスクすらあるのですから本当に怖いです。診断書の提出や自身の状況を説明していく中で、会社の人に理解してもらう必要があります。

休職期間中の過ごし方いろいろ

いずれにせよ、休職期間中はゆっくりと体と心を休めることが基本です。

特にメンタルヘルス不調により休職を余儀なくされた方の場合、「みんな一生懸命仕事をしているのに、自分だけサボっているみたい」「ここままじゃ職場のみんなに迷惑をかけてしまう」と、自分を責めてしまう方向に考えがちです。

これだと、ストレスが和らぐどころか心身ともに疲労が溜まってしまう一方です。

しかし、休職というのは「復職した時にまたバリバリと働いてもらうため」に会社が設けた制度。

従って、休職期間中はゆっくりと休職の原因となった怪我やメンタルヘルス不調に対処し、好きな音楽を聴く、家族と会話する、小旅行に行くといったようにリラックスして過ごすことが大切です。

休職期間に転職活動をしてもよいのか?

一方で、メンタルヘルス不調を原因として休職している方の中には、元の職場に復職することにより再度メンタルヘルス不調に陥ることを恐れ、休職中に転職活動を行う方もいます。

実際に行動に移さなかったとしても、求人情報だけはチェックしているという方はもっと多いでしょう。

休職の原因がメンタルヘルス不調であり、勤務中のハラスメントや過重労働が原因である場合、復職すれば症状を再発してしまう危険性は十分にあります。明らかなブラック企業に勤めている場合は、今度は絶対にホワイト企業との出会いを果たしたいです。

このようなケースにおいて、休職期間中に転職活動を行うことはルール違反でもなんでもありません。倫理的にどうかという意見もありますが、自分の将来がかかっているわけですから誰にも止める権利はありません。

むしろ、精神的・肉体的に疲労もなくリフレッシュされた状態で新しい仕事を始められるのであれば双方にとってメリットがあると言えます。

ただし、転職活動は在籍中の会社にバレないように行うように配慮することは必須です。会社としては「復職を前提とした休職」という位置づけであるため、休職中に転職活動を行っていることが判明すれば何かしらの処分を課されることがあります。

例え休職中で無くとも、内定をもらうまでは現在在籍している会社にバレないようにすべきというのが鉄則ですね。

転職活動に割ける時間はいくらでもあるのが強み

休職期間中に転職活動を行うことのメリットとはどういうものでしょうか?

最も大きなメリットは「時間があること」です。転職活動は何かと時間を必要とします。

候補となる企業の情報を集めてピックアップしたり、履歴書や職務経歴書などの書類作成をしたり、面接を受けたり・・・と、普通に働いていたらなかなか前に進まないこともあるほど忙しいです。

しかし、休職期間中は転職活動に多くの時間を費やすことが可能。じっくりと落ち着いて転職活動に取り組むことが可能であるため、心に余裕が生まれます。面接の日程も組みやすくなり、意外と早く次の仕事先が見つかる可能性も高まります。

次が決まっても決まらなくても立場は保証されている

休職期間中に転職活動を行うことのもうひとつのメリットは、転職が成功しても失敗しても無職にはならないということ。

希望通りの企業に採用が決まれば、そこで新たなキャリア構築を行えば良いですし、逆に転職がうまくいかなくても復職すれば慣れ親しんだ職場で活躍することもできます。つまり、どちらに転んでも無職になることはなく、将来の不安は当面考えなくてよいことになります。

このメリットは意外と大きく、特にメンタルヘルス不調で休職している方にとっては、将来が見通せないことによる不安から解放されるという点が大きいと言えます。失業する心配が無いため、思い切ってアクティブな転職活動ができるのです。

あくまでも優先すべきは現在の勤務先

このようにメリットのある休職中の転職活動。しかし、忘れてはならないのが今は「休職中」であり、出社していないとはいえ会社に籍が残っているということ。

そして、休職中にしっかりと回復し、復職してまた休職前と同様にバリバリ仕事をするということが前提であるのです。

従って、道義的観点から言っても、会社には転職活動を行っていることは決してオープンにせず、休職中に次の仕事先が見つかったならば速やかに復職して引継を行う必要があります。

