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仕事ができるビジネスマンは会社の辞め方も上手!?

終身雇用年功序列の雇用体系が崩壊しつつある現在、仮に大手企業に入社しても転職と無縁でいることは相当な努力と運の良さが必要になります。生活がかかっている以上、この現状はよく理解しておくべきです。

自己都合や会社都合を問わず、何かしらの形で会社を辞めざるを得ないケースも多く、その際どれだけ「美しく」会社を辞めることができるのかが、その人のビジネススキルを表すと言っても過言ではありません。

転職エージェントの活用は常識ですし、有給休暇を上手く使って面接を受けに行く、転職経験のある人に相談する等、タイミングを見計らいつつスマートに進めていきましょう。

ここでは、会社を上手に辞める方法について、さまざまな観点から見ていきます。

社員研修では「会社の辞め方」は教えてくれない

新入社員研修、階層別研修、職務研修、管理職研修など、どの会社でも社員教育に力を入れており多くの研修プログラムが組まれています。しかし、それらの研修で学ぶ内容の中に「会社の辞め方」は含まれておりません。

会社を辞めるという行為は、仕事における上司や同僚との関係性を整理することでもあり、ビジネススキルやビジネスマナーの一環として社会人であれば身につけておくべきものです。

にもかかわらず、研修で学ぶ機会が無いため、多くの社会人は会社を辞める際に揉めたり苦労したり、あるいは逃げるように消えてしまったりと、上手に辞めることができずにいるのが現実です。

会社の辞め方にはある程度決まった様式美のようなものがあります。

わかりやすく「お約束」といってもよいでしょう。上手に退職すること=円満退職には一定の「お約束」があり、そのお約束を守ることが後腐れの無い次へのステップへとつながるのです。

お約束その1:退職の意思は直属の上司へ

転職先から内定をもらうなどして次の職が決まり、今の会社へ退職交渉をするなら、直属の上司へ退職の意思を申し出ることが「お約束」です。

決して人事部や社長へ直接退職届を提出することの無いよう注意してください。

また、上司に伝える前に部下や同僚などに退職の意思を漏らすのも厳禁です。つまり、直属の上司に知らぬところで退職の話を進めないようにしておく必要があるということです。

理由として、退職決定後の業務引き継ぎや正式な退職日の決定など、退職手続きに関しては直属の上司が差配する事項が数多くあり、その直属の上司の機嫌を損ねてしまえば上手く退職することが困難になってしまうからです。

仮に人事部などの他部署が先にアナタの退職を知ってしまえば、直属の上司が管理責任を問われることがあります。

また、部門のメンバーが知っているのに上司だけ知らなかったという事態になればその上司の面目が丸つぶれ。決してアナタの味方にはなってくれません。

上手に会社を辞めるには、真っ先に直属の上司に「相談」し、「納得」させた上でスムーズに退職できるように取り計らってもらうことが必要です。

お約束その2:退職理由に”ホンネ”は不要

退職を申し出た際に、退職理由について質問されることがあるでしょう。寿退職の場合はまだしも、転職による退職の場合、明確な理由を正直に答える必要はありません。

特に転職の場合は今の会社に少なからず不満があるから転職するという決意をしたわけですが、その不満を正直に言う必要はないのです。ここは”ホンネ”ではなく”タテマエ”で進めていく場面です。

目指すのは円満退社なのですから、この際、これまで抱えていた不満はきれいさっぱり水に流してしまいましょう。

退職願には「一身上の都合により」と書けば問題ありません。転職だとか親の介護のためだとか、事細かな理由を書かずともよいのです。

なぜこのような「お約束」があるのかをご説明しましょう。

仮に何かしらの不平不満があったとしても、それをこの場で言ったところでどうにもならないというのが最も大きな理由です。

アナタにとってどれだけ我慢ならないことでも、会社側としては辞めていく人間の不満を受け止め改善することはありません。

特に上司に対する不満が理由であることをその上司に言っても聞く耳を持たないでしょう。不満のある上司に対してはホンネではなくタテマエでやり過ごすことが大切です。要は、退職日まで人間関係をギクシャクさせることなくやり過ごせばよいのです。