また、休職していたことは次の勤務先にはしっかりと話しておきましょう。仮に黙っていたとしても、源泉徴収票を見ればすぐにわかります。新しい会社へ入社してから前職での休職が明らかになってしまうとマイナス評価につながる可能性は否定できません。

このように、休職期間中の転職活動にはさまざまな注意すべき点があり、自分ひとりですべてをスムーズに進めるにはハードルが高いのではないでしょうか。

休職期間中の転職を成功させるたった一つの方法

休職期間中の転職を成功させるコツは、転職エージェントを利用する事です。

転職エージェントでは、休職期間過ごし方や休職期間中の転職活動について、転職の専門家であるキャリアコンサルタントがさまざまな事例を基に適切にアドバイスしてくれます。

休職期間中でも、現在の勤務先に迷惑をかけず、新しい勤務先にも悪い印象を与えずにスムーズな転職活動ができるでしょう。

現在休職中であることをマイナスに取られないように、応募先の企業へしっかりとあなたのスキルや経験を伝え、面接をクリアできるよう調整もしてくれます。

他にも、転職エージェントを利用する大きなメリットは全部で3つあります。

表に出てこない非公開求人に応募できる
面接のサポートをしてくれる
年収アップ交渉もエージェントにお任せ

1つずつ解説していきます。


表に出てこない非公開求人に応募できる

求人検索をして、気に入った案件がないと諦めていませんか?

実は、転職サイトに掲載されている求人はほんの一握り。

専門性の高いものや良質な案件は非公開の求人として、運営企業が当てはまる人にのみ紹介しているのです。

その大きな理由として挙げられるのが「ライバル企業に知られたくないから」。

求人内容をライバル企業に見られることで、どんな事業をしようとしているのか、どの職種にどれだけの報酬を支払っているかがわかってしまいます。

そこで、重要な仕事やポジションの求人を非公開にして、応募してもらえる人にだけ提供するよう運営企業に求めているんです。

転職エージェントに登録すると、この非公開求人を紹介してもらう事ができるようになります。


面接のサポートをしてくれる

「書類選考は通過するけど、面接でいつも失敗してしまう」そんな悩みを抱えている人はいませんか?

転職エージェントは転職のプロ。

ビジネスマナーから転職業界のトレンド、そして何より企業に関しての情報を多く持っています。

今までの面接で落ちてしまったのは、マナーが間違っていたり、アピールの方法がズレていたのかもしれません。

転職エージェントはマナーの講習ももちろんのこと、応募先企業に合った面接対策も教えてくれます。

あなたの経歴で、どこをアピールポイントとすべきか、想定される質問から事前にどのように回答すれば良いのかも一緒に考えてくれます。

エージェントと面接の練習をしておけば、本番で緊張することも少なくなりますね。


年収アップ交渉もエージェントにお任せ

とてもやりたい仕事でも「年収がもう少し良ければ…」「条件がちょっと合わないかな」と思うことも少なくありません。

そういった時に自分から企業側へ言い出すのは難しいですよね。

しかし転職エージェントなら、そんな交渉も快く請け負ってくれます。

自分で転職活動をして応募していると、どうしてもあなたが立場上弱くなりがち。

これを利用して、ブラック企業などは最低限の年収や条件交渉をしてくることもあり、結果的に不利な転職になってしまいます。

年収アップやキャリアアップのために転職活動をしている方にとっては、転職エージェントは大きな力となります。

他にも転職エージェントは求人紹介、相手企業への連絡、面談などの日程調整等も代わりにやってくれるので、自分は転職に集中する事ができますよ。
以上3点が転職エージェントを利用する大きなメリットですね。


元エージェントが休職中に転職先を探す方におすすめする転職エージェント2選

元転職エージェントの私から見て、休職中の転職で本当にオススメできると感じた転職エージェントは以下の2つです。

どちらがオススメなのか?と聞かれたら、私は両方とも登録することをおすすめしています。

実は、非公開求人は運営会社ごとの差が出る部分なので、2社のエージェントに希望条件を出すと、同じ案件はほとんど出てきません。

単純に2倍の非公開求人を見ることができるので、良い条件の仕事を見つけやすくなります。(※どちらも登録は3分程度、完全無料で利用できます。)


1.DODA 2人体制での手厚いサポートが魅力

DODAは「キャリアアドバイザー」と「採用プロジェクト担当」の2人体制で行う、手厚いサポートが魅力です。

キャリアアドバイザーは電話面談やカウンセリングを通して、あなたにあった職業選択や、キャリア開発のアドバイスを行ないます。

これに対し、採用プロジェクト担当は、求人情報や企業情報の提供、面接や書類作成のサポートなどを行います。

他社では1名で行う為、仕事が雑になりやすい傾向がありますが、2名体制で行う事で質の高いサポートが受けられます。

求人案内も早いので、なるべく早く就職したいと考えている人には、DODAがオススメですね。

DODA公式サイト:https://doda.jp


2.リクルートエージェント 求人数は業界ナンバー1

リクルートエージェントは人材紹介業界最大手の「リクルート社」が提供するサービスです。

現在20万件以上の求人が登録されていますが、ホームページから探せるのは3万件程度で、残り80%は非公開求人となっています。

リクルートエージェントに登録することで、17万件を超える非公開求人の紹介を受ける事ができます。

他社と比べても求人数が圧倒的に多いので、就職を考えているなら必ず登録しておきたいサービスです。

リクルートエージェント公式サイト:https://www.r-agent.com

就職後に後悔しないように、この2社は必ず抑えておきましょう! 

 


 

休職中でもスムーズに転職するためのQ&A

転職先から在籍確認されたら休職中であることはバレますか?

転職活動の際に在籍確認が行われることがあるのか?については、休職中かどうかにかかわらず、可能性は低いです。というのも在籍確認を取る理由は、履歴書や職務経歴書の内容に疑わしい部分があるから。以前よりもこうしたチェックはかなり少なくなっていますし、しっかり書類を仕上げていればさほど心配することはありません。

ただし、在籍確認が取られるかどうかに関係なく、休職中であることは面接時に伝えておきましょう。

休職中であることは転職活動時に必ず伝える必要がありますか?

休職中であることを転職活動で隠すことはおすすめしないとお話しましたが、隠すことが違法というわけではありません。中には新しい勤務先に伝えることなく、転職活動を成功させバリバリ働いている人もいます。

休職中であっても在職していることには変わりはありませんから、面接時に毎日元気に出社していますと言わなければ、嘘にはなりません。ですが、後から休職した過去を転職先に知られた場合は印象が悪くなってしまいます。そうしたトラブルを避けるという意味では伝える必要があるといえるのではないでしょうか。

休職を隠して転職したらクビになることもある?

休職中であることを転職先に隠して後々バレてしまった場合、内定取り消しや解雇の可能性はないとは言いきれません。

ですが、基本的にはあなたの勤務態度が大きく影響すると考えてください。しっかり業務をこなしていることが分かれば、この手の経歴詐称は即クビということにはならないでしょう。

とはいえ、いつバレるかビクビクしながら働くよりは、休職中に転職活動をしていたことを後からでも伝えておいたほうが賢明だといえます。

精神疾患があって休職している場合、転職活動に不利ですか? 

ケガや病気は完治したら問題ありませんが、精神疾患の場合は症状が治まって働く分には差し支えないものの、面接時にそのことを伝えると不利になってしまう可能性はあります。そのため、病気のことを隠して面接を受けている人も多いですし、そうアドバイスする書籍も多いです。

精神疾患を隠してもいいの?

現代人に多い精神疾患といえばうつ病ですが、こうした精神疾患を転職活動の面接時で伝えないこと自体は問題ではありません。ただし、あえて話す必要はないという意味であって、企業側から病歴を尋ねられたら正直に答えなくてはいけません。

抑うつ状態がひどくなったら?

病歴について確認されたけど嘘をついてしまったのであれば、転職後に病状が悪化してしまうと、立場は非常に悪くなってしまいます。場合によっては自主退職を促される可能性もあります。

傷病手当をもらっていたこともばれる?