また、残業代不支給やハラスメントなどの各種コンプライアンス違反が退職理由である場合はどうしたらよいかと聞かれることもあります。

会社に残る同僚のために捨て身で改善を訴えて辞めるという人もいますが、その正義感は退職時ではなく在職中に発揮してください。正義感がアダとなって残された人間が痛い目にあうこともありますので。

お約束その3:退職後の進路は言わなくても良い

退職理由と同様に、退職後の進路についても質問されることがあるでしょう。

この質問についても正直に答える必要はないのです。答えるとすれば「新しい分野でチャレンジしてみたい」だとか「他にやりたいことを見つけた」というちょっとあいまいな回答で十分です。

中には、馬鹿正直に次の会社名を答える人もいますが、その回答をしたところで何のプラスにもならないことは容易に想像できるでしょう。特に次の転職先が今の会社と同業他社である場合などは絶対に言わないでおきましょう。

例外として、独立する場合にはその旨を伝えることがプラスにつながることもあります。今の会社への貢献度が高ければ何かしらの仕事を回してくれる可能性もあります。ただし、これは例外中の例外であることを認識してください。

お約束その4:引き止めを真に受けない

退職の意思を表示すると、上司や役員から引き留めをされることがあります。「俺の能力を認めてくれているから引き止めるのか」と意気に感じ退職を踏みとどまる人も中にはいるかもしれませんが、基本的にこのような会社からの引き留めも「お約束」の一つであると思ってください。

管理職経験のある人ならわかるでしょうが、人員が欠けるとその補充に苦労するのです。

特に期の途中であれば新卒で補充することもできませんし、中途採用にも手間とコストがかかります。その手間とコストを惜しんで引き留めをするわけであり、決して能力が惜しいからではありません。

それに、退職しようと思った理由を改めて考えてみてください。

退職理由ランキングは様々な団体が実施していますが、よくある理由としては「上司や経営者のやり方に不満があった」「過酷な労働環境だった」「人間関係が上手くいかなかった」「収入や労働条件に不満があった」などがあります。

あなたが転職したいと思った理由は、引き止められたことで解決するものですか?

引き留めを真に受けて今の会社に残り、せっかく決まった次の会社に迷惑をかけてしまうことがアナタのキャリアにとって大きな損失になってしまうのです。

悩んで迷いながら転職活動してきた日々を忘れないでください。

お約束その5:クライアントへの引継の挨拶はしっかりと

立つ鳥跡を濁さずというのが上手な辞め方の基本です。特に社外の取引が多い部門に従事していると、退職に伴い後任者を連れた挨拶周りというのは非常に重要な意味を持ちます。

「明日辞めます」と即時退職するのはよっぽどのことがない限り避けるべきです。

というのも、辞めてしまう会社ならまだしも、取引先の会社はいつどのような形でまた仕事をする関係になるか分からないからです。

次の転職先でも取引先となっている場合もあるのです。従って、しっかりとした挨拶を行い、取引先に不便や迷惑をかけない形で後任者へ引き継ぐことが上手な辞め方の重要な要素です。

電話1本、メール1通で済ませるのではなく、直接取引先へ出向き挨拶をしておくことは、今後の自分のためでもあります。

もちろん、対外的な業務以外にも引き継ぐ業務はたくさんあるでしょう。ひとつひとつの業務について、ある程度後任者に任せつつ差し出がましくない程度に丁寧に引継をするのは言うまでもありません。

まとめ

先行き不透明な経済状況下、この先どのような決断をするにせよ、会社を辞める時には後ろ足で砂をかけるような真似はNGです。

できるビジネスマンは、ビジネスの基本が人間関係であることを十分に理解しています。退職の際にも良好な人間関係を維持し、自分の価値を高めてくれるように関係性を保つことを前提に物事を考えてみましょう。

先の先まで見越して上手に退職することが自分にとって大いにプラスに働くということを忘れないで欲しいですね。