傷病手当は年収に含まれず、計算が合わなくなってしまうため、源泉徴収票から予測することは可能です。

休職していたことも傷病手当を受け取っていたことも、転職先から源泉徴収票の提出を求められたら把握されると思っていてください。

休職中に転職活動を始めるならいつがベストタイミングですか?

精神疾患による休職であれば、まずはしっかり休養し通院、必要があれば入院してしっかり治療して、主治医のOKももらってから転職活動をスタートさせることがベストタイミングだといえるでしょう。 

早く転職したい気持ちは分かりますが、治療や休養の必要があるのに無理をして復帰を焦ってしまっては元も子もありません。

休職中に転職できれば安心感は大きいですが、休職する本来の目的についても考えていきましょう。

休職中の転職活動が今の会社にばれた場合、どうなりますか?

違法ではありませんし、むしろ在職中に転職活動をすることをおすすめしますが、今の会社にばれた場合は、立場が悪くなる可能性は高いです。すぐに辞める人、会社に不満がある人だと思われて居場所がなくなってしまうことも。もしくは上司から強く引き止められて転職活動の妨げになってしまうこともあります。

加えて休職中ともなれば、復職しないつもりであることが判明するため、何らかの処分が下される可能性があります。

ストレスが理由で休職できますか?

病気とまでは断定できなくてもストレスの蓄積で少し休みたい場合、休職できるのかについて解説します。休職するためには少なくとも次の2つが明確になっている必要があります。

・就業規則に該当しているか

・休職理由が妥当であるか(医師による診断書は必須)

診断書があれば必ず休職できる?

必ず休職できるとは限りません。ストレスがどうにもならないところまで蓄積されて、休職の必要性を感じた場合は、まずは心療内科の医師に相談してください。ストレスであれば、たとえば「心身の疲労」という感じで診断書を書いてもらえるでしょう。

ただし、診断書があっても休職できるかどうかはあくまで会社の判断。もし条件に該当しない・会社に認めてもらえない場合は、退職して休養を取りながら転職活動をすることになります。

転職の悩みは誰(どこ)に相談したらいいですか?

休職中に転職活動をする場合、色々不安や悩みが尽きないと思います。状況を考えるといつもは頼れる仕事仲間であっても相談するのも躊躇してしまうでしょう。休職中であることは面接時に伝える必要がありますし、在籍している会社には知られないように行動しなくてはいけませんから。

こんな時に頼りになる相談窓口は転職エージェントです。転職エージェントならあなたに適した情報を提供してくれますし、サポートもしてくれます。

「雇用保険被保険者証」とは何ですか?

初めて転職活動をする人は、見たことがないと思います。雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入するともらえる証明書のこと。雇用保険はあなたが初めて就職した会社で手続きが行われ、あとはそのまま退職するまで会社側が保管しているのが普通です。

転職先が決まると、この証明書を提出する必要があります。

雇用保険被保険者証で休職したことがバレる?

休職した事実が転職先に知られることはありません。この証明書には被保険者番号と氏名、生年月日が記載されているだけです。企業側は被保険者番号を知るために提出を求めます。

バレることがあるとすれば、源泉徴収票を見られて計算が合わないことに気付かれた時、休職していた会社に連絡された時、健康保険組合に連絡された時などに可能性はあります。

休職中に転職が決まった場合、退職理由はどう伝えればよいですか?

休職中に無事転職活動が実り、これまで勤めてきた会社を退職する際、何と伝えれば円満に辞められるのか。

退職理由としては、「休職期間を経て復帰しても、以前と同じように業務をこなすことは難しいと判断した」という感じで伝わると思います。あとは、就業規則に従って退職の手続きを進めることになります。

転職先が決まったことは、正直に打ち明けるべき?

転職先が決まったことを言うか言わないかは、あなた次第です。たとえば同じ業界への転職だと、どこで繋がりを持つようになるか不安になるでしょう。その場合は気まずくても正直に伝えておいたほうが結果的に安心できるかもしれませんね。

休職中に転職が決まった場合、今後の手続きはどうなりますか?

退職手続きについては、「就業規則に従い、退職する意思と退職日を伝えて交渉する」「備品を返却する」「必要書類を受け取る」という流れが一般的です。